みらい(新人医療事務)
先輩、輸血適正使用加算という名前を初めて聞きました。輸血管理料とは別のものなんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。輸血適正使用加算は、単独で算定する項目ではなく「K920-2 輸血管理料」に上乗せする加算です。輸血管理料Ⅰ・Ⅱのどちらかを算定している医療機関が、施設基準に適合して届出をしたうえで、輸血製剤を適正に使用している場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
上乗せということは、輸血管理料を算定していないと対象にならないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。まずはベースになる輸血管理料を算定できているかどうかが出発点です。そのうえで今回は「輸血適正使用加算」自体の点数・要件を令和8年度(2026年度)の資料で確認していきましょう。
輸血適正使用加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも、この加算は何を評価しているんですか?
あおい(元・医療事務)
輸血療法の安全かつ適正な実施を推進する観点から、赤血球濃厚液・血小板濃厚液・自己血、あるいは新鮮凍結血漿やアルブミン製剤の使用が適正に行われている医療機関を評価する加算です。輸血管理料そのものが「輸血管理体制の構築」を評価する項目である一方、輸血適正使用加算は「輸血製剤が適正に使用されている場合」に上乗せされる点が特徴です。
みらい(新人医療事務)
施設基準に適合して届出をしていることが前提なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年厚生労働省告示に「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、輸血製剤が適正に使用されている場合には、輸血適正使用加算として、所定点数に、1においては120点、2においては60点を加算する。」と定められています。
輸血管理料と輸血適正使用加算は別項目です
輸血管理料(K920-2)と輸血適正使用加算は、告示上は同じ条文(K920-2の注)に規定されていますが、算定の趣旨は別です。輸血管理料は管理体制そのものの評価、輸血適正使用加算は製剤の適正使用の評価という位置づけで整理されています。混同しないよう、届出・算定の可否はそれぞれ個別に確認することをおすすめします。
対象医療機関・対象患者/場面
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関が対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの記録では、診療所・病院のいずれも対象になり得ます。外来・入院のどちらの場面でも輸血管理料の算定対象になり得るため、輸血適正使用加算も同様の場面が想定されます。ただし在宅の場面は対象外として整理されています。
みらい(新人医療事務)
患者さんの条件は何かありますか?
あおい(元・医療事務)
輸血管理料自体が「赤血球濃厚液(浮遊液を含む)、血小板濃厚液若しくは自己血の輸血、又は新鮮凍結血漿若しくはアルブミン製剤の輸注を行った場合」に月1回を限度として算定するとされています。輸血適正使用加算はこの輸血管理料の算定に上乗せする形になりますので、対象患者の範囲も基本的にはこの輸血管理料の算定対象と重なります。

点数・算定単位(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の資料に基づく点数区分は次のとおりです。輸血管理料の区分(Ⅰ・Ⅱ)によって加算点数が異なる点に注意してください。
| 区分 | 輸血管理料の所定点数 | 輸血適正使用加算 | 合計の考え方 |
|---|---|---|---|
| 輸血管理料Ⅰ(1) | 242点 | 120点 | 所定点数242点に120点を加算 |
| 輸血管理料Ⅱ(2) | 121点 | 60点 | 所定点数121点に60点を加算 |
みらい(新人医療事務)
輸血管理料Ⅰの方が加算点数も大きいんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。あくまで「輸血管理料の所定点数に加算する」形なので、輸血適正使用加算だけを単独で算定することはできません。この点は届出のときにも確認しておきたいポイントです。
よくある勘違い
輸血適正使用加算を「輸血のたびに毎回算定できる加算」と捉えてしまうケースがあります。輸血管理料自体が月1回を限度とする項目のため、輸血適正使用加算もその枠内での加算という位置づけで確認するのが安全です。
施設基準・届出(要確認)
みらい(新人医療事務)
施設基準はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが条件として明記されています。ただし、施設基準の具体的な数値要件(血液製剤の使用実績に関する基準など)の詳細な条文までは、現時点で当サイトが収録している資料の範囲では確認できていません。
みらい(新人医療事務)
それは困りますね……。
あおい(元・医療事務)
断定はできませんので、正直にお伝えしますね。具体的な数値基準の有無や内容は、地方厚生局に届け出る際の施設基準通知や届出様式の原文で確認していただくのが確実です。当サイトでは「届出が必要」「施設基準への適合が前提」という大枠までは一次資料で確認できていますが、数値の詳細は要確認としています。
| 確認項目 | 当サイトで確認できている内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 届出の要否 | 必要(地方厚生局長等への届出) | 確認済み |
| 施設基準への適合 | 適合していることが算定の前提 | 確認済み |
| 施設基準の数値要件 | 一次資料の該当条文は当サイトでは未確認 | 要確認 |
施設基準の数値要件は自院での一次確認が必須
輸血製剤の使用実績に関する具体的な数値基準など、施設基準の細目は当サイトが収録している資料の範囲では確認できていません。届出前には、地方厚生局が公表している施設基準通知の原文、または顧問社会保険労務士・地方厚生局への確認を必ず行ってください。
