みらい(新人医療事務)
院長から「レセプトに麻薬注射加算をつけ忘れてないか確認して」って言われたんですけど、麻薬注射加算ってそもそも何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。麻薬注射加算は、注射の際に麻薬を使用した場合に算定できる可能性がある加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、注射料の通則5に基づいて、注射に当たって麻薬を使用した場合に5点を加算する、とされています。
みらい(新人医療事務)
5点だけなんですね。てっきりもっと大きい加算かと思ってました。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。金額としては小さいですが、対象となる注射の回数が多い診療科(緩和ケア・在宅がん治療の関連する外来など)では、積み重ねで算定漏れが目立ちやすい加算候補のひとつです。まずは条文を正確に見てみましょう。
麻薬注射加算とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
条文には具体的にどう書いてあるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表(第2章第6部 注射の通則)には、次のように定められています。「5 注射に当たって、麻薬を使用した場合は、麻薬注射加算として、前各号により算定した点数に5点を加算する。」という条文です。
あおい(元・医療事務)
つまり「注射の基本料(実施料)」に対して、麻薬を使用した場合にさらに5点を上乗せする、という位置づけの加算候補です。麻薬そのものの薬剤料とは別に、注射という「手技」に対する加算という整理になっています。
みらい(新人医療事務)
「前各号により算定した点数」っていうのは何を指してるんですか?
あおい(元・医療事務)
注射の通則には、麻薬注射加算より前に、生物学的製剤注射加算(通則3)や精密持続点滴注射加算(通則4)といった、他の注射加算が並んで規定されています。「前各号」はこれらを含めた、注射の基本的な算定点数のことを指していると条文からは読み取れます。麻薬注射加算は、それらの点数にさらに上乗せする形の加算候補として整理されています。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算候補は診療所・病院のいずれも、外来・入院のどちらの場面でも対象として整理されています。条文自体が医療機関の種別を限定する書き方になっていないためです。
みらい(新人医療事務)
在宅はどうですか?在宅で麻薬を使う患者さんもいますよね。
あおい(元・医療事務)
そこは少し注意が必要です。当サイトの整理では在宅の場面は対象外として扱われていますが、在宅では在宅患者訪問診療料や在宅悪性腫瘍患者共同指導管理料など、別の算定区分の中で麻薬の使用が評価される場合もあります。在宅の患者さんに麻薬を含む注射を行った場合にこの加算候補が使えるかどうかは、資料内で明確に確認できていない部分もあるため、自院で行っている算定区分に応じて個別に確認が必要です。
対象になりやすい診療科・場面
緩和ケア関連の外来・入院: がん性疼痛の緩和目的で麻薬を注射で使用する場面は、算定候補として確認しておきたいところです。 手術後の疼痛管理: 術後に麻薬を注射で使用するケースも、算定候補になり得ます。 慢性疾患での定期注射: 定期的な注射管理の中で麻薬を使用する場合も、見落とされがちな算定候補です。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算って、事前に届出とか必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、麻薬注射加算について、特別な施設基準の届出は求められていません。条文にも、生物学的製剤注射加算や精密持続点滴注射加算と同じように、届出を前提とする記載は見当たりません。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出なしですぐ算定候補になるってことですか?
