みらい(新人医療事務)
先輩、レセプトチェックをしていたら「内視鏡的膵石除去加算」という項目が出てきたんですが、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これはK699-2「体外衝撃波膵石破砕術(一連につき)」という手術についている注加算ですよ。体外から衝撃波を当てて膵石を砕いたあと、砕いた石を内視鏡を使って取り出した場合に、追加で算定候補になる項目です。令和8年度(2026年度)の点数表でもこの加算は設けられています。
みらい(新人医療事務)
「体外衝撃波で砕く」だけじゃなくて、「内視鏡で取り出す」ところまでやったときのプラスアルファ、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。体外衝撃波膵石破砕術そのものは19,300点ですが、砕いた膵石を内視鏡できちんと取り出すところまで行った場合に限り、内視鏡的膵石除去加算として5,640点が上乗せの算定候補になります。逆に言うと、砕くところまでしかやっていない場合はこの加算の対象にはなりません。
内視鏡的膵石除去加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも膵石ってどういう病気で使う処置なんですか?
あおい(元・医療事務)
膵管の中に石(結石)ができてしまう膵石症という状態に対して行う治療です。体外から衝撃波を当てて石を細かく砕く「体外衝撃波膵石破砕術」がK699-2として点数表に載っていて、砕いた石をそのままにせず内視鏡を使って取り出す手技まで行った場合に、この内視鏡的膵石除去加算が上乗せの算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
砕くだけの場合と、砕いて取り出すところまでやる場合とで、算定できる点数が変わってくるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。砕くだけであれば体外衝撃波膵石破砕術の所定点数のみですが、内視鏡での除去まで実施していれば、その手技に対応する分としてこの加算が算定候補になります。カルテと処置内容に「内視鏡を用いて破砕した膵石を除去した」という記載があるかどうかを、まず確認する習慣をつけておくとよいですよ。

どんな医療機関・場面が対象になりますか
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも算定候補になる場面はありますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は診療所・病院のどちらでも算定候補になる可能性がありますが、対象になるのは入院で体外衝撃波膵石破砕術と内視鏡的な除去を行った場面です。外来や在宅の場面での算定は想定されていません。膵石の治療自体、入院で行われることが一般的な手技ですので、外来だけで完結するケースはまず想定しにくいところです。
みらい(新人医療事務)
病床数の制限とか、施設の規模による制限はあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体には「200床未満の病院に限る」といった病床数の縛りや、特別な体制認定は設けられていません。あくまで「体外衝撃波膵石破砕術に付随して、内視鏡で膵石を除去する手技を実施したかどうか」で算定候補になるかどうかが決まる加算です。対象患者は、体外衝撃波膵石破砕術の適応となる膵石症の患者さんで、かつ破砕した石を内視鏡で除去する処置を受けた方、という位置づけになります。
対象になりやすい場面
体外衝撃波膵石破砕術を実施したうえで、破砕した膵石を内視鏡下で除去する処置まで一連の治療として行った入院症例が対象になりやすい場面です。破砕だけで治療が完結した場合や、内視鏡以外の手技で除去した場合は対象になりません。
点数はいくらですか(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を整理しておきたいです。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表をもとに表にまとめると、次のようになります。あくまで内視鏡的膵石除去加算単体の点数と、元になる手術の点数の関係を示したものなので、実際の請求額は個々の症例の診療内容によって変わる点は押さえておいてくださいね。
| 項目 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| K699-2 体外衝撃波膵石破砕術(一連につき) | 19,300点 | 一連につき1回 |
| 内視鏡的膵石除去加算(K699-2の注加算) | 5,640点 | 一連につき1回に限り |
| 内視鏡による除去まで行った場合の目安 | 24,940点 | 一連につき(目安であり確定額ではありません) |
みらい(新人医療事務)
「一連につき1回に限り」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。同じ一連の治療の中で複数回破砕処置を行ったとしても、この加算は一連につき1回しか算定候補になりません。複数回まとめて請求してしまうと過剰請求になりかねないので、レセプト作成時は一連の治療期間の中で既に算定済みでないかを必ず確認してください。
施設基準・届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するには、何か届出とか施設基準の準備が必要になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、内視鏡的膵石除去加算そのものに個別の施設基準や地方厚生局への届出は設けられていません。体外衝撃波膵石破砕術を実施できる体制があり、実際に内視鏡を用いた除去処置まで行っていれば、算定候補として扱われる整理になっています。
みらい(新人医療事務)
届出がいらないからといって、何も確認しなくていいわけではないですよね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出が不要な加算であっても、実施した処置の内容がカルテ・手術記録にきちんと記載されているか、そして体外衝撃波膵石破砕術自体の算定要件を満たしているかは、自院で確認が必要です。届出不要=無条件で算定候補、ではなく、処置の実態が要件に合っているかどうかがポイントになります。
届出不要でも記録の確認は必要です
内視鏡的膵石除去加算は施設基準・届出が不要な整理の加算ですが、「破砕した膵石を内視鏡を用いて除去した」という処置の事実が診療録・手術記録に明記されているかどうかは、算定候補にする前に必ず確認してください。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
算定のタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いちばん大事なのは「一連」という考え方です。厚生労働省の留意事項通知では、体外衝撃波膵石破砕術における「一連」について、次のように整理されています。
みらい(新人医療事務)
具体的にはどういう内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
「治療の対象となる疾患に対して所期の目的を達するまでに行う一連の治療過程」を一連として扱う、という考え方です。数日の間隔をおいて同じ一連の治療の中で体外衝撃波膵石破砕術を複数回行ったとしても、所定点数を算定できるのは1回だけで、それ以外の回数分の手術費用は所定点数に含まれてしまい、別に算定はできません。内視鏡的膵石除去加算も同じ一連につき1回限りという扱いなので、この考え方に沿って確認してください。
みらい(新人医療事務)