届出様式について
みらい(新人医療事務)
届出の様式はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の訂正通知に掲載されている届出様式の一覧には、「輸血適正使用加算」という項目名で届出欄が設けられていることが確認できます。様式番号自体は通知によって整理されているため、実際に届出をする際は最新の様式を厚生局の案内で確認してください。
みらい(新人医療事務)
様式があるということは、書類を出せば自動的に算定できるようになるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。届出をして受理されることと、実際に施設基準を満たし続けていることは別の話です。届出後も適正使用の実績を継続して満たしているかどうかを、院内で定期的に確認する体制が必要になります。
参考にした公式資料
みらい(新人医療事務)
この記事はどんな資料を根拠にしているんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表の告示、および届出様式に関する厚生労働省の通知を確認しています。主な資料は次のとおりです。
| 資料名 | 発行 | 資料の種類 |
|---|---|---|
| 医科点数表 K920-2 輸血管理料(告示) | 厚生労働省 | 令和8年度診療報酬改定 告示 |
| 届出様式一覧(輸血適正使用加算を含む・訂正通知) | 厚生労働省 | 令和8年度診療報酬改定 訂正通知 |
みらい(新人医療事務)
施設基準の数値要件の資料は載っていないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。現時点で当サイトが確認できている一次資料には、数値要件そのものの条文が含まれていません。見つかり次第、この記事も更新する予定です。
改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から何か変わったんですか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの主な変更点は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月)。点数・算定要件ともに、令和8年度の告示・通知に記載されている内容を今回の記事ではそのまま整理しています。今後、疑義解釈や訂正通知が新たに出された場合は、当サイトでも改めて確認します。
改定差分の確認について
「変更なし」という整理は、当サイトが収録している一次資料の範囲での確認結果です。個別改定項目の解説資料など、より広い範囲の一次資料までは今回照合しきれていない可能性があるため、重要な意思決定の前には公式資料での再確認をおすすめします。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちの医院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくと、抜け漏れが少ないと思います。
自院で確認する順番
- まず輸血管理料(K920-2)Ⅰ・Ⅱのどちらかを算定できているか、または算定候補として検討しているかを確認する
- 直近の輸血実績(赤血球濃厚液・血小板濃厚液・自己血・新鮮凍結血漿・アルブミン製剤の使用状況)を院内で把握する
- 輸血適正使用加算の施設基準(数値要件を含む)の原文を、地方厚生局の施設基準通知で確認する
- 施設基準に適合していると判断できる場合は、届出様式を準備して地方厚生局へ届出を行う
- 届出後も適正使用の実績を継続的に満たしているか、定期的に院内で見直す
みらい(新人医療事務)
1回届け出て終わり、ではなさそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。継続して要件を満たしているかどうかの確認まで含めて、自院の運用として組み込んでおくのが安心だと思います。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れ・勘違いを教えてください。
あおい(元・医療事務)
いくつか挙げてみますね。
輸血管理料と輸血適正使用加算を別々に扱ってしまう
輸血管理料の届出はしているのに、輸血適正使用加算の施設基準までは確認していない、というケースが見られます。輸血管理料の届出=輸血適正使用加算の算定候補、とは限らないため、別項目として個別に確認する必要があります。
貯血式自己血輸血に関する加算と混同する
K920-2にはほかにも自己血輸血に関する別の加算区分が定められています。名称が似ている項目もあるため、算定を検討する際は、対象としている加算の名称と条文を1つずつ照合することをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。どうぞ。
みらい(新人医療事務)
輸血適正使用加算だけを単独で届出・算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認している一次資料の範囲では、輸血適正使用加算は輸血管理料の所定点数に加算する項目として規定されています。単独での算定は想定されていないとみられますが、最終的には自院の届出状況と公式資料で確認してください。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトの記録では診療所も対象に含まれていますが、実際に算定候補になるかどうかは、輸血管理料の届出状況や輸血の実施状況によって変わります。診療所だから対象外、と一律には言えません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の数値要件がわからないのですが、どこで確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局が公表している施設基準通知の原文を確認するのが確実です。当サイトでも該当の一次資料を確認でき次第、記事を更新していきます。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。