あおい(元・医療事務)
届出という手続きのハードルはない、というだけで、算定候補になるかどうかは別問題です。実際に注射の中で麻薬を使用したという診療事実・記録が伴っていることが前提になります。届出不要だからといって、記録の整備を省略してよいという意味ではありません。
届出不要でも記録は必要
施設基準の届出が不要とされている加算候補であっても、実際に麻薬を使用した注射であったことをカルテ・処方の記録から確認できる状態にしておくことが重要です。届出の有無と、算定要件を満たしているかどうかは別の話です。
算定のタイミング・回数の考え方
みらい(新人医療事務)
1日に何回も麻薬を使った注射をしたら、その分だけ加算できるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは条文の書き方に注目したいところです。同じ通則の中にある精密持続点滴注射加算(通則4)は「1日につき80点を加算する」と、明確に1日単位の上限が条文に書かれています。一方で麻薬注射加算(通則5)の条文には「1日につき」という限定の文言が見当たりません。
みらい(新人医療事務)
ということは、回数の制限がないってことですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言だけを見るとそう読める可能性はありますが、断定はできません。実際の算定単位(1回の注射行為ごとなのか、1日ごとなのか)については、当サイトが収録している一次資料の範囲では明確に確認しきれていない部分です。同一日に複数回の注射を行った場合の取り扱いは、自院のレセプトコンピューターの設定や、審査支払機関への確認を優先していただくのが確実です。
よくある取り漏れ
麻薬使用の記録はあるのに加算が抜けている: 処方箋・注射指示には麻薬と明記されているのに、レセプト側の加算コードが選択されていないケースがあります。 併算定する他の注射加算との組み合わせ漏れ: 精密持続点滴で麻薬を使用した場合など、複数の加算候補が重なる場面での確認漏れが起こりやすいところです。
他の注射加算との関係
みらい(新人医療事務)
さっき出てきた生物学的製剤注射加算とか精密持続点滴注射加算とは、一緒に算定できるものなんですか?
あおい(元・医療事務)
それぞれ通則の中の別の号(生物学的製剤注射加算は通則3、精密持続点滴注射加算は通則4、麻薬注射加算は通則5)に規定されている、別の加算候補です。同じ注射の実施の中で、それぞれの要件(生物学的製剤を使ったか、精密持続点滴だったか、麻薬を使用したか)に該当すれば、それぞれが算定候補になり得る構造にはなっています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、条件さえ揃えば重ねて算定できそうですね。
あおい(元・医療事務)
可能性としてはありますが、断定はできません。当サイトが収録している一次資料の範囲では、麻薬注射加算とこれらの加算候補との併算定を明確に禁止する規定も、明確に認める規定も確認できていません。同一の注射に対してどこまで加算を重ねられるかは、自院のレセプトシステムの設定や審査支払機関の判断によるところが大きいため、実際に併算定を行う前に確認しておくことをおすすめします。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定(令和6年度)から、この加算って何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、麻薬注射加算そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。5点という点数、届出不要という位置づけともに、令和8年度の資料上で同じ内容として整理されています。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、ずっと同じルールでやってきた加算候補なんですね。
あおい(元・医療事務)
そう捉えて差し支えありませんが、これは「変更が見つからなかった」という当サイトの確認範囲での結果です。今後の疑義解釈や訂正通知で追加の取り扱いが示される可能性もあるため、最新の公式情報は継続して確認しておくと安心です。
自院で確認する順番
- 注射の実施記録(カルテ・注射指示)を確認し、使用薬剤に麻薬が含まれているかを確認する
- 基本の注射手技料(通則の前各号に該当する点数)が正しく算定されているかを確認する
- 麻薬注射加算(5点)のコード選択がレセプト上で漏れていないかを確認する
- 同一注射で他の注射加算(生物学的製剤注射加算・精密持続点滴注射加算等)が重なる場合は、併算定の扱いを自院のシステム・審査支払機関に確認する

よくある質問
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院いずれも対象として整理されています。実際に麻薬を使用した注射を行った記録があるかどうかが算定候補になるかの基本的なポイントです。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、施設基準の届出は不要とされています。ただし、届出不要であることと、実際に算定できるかどうかは別の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更はありますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、点数・算定要件ともに前回改定からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
在宅で麻薬を使った注射をした場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの整理では在宅の場面は対象外として扱われていますが、在宅特有の算定区分の中で麻薬の使用が評価される場合もあるため、資料内で明確に確認しきれていない部分です。自院の在宅での算定区分に応じて確認することをおすすめします。

関連する注射加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
他にも似たような注射の加算ってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ注射の通則の中には、生物学的製剤注射加算や精密持続点滴注射加算といった加算候補もあります。麻薬を使った注射と同時に、生物学的製剤の注射や精密持続点滴を行っている場合は、あわせて確認しておくと算定漏れを防ぎやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。