みらい(新人医療事務)
あおいさん、「高度腎機能障害患者指導加算」って加算、初めて見ました。名前だけだと何の加算か全然イメージできなくて…。
あおい(元・医療事務)
これは「糖尿病透析予防指導管理料」という医学管理料に上乗せできる加算です。糖尿病透析予防指導管理料自体は、糖尿病の患者さんが透析に進まないように、医師・看護師・管理栄養士のチームで指導を行った場合に月1回算定できる管理料でしたよね。その中でも特に腎機能の低下が進んでいる患者さんに、運動面の指導を追加で行った場合に上乗せできるのが、この加算です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、透析予防のための管理料に「運動指導」の要素を足すイメージですね。具体的にはどんな患者さんが対象になるんですか。
あおい(元・医療事務)
対象は、eGFR(推算糸球体濾過量、mL/分/1.73平方メートル)が45未満の患者さんです。専任の医師が、腎機能を維持する観点から必要と考えられる運動の種類・頻度・強度・時間・留意点などを指導した場合、または既に運動を始めている患者さんの状況を確認して必要に応じて追加の指導を行った場合に算定候補になります。厚生労働省の留意事項通知に、この要件がそのまま書かれています。
みらい(新人医療事務)
「eGFR45未満」というのは、結構はっきりした数値基準なんですね。カルテにその数値が残っていないと確認しづらそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。血液検査の結果からeGFRを確認して、45未満であることが記録として追える状態にしておくのが前提になります。指導内容についても「日本腎臓リハビリテーション学会」が示している「保存期CKD患者に対する腎臓リハビリテーションの手引き」を踏まえて行うよう留意事項通知で案内されていますので、指導の中身が学会の考え方に沿っているかも合わせて確認したいところですね。
どんな医療機関・患者が対象になりますか
みらい(新人医療事務)
この加算、うちのようなクリニックでも対象になりますか。それとも大きな病院向けの加算なんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
診療所・病院のどちらも対象になり得ます。ただし対象になるのは入院中の患者さん以外、つまり外来の患者さんに限られます。入院患者さんへの指導では算定候補になりません。土台となる糖尿病透析予防指導管理料自体が「入院中の患者以外」を対象にした管理料なので、その上に乗るこの加算も同じ枠組みの中で考える必要があります。
みらい(新人医療事務)
ということは、まず糖尿病透析予防指導管理料を算定できる体制があることが前提なんですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。糖尿病透析予防指導管理料を算定していない、または算定する体制が整っていない医療機関では、この加算だけを単独で算定候補にすることはできません。まず土台となる管理料の届出・体制があるかどうかを確認するのが最初のステップになります。
点数とコードの確認
みらい(新人医療事務)
肝心の点数はどれくらいなんですか。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、高度腎機能障害患者指導加算として100点が所定点数に加算されます。土台となる糖尿病透析予防指導管理料は、通常の医療機関では350点です。医療資源が少ないとされる特定の地域に所在し施設基準に適合した医療機関では175点、情報通信機器を用いた医学管理を行った場合は305点(特定地域の場合は152点)という別区分もあります。加算の100点は、いずれの区分の上にも上乗せされる形です。

みらい(新人医療事務)
点数の組み合わせが何パターンかあるんですね。表で整理してもらえますか。
あおい(元・医療事務)
表にすると、次のようになります。
| 区分 | 点数(令和8年度) | 備考 |
|---|---|---|
| 糖尿病透析予防指導管理料(基本) | 350点 | 入院中の患者以外・月1回 |
| 同(特定地域) | 175点 | 医療資源の少ない地域として届出た医療機関 |
| 同(情報通信機器を用いた場合) | 305点 | オンライン指針に沿った医学管理 |
| 同(特定地域・情報通信機器) | 152点 | 上記2つの要件を満たす場合 |
| 高度腎機能障害患者指導加算 | 100点 | 上記いずれかの区分に加算 |
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算に対応する医科診療行為マスターコードは113018370として整理されています。ただし実際の請求はレセプトコンピュータのマスター登録状況によって表示が異なる場合があるため、最終的な確認は院内のレセプトシステムや医科診療行為マスターで行ってください。
施設基準を確認しましょう
みらい(新人医療事務)
100点の加算をつけるには、施設基準の届出が必要なんですよね。
あおい(元・医療事務)
