みらい(新人医療事務)
先輩、「血中ケトン体自己測定器加算」ってレセプトで見たんですけど、これって何の加算なんですか?血糖自己測定器加算とは違うものですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。血中ケトン体自己測定器加算は、血糖自己測定器加算(区分C150)の「注4」に規定されている加算で、SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者さんに対して血中ケトン体自己測定器を使用した場合に、40点を更に第1款の所定点数に加算するものです。血糖自己測定器加算そのものとは別枠の、条件が絞られた加算だと考えてください。
みらい(新人医療事務)
なるほど、単独で算定できるものじゃなくて、ベースになる管理料があるんですね。うちのクリニックでも算定候補になるのか、何から確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
落ち着いて順番に見ていきましょう。この記事では令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知の内容にもとづいて、対象患者・点数・算定要件・注意点を整理していきます。最終的な算定可否は自院の届出状況や患者さんの個別の状態によって変わるので、あくまで「確認の入り口」として読んでくださいね。
対象となる医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
まず、どんな医療機関で、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は診療所・病院で、在宅の患者さんが中心です。入院中の患者さんへの算定は対象外になります。対象患者は告示の「注4」で明確に絞られていて、SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者さんに限られます。
対象患者の条件(告示 注4)
服薬: SGLT2阻害薬を服用していること 病型: 1型糖尿病の患者であること 測定器の給付: 血中ケトン体自己測定器を使用(給付)していること
みらい(新人医療事務)
SGLT2阻害薬というと、もともとは2型糖尿病のイメージが強いんですが、1型糖尿病の患者さんにも使うことがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知では、SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者さんに対し、糖尿病性ケトアシドーシスのリスクを踏まえて、在宅で血中のケトン体濃度を自己測定するために血中ケトン体自己測定器を給付した場合に算定するとされています。SGLT2阻害薬は血糖値が高くなくてもケトアシドーシスを起こす「正常血糖ケトアシドーシス」のリスクが知られているため、血糖だけでなくケトン体もあわせて自己管理してもらう、という位置づけの加算です。
みらい(新人医療事務)
ということは、対象になる患者さんは、もともと血糖自己測定器加算やインスリンの自己注射の管理も受けている方が多そうですね。
あおい(元・医療事務)
その可能性は高いですね。ただし、血中ケトン体自己測定器加算そのものの算定要件は「SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に血中ケトン体自己測定器を使用した場合」というシンプルな規定なので、まずはこの条件に当てはまるかどうかを確認するところから始めましょう。
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらになるんですか?
あおい(元・医療事務)
40点です。この40点は、血糖自己測定器加算(C150)自体の点数区分1〜7とは別に、第1款の所定点数に「更に」加算する形になっています。告示の条文には、次のように定められています。
| 加算名 | 点数 | 加算のされ方 |
|---|---|---|
| 血中ケトン体自己測定器加算 | 40点 | 第1款(在宅療養指導管理料)の所定点数に更に加算 |
告示の条文(C150 注4)
規定内容: SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者に対して、血中ケトン体自己測定器を使用した場合は、血中ケトン体自己測定器加算として、40点を更に第1款の所定点数に加算する。

みらい(新人医療事務)
「更に」加算するということは、血糖自己測定器加算(C150)の点数と合算して算定できる、ということですか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「第1款の所定点数に更に加算する」とされているので、在宅自己注射指導管理料などの基礎点数に対して加算する規定です。血糖自己測定器加算(C150)自体を算定しているかどうかとは別に、SGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病の患者さんに血中ケトン体自己測定器を給付していれば、この40点が候補になり得ます。ただし、実際のレセプト運用や併算定の可否は個別の患者さんの状況によって変わるため、断定はできません。自院の状況に照らして、審査支払機関への確認も含めて判断することをおすすめします。
材料費・費用の取り扱い
みらい(新人医療事務)
測定に使う電極とか測定機器の費用は、別に請求できるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、できません。留意事項通知には、血中ケトン体測定用電極及び測定機器を患者さんに給付又は貸与した場合における費用、その他血中ケトン体自己測定に係るすべての費用は所定点数に含まれ、別に算定できないと明記されています。
材料費は加算に含まれる
血中ケトン体測定用電極・測定機器の費用その他血中ケトン体自己測定に係る全ての費用は、40点の所定点数に含まれます。別立てで材料費を請求してしまうと、算定誤りになる可能性があるので注意してください。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算、届出とか施設基準はいるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、血中ケトン体自己測定器加算そのものに施設基準や地方厚生局への届出を求める規定は見当たりません。ベースになる在宅自己注射指導管理料(在宅自己注射指導管理料)等についても、当サイトが確認できる範囲では届出を求める規定は見当たりませんが、加算ごとに扱いが異なる場合があるため、最終的には自院の届出状況を公式資料や地方厚生局で確認することをおすすめします。
