みらい(新人医療事務)
複数椎間板加算という名前を初めて見たんですが、これはどんな時に算定を考える加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
脊椎の椎間板摘出術で、椎間板を2か所以上摘出した場合に検討する加算候補です。厚生労働省の医科点数表では、K134椎間板摘出術の「4」から「7」まで、つまり頸椎・胸椎・腰椎・仙椎の椎間板後方摘出術について、2以上の椎間板の摘出を行う場合には、1椎間を増すごとに、複数椎間板加算として所定点数の100分の50に相当する点数を加算する、と定められています。
みらい(新人医療事務)
「4から7まで」というのは具体的にどの手術のことですか?
あおい(元・医療事務)
K134椎間板摘出術には1から9までの区分があって、4が頸椎椎間板後方摘出術、5が胸椎椎間板後方摘出術、6が腰椎椎間板後方摘出術、7が仙椎椎間板後方摘出術です。この4つの後方摘出術で複数椎間の摘出を行った場合が対象になります。内視鏡下で行うK134-2椎間板摘出(切除)術でも、同じ考え方の加算が別に定められています。
みらい(新人医療事務)
前方摘出術や経皮的髄核摘出術は対象にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の記載範囲では、加算の対象は「4から7まで」と明記されています。1から3の前方摘出術や、9の腰椎椎間板経皮的髄核摘出術は、この複数椎間板加算の条文には含まれていません。前方摘出術や経皮的髄核摘出術で複数椎間を実施したケースは、別の考え方になる可能性があるため、算定候補にするかは自院のレセプト担当者や審査支払機関への確認をおすすめします。
対象医療機関・対象手術
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも算定候補になり得ますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の区分では、診療所・病院どちらも対象になり得ますが、想定されているのは入院での実施です。外来や訪問診療の場面は今回のデータの対象には含まれていません。まず自院で該当手術を入院で実施しているかどうかが、最初の確認ポイントになります。
みらい(新人医療事務)
手術する側の椎間の数によって、算定の可否が変わるということですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。摘出する椎間板が1か所だけであれば、この加算の対象にはなりません。2か所以上摘出した場合に、増えた椎間の分だけ加算の候補になる、という考え方です。実際に何椎間摘出したかは手術記録・診療録で確認できる状態にしておく必要があります。
対象になり得る手術(4区分)
K134「4」頸椎椎間板後方摘出術: 2以上摘出で加算候補 K134「5」胸椎椎間板後方摘出術: 2以上摘出で加算候補 K134「6」腰椎椎間板後方摘出術: 2以上摘出で加算候補 K134「7」仙椎椎間板後方摘出術: 2以上摘出で加算候補 K134-2 内視鏡下(4〜7に相当する区分): 同様に加算候補(上限椎間数は異なる)
点数の考え方(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
実際の点数はどれくらい違うんですか?
あおい(元・医療事務)
K134(開創で行う後方摘出術)の場合、4から7のどの区分も所定点数は同じ23,520点です。複数椎間板加算はその100分の50、つまり23,520点の半分に相当する点数を、1椎間を増すごとに加算する形になります。ただし、加算は4椎間を超えない、という上限が条文に明記されています。
みらい(新人医療事務)
K134-2の内視鏡下の場合は違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。K134-2(内視鏡下)の4から7の所定点数は30,390点で、K134とは点数が異なります。複数椎間板加算の考え方(1椎間を増すごとに100分の50を加算)は同じですが、上限は「2椎間を超えない」と定められていて、K134の4椎間までとは上限が異なります。内視鏡下かどうかで上限の椎間数が変わる点は、見落としやすいポイントです。
| 区分 | 所定点数(令和8年度) | 複数椎間板加算(100分の50) | 加算の上限 |
|---|---|---|---|
| K134「4〜7」(頸椎・胸椎・腰椎・仙椎後方摘出術) | 23,520点 | 1椎間ごとに11,760点 | 4椎間を超えない |
| K134-2「4〜7」(内視鏡下) | 30,390点 | 1椎間ごとに15,195点 | 2椎間を超えない |

点数は目安
点数は令和8年度の医科点数表に基づく所定点数の記載です。実際の算定点数は、実施した術式・椎間数・その他の加算の有無によって変わります。1点は10円換算が目安ですが、最終的な請求額は自院のレセプトコンピュータでの確認が必要です。
算定要件・留意事項
みらい(新人医療事務)
点数の考え方はわかりました。ほかに気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、隣接する部位の移行部についての取り扱いが書かれています。頸胸椎移行部、胸腰椎移行部、腰仙椎移行部の椎間に対して椎間板摘出術を行った場合は、頭側の区分の所定点数で算定する、とされています。つまり移行部の手術では、どちらの区分として扱うかで所定点数が変わるため、複数椎間板加算の計算のもとになる点数も変わってきます。
みらい(新人医療事務)
内視鏡下の場合も同じ考え方ですか?
