診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-19T00:10:29+00:00出典あり

導入時加算、ECMO管理の算定候補を確認【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

K916体外式膜型人工肺管理料(ECMO管理料)の注加算。治療開始時に初回に限り5,000点を所定点数に加算する。急性・慢性呼吸不全の急性増悪でK601-2体外式膜型人工肺を算定する場合に限り算定する管理料への加算。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

「導入時加算」っていう名前の加算をカルテで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか? 名前だけだとちょっと想像がつかなくて。

あおい

あおい元・医療事務

導入時加算は、K916体外式膜型人工肺管理料(いわゆるECMO管理料)についている「注加算」ですよ。ECMOによる呼吸管理を新しく始めた治療開始時に、初回に限って加算できるものです。単独の点数として存在するわけではなく、あくまでK916の管理料に上乗せする形になります。

みらい

みらい新人医療事務

注加算ということは、K916の管理料を算定していないとそもそも対象にならないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。導入時加算だけを単独で算定することはできません。まずK916体外式膜型人工肺管理料が算定できる状況かどうかを確認するのが出発点になります。

導入時加算の対象医療機関・対象患者

みらい

みらい新人医療事務

どんな患者さんに、どんな医療機関で算定できる加算候補になるんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している厚生労働省の告示・留意事項通知の範囲では、対象は入院中の患者に限られ、病院での算定が前提です。診療所や外来での算定は想定されていません。対象患者についても、K916自体の算定要件で絞り込まれています。

対象患者の条件(K916の算定要件)

厚生労働省の留意事項通知には、次のように記載されています。

「体外式膜型人工肺管理料は、急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器で対応できない患者に対して、体外式膜型人工肺を用いて呼吸管理を行った場合に算定する。」

つまり、単に人工呼吸器管理を行っているだけでは対象になりません。人工呼吸器での対応が困難な急性呼吸不全・慢性呼吸不全の急性増悪であることが前提です。

みらい

みらい新人医療事務

「体外式膜型人工肺を用いて」というのは、ECMOという理解で合っていますか?

あおい

あおい元・医療事務

はい、体外式膜型人工肺はECMO(Extracorporeal Membrane Oxygenation)のことです。留意事項通知でも「K601-2」体外式膜型人工肺を算定する場合に限り算定する、と明記されています。K601-2は手術の技術料(体外式膜型人工肺の導入・操作にかかる点数)で、これを算定していない場合はK916自体が算定候補になりません。

点数表(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

実際の点数はどうなっているんですか?

あおい

あおい元・医療事務

令和8年度の点数表では、K916体外式膜型人工肺管理料は日数に応じた段階制になっていて、そこに導入時加算が上乗せされる形です。表にまとめますね。

区分点数(令和8年度)
K916 体外式膜型人工肺管理料 1(7日目まで)4,500点(1日につき)
K916 体外式膜型人工肺管理料 2(8日目以降14日目まで)4,000点(1日につき)
K916 体外式膜型人工肺管理料 3(15日目以降)3,000点(1日につき)
導入時加算(注加算・初回に限り)5,000点

体外式膜型人工肺管理料と導入時加算(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

「初回に限り」っていうのは、治療の最初の1日だけっていう意味ですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。厚生労働省の点数表には「治療開始時においては、導入時加算として、初回に限り5,000点を所定点数に加算する。」と明記されています。ECMOによる呼吸管理を開始した最初のタイミングで1回だけ加算できるもので、2日目以降や再導入のたびに毎回算定できるものではありません。この点は算定漏れだけでなく、重複算定にも注意が必要な部分です。

算定要件(K601-2との関係・通則の適用除外)

みらい

みらい新人医療事務

算定要件で、他に気をつけるポイントはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

大きく2つあります。1つは先ほど話したK601-2との関係、もう1つは通則の加算が適用できないという点です。厚生労働省の留意事項通知には「体外式膜型人工肺管理料について、「通則8」及び「通則10」から「通則12」までの加算は適用できない。」と書かれています。

みらい

みらい新人医療事務

通則の加算というのは、手術料に共通してつく時間外加算とかそういうものですか?

あおい

あおい元・医療事務

一般的な手術の通則加算(時間外・休日・深夜加算などの通則8、通則10〜12)は、体外式膜型人工肺管理料には適用されない、という整理です。K916自体が特殊な管理料という位置づけのため、通常の手術加算のルールとは別枠になっている点は誤解しやすいところです。

導入時加算だけを単独算定しない

導入時加算はK916体外式膜型人工肺管理料の「注」に定められた加算であり、単独の診療行為コードとして存在するものではありません。K916自体が算定要件(K601-2の算定、対象患者の状態)を満たしていることが前提です。

施設基準・届出はどう確認すればいいですか?