もう一つ気になるんですが、体外衝撃波で砕ききれなくて、結局別の手術になった場合はどうなるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこも留意事項通知で触れられている部分です。体外衝撃波による膵石破砕で所期の目的が達成できず、内視鏡を用いた破砕膵石の除去以外の手術手技を実施した場合、その手技にかかる費用は所定点数に含まれてしまい、別に算定することはできません。つまり「内視鏡で除去した」場合にこの加算が算定候補になるのであって、内視鏡以外の手技に切り替えた場合はこの加算の対象にはならない、という整理です。ここは取り違えやすいポイントなので注意してください。
内視鏡以外の手技に切り替えた場合の注意
体外衝撃波での破砕が奏効せず、内視鏡以外の手術手技に切り替えて対応した場合、その手技の費用は所定点数に含まれ別に算定できないとされています。内視鏡的膵石除去加算が算定候補になるのは、あくまで「内視鏡を用いて破砕した膵石を除去した」場合に限られる点を、処置記録と照らし合わせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
他の手術や検査と一緒に算定するときの注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
個々の併算定の可否については、当サイトが収録している一次資料の範囲では詳細な記載を確認できていません。実際のレセプトで他の処置・手術と同時算定を検討する場合は、審査支払機関への確認や院内の算定ルールとの照合が必要です。断定はできませんので、迷った場合は必ず確認するようにしてください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から何か変わったりしたんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点については、当サイトが収録している厚生労働省の一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月)。体外衝撃波膵石破砕術および内視鏡的膵石除去加算は、令和8年度の告示・留意事項通知に基づいて点数・算定要件を整理していますが、前回改定時の点数・要件との突き合わせ資料は当サイトの収録範囲にはなく、断定的な比較はできません。
みらい(新人医療事務)
「変更なし」と決めつけずに、あくまで「確認できていません」という言い方をするんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。点数据え置きに見えても、要件や施設基準側だけが変わっている改定もあるので、確認できていない部分を「変更なし」と言い切らないようにしています。もし前回改定からの具体的な変更点が気になる場合は、厚生労働省の令和8年度診療報酬改定の特設ページや、審査支払機関への確認をおすすめします。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの症例が算定候補になるか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で見ていくとわかりやすいですよ。
自院で確認する順番
- K699-2 体外衝撃波膵石破砕術(一連につき)を実施したかどうかを手術記録で確認する
- 破砕した膵石を内視鏡を用いて除去する処置まで行ったかどうかをカルテ・手術記録で確認する
- 同じ一連の治療の中で、内視鏡的膵石除去加算を既に算定済みでないかを確認する
- 上記がすべて満たされていれば算定候補として整理し、最終的な算定可否は自院の届出状況・公式資料で確認する

みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、記録の抜け漏れにも気づけそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。特に「内視鏡を用いて除去した」という一文がカルテや手術記録にきちんと書かれているかどうかは、見落としやすいポイントです。破砕処置の記載だけで終わっていて、除去の実施内容が明記されていないケースもあるので、記録の書きぶりまで含めて確認する習慣をつけておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
レセプト作成の現場で、取り漏れが起きやすいポイントってどこですか?
あおい(元・医療事務)
いくつかパターンがあります。整理してお伝えしますね。
取り漏れやすいポイント
除去の記載漏れ: 体外衝撃波膵石破砕術は算定していても、内視鏡による除去処置の実施記録が手術記録に明記されておらず、加算の算定候補から漏れてしまうケースがあります。
一連の重複算定: 同じ一連の治療の中で複数回破砕処置を行った際に、加算まで複数回算定してしまい、過剰請求になってしまうケースがあります。一連につき1回限りという点を必ず確認してください。
内視鏡以外への切り替えの見落とし: 体外衝撃波で破砕しきれず内視鏡以外の手技に切り替えたにもかかわらず、内視鏡的膵石除去加算を算定候補としてしまうケースです。処置の実施内容を丁寧に確認する必要があります。
みらい(新人医療事務)
「除去まで行ったかどうか」の記載を見落とさないことが、いちばん大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。似たような内視鏡関連の手術加算として、スパイラル内視鏡加算のように、実施した手技の内容がカルテにきちんと記載されているかどうかが算定候補の判断のカギになる加算は他にもあります。処置記録の書き方を院内で統一しておくと、こうした取り漏れを防ぎやすくなりますよ。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
いくつか質問をまとめてみました。まず、外来で体外衝撃波膵石破砕術を行った場合はこの加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は入院での実施を前提に整理されています。外来での実施は対象として想定されていないため、外来症例でこの加算を算定候補とする場合は、実施場面も含めて自院で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出がされていないと算定候補にならないんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算自体には個別の施設基準・届出は設けられていない整理です。ただし、体外衝撃波膵石破砕術の実施体制や、内視鏡を用いた除去処置の記録があるかどうかは別途確認が必要になります。
みらい(新人医療事務)
体外衝撃波膵石破砕術を2回行った場合、加算も2回算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
一連の治療の中で複数回破砕処置を行った場合でも、加算は一連につき1回に限り算定候補になります。2回分をそのまま加算として算定すると過剰請求になる可能性があるため注意してください。
みらい(新人医療事務)
令和6年度の改定内容と比べて何か変わっていますか?
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)からの変更点は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。令和8年度時点の告示・留意事項通知に基づいて記載していますので、詳細な比較が必要な場合は公式資料や審査支払機関での確認をおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や実施した処置の内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。