はい、必要です。厚生労働省の告示では「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において」と明記されていて、届出をしていない医療機関では、たとえ実際に運動指導を行っていても加算の算定候補にはなりません。施設基準の具体的な中身(人員配置や体制の詳細)については、当サイトが収集している一次資料の中では加算そのものの算定要件ほど詳細に確認できておらず、厚生局への届出の際に最新の施設基準通知で個別に確認していただくのが確実です。
みらい(新人医療事務)
「届出をしていれば自動的に算定できる」わけではなくて、その都度、対象患者の要件も満たしている必要があるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。施設基準の届出はいわば「入り口」で、実際に加算候補になるかどうかは、患者さんごとにeGFRが45未満かどうか、専任の医師が指導を行ったかどうかを個別に確認する必要があります。届出済みであれば候補になりますが、届出の有無と個々の算定要件の充足は分けて考えるようにしましょう。
届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
届出については、糖尿病透析予防指導管理料の届出と、この加算の届出は別物なんですか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、この加算は糖尿病透析予防指導管理料の「注4」として規定されており、加算の適用を受けるには、別途定められた施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等への届出が必要です。糖尿病透析予防指導管理料そのものの届出と、加算に関する施設基準の届出の関係(同一の届出で足りるのか、別途届出が必要なのか)については、当サイトの一次資料だけでは断定できないため、届出様式や地方厚生局への確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
そこは自己判断せず、確認したほうがよさそうですね。
あおい(元・医療事務)
おっしゃる通りです。届出の要否や様式については、必ず地方厚生局の窓口や最新の施設基準通知で確認してください。当サイトの記事はあくまで一次資料の内容を整理してお伝えするもので、個別の届出可否を判断するものではありません。
算定のタイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定できるタイミングや回数の制限はありますか。
あおい(元・医療事務)
土台となる糖尿病透析予防指導管理料自体が月1回を限度とする管理料なので、この加算もその管理料を算定する月に合わせて加算する形になります。管理料を算定しない月に、加算だけを単独で算定候補にすることはできません。
算定タイミングの注意
高度腎機能障害患者指導加算は、糖尿病透析予防指導管理料に対する加算です。管理料を算定していない月や、管理料の対象にならない入院患者に対しては、加算のみを算定候補にすることはできません。まず管理料の算定条件を満たしているかを確認してください。
みらい(新人医療事務)
他の管理料と一緒に算定できるかどうかも気になります。
あおい(元・医療事務)
併算定の可否は、糖尿病透析予防指導管理料本体の算定要件やレセプトの取り扱いに関わる部分が大きく、加算単体の告示条文からだけでは全てを判断しきれません。院内の医事担当だけで判断せず、審査支払機関への確認や、最新の算定要件一覧の参照をおすすめします。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、令和6年度のときと比べて何か変わったんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更は、当サイトが収集している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。当サイトが保有している比較対象の令和6年度の一次資料は限定的なため、この加算が令和6年度から据え置きなのか、令和8年度改定で新設・変更されたものなのかを含めて、正確な経緯は今回の一次資料の範囲では断定できません。
改定差分の確認について
点数や算定要件が「変わっていないように見える」場合でも、施設基準や人員配置の要件だけが変更されているケースもあります。最終的な新旧比較は、厚生労働省が公表する「個別改定項目について」の最新版でご確認いただくことをおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容を、確認する順番で整理してもらえますか。
あおい(元・医療事務)
自院で確認する順番は、次のようになります。
自院で確認する順番
- 糖尿病透析予防指導管理料を算定できる体制(届出)があるか確認する
- 高度腎機能障害患者指導加算の施設基準に適合しているか、届出状況を確認する
- 対象患者のeGFRが45未満であることを、直近の血液検査結果で確認する
