みらい(新人医療事務)
先生、「内皮移植加算」ってレセプトで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
眼科の角膜移植術に関する加算ですね。K259角膜移植術という手術を、内皮移植という術式で行った場合に、所定点数へ8,000点を加算できるものです。令和8年度(2026年度)の診療報酬点数表に基づく整理になります。
みらい(新人医療事務)
内皮移植って、普通の角膜移植と違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。角膜は層構造になっていて、内皮移植はそのうち一番内側の「内皮細胞層」だけを移植する術式です。水疱性角膜症という、角膜の内皮細胞が傷んでむくみが出る病気の患者さんに対して行われることが多い術式です。
みらい(新人医療事務)
なるほど。じゃあ、この加算はどんなときに算定候補になるのか、順番に教えてください!
内皮移植加算とは(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
まず、この加算の位置づけを整理したいです。
あおい(元・医療事務)
内皮移植加算は、単独の手術項目ではなく、K259角膜移植術という手術の「注2」に規定された加算です。当サイトが収録している一次資料の範囲では、次のように整理できます。
あおい(元・医療事務)
K259角膜移植術の所定点数は52,600点です。このうち、内皮移植による角膜移植を実施した場合に、内皮移植加算として8,000点を所定点数に加算します。単独の手術コードとして存在するわけではなく、あくまで角膜移植術という手術の実施方法に応じた上乗せの加算という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
「実施方法に応じた加算」ということは、同じK259でも他の加算があるんですか?
あおい(元・医療事務)
あります。同じK259角膜移植術には、注1のレーザー使用加算(5,500点)、注3の羊膜移植加算(5,000点)もあります。それぞれ算定できる場面が異なるので、混同しないよう整理しておきましょう。

| 区分 | 加算名 | 点数 | 算定候補になる場面 |
|---|---|---|---|
| 基本 | K259角膜移植術 | 52,600点 | 角膜移植術を実施した場合 |
| 注1 | レーザー使用加算 | 5,500点 | 眼科用レーザー角膜手術装置により角膜切片を作成し角膜移植術を行った場合 |
| 注2 | 内皮移植加算 | 8,000点 | 水疱性角膜症の患者に対して角膜内皮移植を実施した場合 |
| 注3 | 羊膜移植加算 | 5,000点 | 羊膜移植術を併せて行った場合(羊膜移植以外では治療効果が期待できないものに限る) |
みらい(新人医療事務)
内皮移植加算だけで一番点数が高いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。ただし点数の大小より先に、算定候補になる条件を満たしているかの確認が大切です。次は対象になる医療機関や患者について見ていきましょう。
対象になる医療機関・患者
みらい(新人医療事務)
うちみたいな診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、医療機関の種別を限定する記載は確認できていません。診療所・病院のいずれでも、入院・外来のいずれでも、角膜移植術を実施できる体制があれば算定候補になり得ます。
| 項目 | 内皮移植加算での扱い |
|---|---|
| 診療所 | 算定候補になり得る |
| 病院 | 算定候補になり得る |
| 入院 | 算定候補になり得る |
| 外来 | 算定候補になり得る |
みらい(新人医療事務)
患者さんの条件はどうですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料の留意事項通知では、「水疱性角膜症の患者に対して、角膜内皮移植を実施した場合は、注2に規定する内皮移植加算を算定できる」とされています。つまり、対象疾患は水疱性角膜症であることが前提です。
みらい(新人医療事務)
逆に言うと、水疱性角膜症以外の患者さんで内皮移植をしても、この加算の対象にはならない可能性があるということですか?
あおい(元・医療事務)
そう読める記載です。ここは自院のカルテ記載・診断名と照らして確認が必要なポイントですね。断定はできないので、実際の症例ごとに確認する姿勢が大切です。
算定の条件(実施要件を確認する)
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出みたいなものは必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算そのものに個別の施設基準の届出は確認できていません。ただし「届出が不要=何も確認しなくていい」ということではなく、実施上の要件がいくつか定められています。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知には、角膜を移植する場合の条件として、「眼球提供者(ドナー)適応基準について」(平成12年1月7日健医発第25号厚生労働省保健医療局長通知)と「眼球のあっせん技術指針について」(平成12年1月7日健医発第26号厚生労働省保健医療局長通知)を遵守している場合に限り算定する、と記載されています。
みらい(新人医療事務)
学会のガイドラインみたいなものも関係するんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じ留意事項通知には、日本組織移植学会が作成した「ヒト組織を利用する医療行為の安全性確保・保存・使用に関するガイドライン」等、関連学会から示されている基準等を遵守している場合に限り算定する、という条件も明記されています。
内皮移植加算で確認したい実施要件
対象疾患: 水疱性角膜症の患者に対する角膜内皮移植であること ドナー基準の遵守: 眼球提供者(ドナー)適応基準・眼球のあっせん技術指針(健医発第25号・第26号)を遵守していること 学会基準の遵守: 関連学会(日本組織移植学会等)が示すガイドライン・基準等を遵守していること
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出書類がなくても、確認すべきことは意外と多いんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。届出の有無と、実施要件を満たしているかは別の話なので、両方を分けて確認する必要があります。
届出は必要?施設基準は?