確認しておきたいベースの管理料
在宅自己注射指導管理料(C101): 1型糖尿病でインスリンの自己注射を行っている患者さんの多くが該当する可能性があります 血糖自己測定器加算(C150): 同じ患者さんが血糖自己測定器加算も算定している場合、あわせて確認しておくと取り漏れを防ぎやすくなります
算定のタイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知で明確に定められているのは、対象患者の条件(SGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病)と、血中ケトン体自己測定器を給付した場合に算定できるという要件、そして材料費が所定点数に含まれる点です。血糖自己測定器加算(C150)で規定されているような「退院日に限り算定できる」といった細かいタイミングの規定は、血中ケトン体自己測定器加算そのものについては当サイトが確認できる一次資料の範囲では見当たりません。
断定できない部分は自院で個別確認を
資料に明記されていない運用(複数月分の測定器を給付した場合の扱いなど)については、資料だけで断定せず、自院で個別に確認するようにしてください。「算定候補」として整理したうえで、最終的には審査支払機関や公式資料で確認するのが安全です。
みらい(新人医療事務)
患者さんがSGLT2阻害薬をやめてしまった場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象患者の条件が「SGLT2阻害薬を服用している1型糖尿病の患者」なので、服薬を中止した場合はこの条件に当てはまらなくなる可能性があります。処方内容が変わったときは、対象患者の条件に引き続き該当するかどうかを都度確認しておきたいところです。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、当サイトが収集している一次資料(令和8年厚生労働省告示第69号・医科点数表の解釈)の範囲では、血中ケトン体自己測定器加算について、前回改定(令和6年度)時点の規定と比較できる資料をまだ確認できていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。令和8年度の告示・留意事項通知では、40点の加算として、対象患者・算定要件・材料費の取り扱いが明記されていることを確認していますが、これが前回改定(令和6年度)から継続している規定なのか、令和8年度改定で新たに整理されたものなのかは、当サイトが確認できる一次資料だけでは判別できていません。
前回→今回の対比(確認できた範囲)
前回改定(令和6年度): 血中ケトン体自己測定器加算に関する当時の規定は、当サイトの一次資料の範囲では未確認です。 令和8年度: SGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病患者を対象に、血中ケトン体自己測定器の使用で40点を加算するという現行の規定を告示・留意事項通知で確認しています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちのクリニックで確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 対象の患者さんが1型糖尿病で、SGLT2阻害薬を服用しているか確認する
- その患者さんが在宅自己注射指導管理料(在宅自己注射指導管理料)等、第1款の在宅療養指導管理料を算定しているか確認する
- 血中ケトン体自己測定器を実際に給付しているか、記録で確認する
- 血糖自己測定器加算(血糖自己測定器加算)もあわせて算定している患者さんかどうか確認し、取り漏れがないか照合する
- 測定用電極・測定機器の費用を別立てで請求していないか、レセプト上で確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れとか、間違えやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかありますよ。
よくある取り漏れ・誤りやすいポイント
対象患者の見落とし: 1型糖尿病でSGLT2阻害薬を服用している患者さんに気づかず、血中ケトン体自己測定器加算そのものを算定し忘れているケース 材料費の別請求: 血中ケトン体測定用電極や測定機器の費用を、誤って別立てで請求してしまっているケース 服薬変更時の確認漏れ: SGLT2阻害薬を中止したのに、対象患者の条件に該当しなくなったことに気づかず算定を続けてしまっているケース 血糖自己測定器加算との混同: 血糖自己測定器加算(C150)の点数区分と混同して、40点の血中ケトン体自己測定器加算を見落としているケース
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
血中ケトン体自己測定器加算と血糖自己測定器加算(C150)は、両方とも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
どちらも第1款の所定点数に加算する規定ですが、それぞれ対象患者や算定要件が異なります。血糖自己測定器加算(血糖自己測定器加算)は測定回数に応じた点数区分(350点〜1,490点)、血中ケトン体自己測定器加算はSGLT2阻害薬服用中の1型糖尿病患者を対象とした40点の加算です。同じ患者さんが両方の対象患者の条件を満たす場合の併算定の可否は、資料だけで断定せず、自院で個別に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
「在宅自己注射指導管理料」の届出をしていないと、この加算も算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
血中ケトン体自己測定器加算は「第1款の所定点数に更に加算する」規定なので、まずベースになる在宅自己注射指導管理料などの在宅療養指導管理料の算定要件を満たしていることが前提になります。ベースの管理料の算定状況を確認してから、この加算の対象になるかを確認する順番になります。
みらい(新人医療事務)
血中ケトン体自己測定器加算に施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、血中ケトン体自己測定器加算そのものに施設基準や届出を求める規定は見当たりません。ただし加算ごとに扱いが異なる場合があるため、最終的には自院の届出状況を公式資料で確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の該当状況やベースの管理料の算定状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。