- 専任の医師が運動指導(または運動状況の確認・追加指導)を行い、内容を診療録に記載しているか確認する
- 指導内容が日本腎臓リハビリテーション学会の手引きなどを踏まえたものになっているか確認する

みらい(新人医療事務)
この順番なら、うちで何が足りていないか整理しやすそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に1と2の「届出があるかどうか」でつまずくケースが多い印象です。管理料自体は算定していても、加算の施設基準届出をしていなければ、この加算単独では算定候補になりません。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実際の現場では、どんな取り漏れが多いんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、運動指導を行っているのに、eGFRの数値や指導内容の記録が診療録にきちんと残っていないケースです。加算の要件は「eGFR45未満の患者に、専任の医師が運動について指導したこと」なので、この2点が記録として追える形になっていないと、算定候補としての根拠が弱くなってしまいます。
取り漏れやすいポイント
運動指導そのものは行っていても、eGFRの数値・指導した種類や頻度・強度・留意点などの記録が診療録や療養指導記録に残っていないと、算定要件を満たしているかどうかの確認が難しくなります。指導を行った都度、記録を残す運用にしておくことが大切です。
みらい(新人医療事務)
逆に、加算の届出をしているのに算定を忘れてしまうケースもありそうですね。
あおい(元・医療事務)
それもよくあります。糖尿病透析予防指導管理料を算定する際に、対象患者のeGFRを毎回確認する運用になっていないと、45未満に該当する患者さんへの加算算定を見落としがちです。管理料算定時のチェックリストに、この加算の確認項目を組み込んでおくと取り漏れを防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
eGFRが45未満かどうかは、いつの検査結果で判断すればいいんですか。
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、eGFRの測定時期について具体的な期限(例えば「何か月以内の検査」といった規定)までは確認できていません。運用としては、指導を行う際の直近の血液検査結果を用いるのが自然ですが、正確な取り扱いは審査支払機関や最新の疑義解釈でご確認いただくことをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
運動指導は医師本人がやらないといけないんですか。看護師さんが代わりに説明するのはだめなんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「専任の医師が」指導を行うことが要件として書かれています。糖尿病透析予防指導管理料本体は医師・看護師・管理栄養士のチームで指導する仕組みですが、この加算部分については医師が行う運動指導が要件になっている点に注意が必要です。看護師など他職種がどこまで補助的に関われるかについては、当サイトの一次資料だけでは断定できないため、疑義解釈等での確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない医療機関が、これから届出をする場合はどうすればいいですか。
あおい(元・医療事務)
具体的な届出様式や必要書類は、地方厚生局が案内している最新の施設基準届出の手続きに従う必要があります。当サイトでは届出そのものの代行や個別の可否判断はできませんので、地方厚生局への相談や、顧問の社会保険労務士・医事コンサルタントへの確認もあわせて検討してください。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
最後に、今回の内容の元になった資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
主に次の資料を参照しています。いずれも厚生労働省が公表している令和8年度の一次資料です。
| 資料 | 発行 | 年度 |
|---|---|---|
| 医科点数表の告示(区分番号B001の27 糖尿病透析予防指導管理料 注4) | 厚生労働省 | 令和8年度 |
| 診療報酬の算定方法の留意事項通知(訂正後・区分番号B001の27関連) | 厚生労働省 | 令和8年度 |
| 当サイトが収集している一次資料の整理(高度腎機能障害患者指導加算) | 当サイト(厚生労働省資料に基づく整理) | 令和8年度 |
あおい(元・医療事務)
関連する加算として、同じ「医学管理」区分で腎疾患に関わる腎代替療法実績加算や、糖尿病を主病とする患者向けの血糖自己測定指導加算、そして土台となる区分の特定疾患治療管理料もあわせて確認しておくと、算定漏れの防止につながります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。