あおい(元・医療事務)
はい。K134-2でも同様に、頸胸椎移行部、胸腰椎移行部又は腰仙椎移行部の椎間に対して椎間板摘出(切除)術(内視鏡下)を行った場合は、頭側の区分の所定点数を算定する、と留意事項通知に明記されています。
みらい(新人医療事務)
さっき話に出た経皮的髄核摘出術は、この加算とは別枠なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。留意事項通知では「9」腰椎椎間板経皮的髄核摘出術について、1椎間につき2回を限度とする、という別の回数制限が定められています。これは複数椎間板加算の対象区分(4〜7)とは別の話で、混同しないよう注意が必要です。
留意事項の確認ポイント
移行部の手術: 頭側の区分の所定点数で算定(K134・K134-2とも共通の考え方) 経皮的髄核摘出術(9): 複数椎間板加算の対象外。1椎間につき2回が限度という別の制限あり 摘出椎間数の記録: 手術記録・診療録に摘出した椎間板の数を明記しておく
みらい(新人医療事務)
この手術と一緒に算定できそうな、ほかの加算ってありますか?
あおい(元・医療事務)
同じK134椎間板摘出術の手術中に神経モニタリングを行った場合は、脊髄誘発電位測定等加算が別の算定候補になります。留意事項通知では、この加算の対象手術として「K128」から「K136」までの手術が挙げられていて、この範囲にK134椎間板摘出術が含まれています。ただし算定要件は複数椎間板加算とはまったく別物なので、神経モニタリングを実施したかどうかを含めて、それぞれ独立して確認する必要があります。
届出・施設基準
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、事前の届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた一次資料の範囲では、複数椎間板加算そのものに独自の施設基準の届出は明記されていません。K134・K134-2という手術そのものの実施体制(麻酔科医の配置など、術式に伴う一般的な要件)は別途確認が必要ですが、この加算単体を対象にした届出書式は資料上確認できていません。実際の届出要否は、自院が地方厚生局に提出している届出内容や、審査支払機関への確認で最終的に判断してください。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知)の範囲では、複数椎間板加算の点数区分・算定要件・上限椎間数について、前回改定からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省一次情報ベース)。ただし当サイトのデータベースには令和6年度時点の同一項目の一次資料が収録されていないため、比較そのものができていない状態です。改定での変更点が気になる場合は、自院で保管している旧点数表と見比べるか、厚生労働省の改定情報を直接確認することをおすすめします。
改定差分の確認範囲
「変更は確認されていません」という記載は、当サイトが収録している令和8年度の一次資料の範囲での確認結果です。前回改定(令和6年度)時点の記載との突き合わせは行っていないため、詳細な変更履歴が必要な場合は厚生労働省の公式資料を直接ご確認ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちで算定候補になるか確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
大きく4つの順番で確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
実施した手術がK134の4〜7(頸椎・胸椎・腰椎・仙椎椎間板後方摘出術)か、K134-2の同区分(内視鏡下)に該当するか確認する その手術で摘出した椎間板の数が2以上か、手術記録・診療録で確認する 移行部の手術(頸胸椎・胸腰椎・腰仙椎)に該当していないか、該当する場合はどちらの区分の所定点数で算定すべきか確認する 上限椎間数(K134は4椎間、K134-2は2椎間)を超えていないか確認し、算定候補として院内のレセプト担当者・審査支払機関に最終確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
実務でよくある見落としポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
上限椎間数の混同: K134は4椎間まで、K134-2(内視鏡下)は2椎間までと上限が異なる。同じ感覚で計算すると過大・過少に計算してしまうことがあります 移行部の所定点数の取り違え: 頸胸椎移行部などの手術で、頭側の区分の所定点数を使わずに計算してしまうケース 経皮的髄核摘出術との混同: 「9」の経皮的髄核摘出術は複数椎間板加算の対象区分に含まれていません。回数制限(1椎間につき2回)は別の話です 摘出椎間数の記録不足: 手術記録に摘出した椎間板の数が明確に書かれておらず、後から算定根拠を示せないケース
よくある質問
みらい(新人医療事務)
前方摘出術(1〜3)で複数椎間を摘出した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
公式資料の条文上、複数椎間板加算の対象は「4から7まで」と明記されており、前方摘出術(1〜3)はこの条文には含まれていません。前方摘出術での複数椎間対応については、当サイトが収録している資料の範囲では確認できていないため、算定候補にするかは自院のレセプト担当者・審査支払機関にご確認ください。
みらい(新人医療事務)
診療所でもこの加算は算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトのデータでは診療所・病院どちらも対象に含まれていますが、想定されているのは入院での実施です。有床診療所などで該当手術を入院実施している場合は、算定候補として確認する価値があります。
みらい(新人医療事務)
内視鏡下で3椎間摘出した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
K134-2(内視鏡下)の複数椎間板加算は「2椎間を超えない」と条文に明記されています。3椎間摘出した場合の加算の扱いについて、上限を超える部分の点数の考え方は当サイトが収録している資料の範囲では明確な記載を確認できていないため、審査支払機関への確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した術式や摘出した椎間数を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。