みらい(新人医療事務)
さっきの話をもう一度整理したいです。届出は本当に不要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲で確認できているのは、内皮移植加算そのものについて個別の施設基準届出を求める記載が見当たらない、というところまでです。届出が不要という趣旨の断定的な記載を確認できたわけではないので、「届出済みであれば候補」という表現ではなく、「自院での該当有無を確認する」という前提で整理してください。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出の要否も含めて、最終的には自分たちで確認したほうがいいということですね。
あおい(元・医療事務)
その通りです。角膜移植術自体は高度な手術ですし、実施できる医療機関や体制も限られてきます。届出の要否については、自院が加入する審査支払機関や地方厚生局への確認も選択肢になります。
断定できないポイント
内皮移植加算に施設基準の届出が必要かどうかは、当サイトが収録している一次資料の範囲では明確な記載を確認できていません。届出の要否は自院の状況に応じて審査支払機関・地方厚生局にご確認ください。
算定時の注意点(併算定・関連加算との違い)
みらい(新人医療事務)
注1のレーザー使用加算や、注3の羊膜移植加算と一緒に算定することもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
一次資料上、それぞれの注は独立した算定要件が定められています。レーザーによる角膜切片作成を行った場合は注1、内皮移植による角膜移植を行った場合は注2、羊膜移植術を併せて行った場合は注3、とそれぞれ該当する実施内容があれば、要件を満たす範囲で加算の組み合わせが生じ得ます。ただし、これも個別のカルテ・手術記録に基づく確認が前提です。
みらい(新人医療事務)
レーザー使用加算については別の記事がありましたよね?
あおい(元・医療事務)
はい、レーザー使用加算も同じK259角膜移植術の注1にあたる加算です。あわせて確認しておくと、K259まわりの加算の全体像がつかみやすくなると思います。
みらい(新人医療事務)
「培養ヒト角膜内皮細胞移植術」という似た名前の手術も聞いたことがあるんですが、これも内皮移植加算の対象ですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、それは別の項目です。K259-4「培養ヒト角膜内皮細胞移植術」は、K259角膜移植術とは別に点数表に定められた手術で、培養した角膜内皮細胞を用いる術式です。厚生労働省の疑義解釈(令和8年度)でも、この手術で使う特定保険医療材料について、日本眼科学会・日本角膜移植学会の使用要件等基準を踏まえた取扱いが示されており、K259の内皮移植加算(注2)とは算定の枠組みが異なります。混同しないよう注意してください。
羊膜採取料・組織適合性試験の重複算定に注意
留意事項通知では、羊膜採取料及び組織適合性試験の費用は加算点数に含まれ別に算定できないとされています。角膜を採取・保存するために要する費用も所定点数に含まれ、別に算定できません。関連費用を重複して計上しないよう確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、内皮移植加算(K259注2、8,000点)そのものの点数や算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
変更がないなら、あまり気にしなくていいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
点数や算定要件に変更がなくても、関連する周辺ルール(材料の使用基準や疑義解釈など)は改定のたびに追加・更新されることがあります。実際、K259-4培養ヒト角膜内皮細胞移植術のように、関連する角膜内皮の術式については令和8年度でも疑義解釈が出されています。内皮移植加算そのものだけでなく、周辺の術式・材料の取扱いも含めて最新情報を確認する習慣が大切です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの内容を、確認する順番として整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。次の順番で確認していくとわかりやすいと思います。

自院で確認する順番
K259角膜移植術を実施しているか、手術記録で確認する 内皮移植による術式か(通常の全層・表層移植ではなく内皮移植か)を確認する 対象疾患が水疱性角膜症であるか、診断名・カルテ記載を確認する ドナー適応基準等(健医発第25号・第26号)を遵守しているか確認する 関連学会のガイドライン・基準等を遵守しているか確認する 届出の要否について、必要に応じて審査支払機関・地方厚生局に確認する
みらい(新人医療事務)
この順番で見ていけば、算定候補かどうか整理しやすそうです。
あおい(元・医療事務)
はい。特に最初の2つ、「角膜移植術の実施」と「内皮移植という術式であること」は前提条件になるので、ここを取り違えないようにしてください。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。まとめておきますね。
内皮移植加算で見落としやすいポイント
対象疾患の記載漏れ: 水疱性角膜症であることがカルテ・診断名に明記されているか 術式の区別: 全層角膜移植・表層角膜移植と、内皮移植の区別が手術記録で明確か 別項目との混同: K259-4培養ヒト角膜内皮細胞移植術など、似た名称の別項目と取り違えていないか 重複算定の確認: 羊膜採取料・組織適合性試験など、加算に含まれる費用を別に算定していないか
みらい(新人医療事務)
名前が似ている項目との混同、うっかりやってしまいそうです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。加算名だけで判断せず、必ず該当する手術コードと算定要件をセットで確認するようにしてください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうなことをいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
内皮移植加算は、内皮移植であれば疾患を問わず算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、対象疾患は水疱性角膜症の患者とされています。それ以外の疾患での算定候補になるかは、資料の範囲では確認できていないため、個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
レーザー使用加算や羊膜移植加算と、内皮移植加算は同時に算定候補になり得ますか?
あおい(元・医療事務)
それぞれ独立した要件が定められている加算なので、実施内容がそれぞれの要件を満たしていれば、組み合わせて算定候補になり得ます。ただし、これも一律に「できます」と言い切れるものではなく、個別の手術内容の確認が前提です。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出は本当にいらないんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算に固有の届出要件は確認できていません。ただし断定はできないので、自院の届出状況について審査支払機関等にご確認いただくことをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。