みらい

みらい新人医療事務

導入時加算そのものに、個別の届出は必要なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している資料の範囲では、導入時加算自体に個別の届出要件・施設基準は定められていません。ただし、加算のもとになるK916体外式膜型人工肺管理料の算定には、施設基準の届出が前提になっています。厚生労働省の資料には「K916からK917-5までに掲げる手術等については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に限り算定する。」と整理されています。

みらい

みらい新人医療事務

つまり、導入時加算そのものへの届出は不要でも、K916の届出がなければ導入時加算も算定候補にならない、ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そういう理解でいいと思います。ただし実際の届出書類の様式や運用は保険医療機関ごとに確認が必要な部分なので、「届出済みであれば候補」という前提で、必ず自院の届出台帳・施設基準の現況を確認してください。

確認項目内容
導入時加算そのものの届出当サイトが収録する資料の範囲では個別の届出要件は確認されていません
K916体外式膜型人工肺管理料の届出施設基準の届出が前提(地方厚生局長等への届出)
K601-2体外式膜型人工肺の算定導入時加算・K916いずれも算定の前提条件

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

実際にうちの病院で算定候補かどうか調べるとき、どの順番で見ていけばいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

私は次の順番で確認するようにしています。

自院で確認する順番

  1. K916体外式膜型人工肺管理料の施設基準届出が自院にあるかを届出台帳で確認する
  2. 対象患者がK601-2体外式膜型人工肺を算定しているかをレセプト・診療録で確認する
  3. 患者が急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器で対応できない状態だったかをカルテで確認する
  4. ECMOによる呼吸管理を開始した「初回」であるかを確認し、既に導入時加算を算定済みでないかチェックする

導入時加算 自院で確認する順番(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

4番目の「初回かどうか」の確認って、地味だけど見落としやすそうですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうなんです。同じ患者さんでECMOの離脱と再導入を繰り返すケースもあるので、過去のレセプトで導入時加算をすでに算定していないか、必ず突き合わせておくことをおすすめします。

よくある取り漏れ

取り漏れが起きやすいポイント

K916自体は算定していても、治療開始日に導入時加算を別立てで加算し忘れるケースがあります。管理料の日数区分(7日目まで・8〜14日目・15日目以降)に気を取られて、初回加算の5,000点だけ入力から漏れる、という取り漏れパターンです。

K601-2の算定確認を忘れない

K916体外式膜型人工肺管理料は、K601-2体外式膜型人工肺を算定する場合に限り算定対象になります。K601-2の算定状況が確認できていないまま、K916や導入時加算だけ先に入力してしまうと、要件を満たしているかの確認が後回しになりがちです。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

前回の令和6年度改定から、導入時加算の内容って何か変わったんですか?

あおい

あおい元・医療事務

前回改定(令和6年度)からの点数・施設基準の変更点は、当サイトが収録する厚生労働省の一次資料の範囲では確認されていません(確認日: 2026年7月)。令和8年度の点数表においても、導入時加算は治療開始時に初回に限り5,000点を所定点数に加算する取り扱いのままです。

改定差分の確認範囲

今回の確認は当サイトが収録している令和8年度の一次資料(告示・留意事項通知)との照合によるものです。令和6年度時点の一次資料が当サイトのデータベースに未収録のため、点数・算定単位以外の項目(様式・記録要件など)についても、変更の有無を断定はしていません。最終的な変更履歴は厚生労働省の改定資料でご確認ください。

よくある質問

みらい

みらい新人医療事務

最後に、現場でよく聞かれそうな質問をいくつか確認しておきたいです。

あおい

あおい元・医療事務

いいですね。ひとつずつ見ていきましょう。

みらい

みらい新人医療事務

ECMOを離脱してから再度導入した場合、導入時加算はもう一度算定候補になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

そこは自院の記録・治療経過の解釈にもよる部分なので、断定はできません。「初回に限り」という表現の解釈にかかわる論点なので、疑義解釈や審査支払機関の判断も踏まえて、個別に確認することをおすすめします。

みらい

みらい新人医療事務

外来でECMO管理を行った場合は対象になりますか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している資料の範囲では、K916体外式膜型人工肺管理料・導入時加算はいずれも入院患者を前提とした管理料です。外来での算定は想定されていません。

みらい

みらい新人医療事務

施設基準の届出をしていない病院でECMO治療を行った場合はどうなりますか?

あおい

あおい元・医療事務

K916自体が地方厚生局長等への届出を前提とした管理料のため、届出がない場合はK916、ひいては導入時加算も算定候補にはなりません。まずは自院の届出状況を確認してください。

よくある質問確認のポイント
再導入時の算定可否「初回に限り」の解釈・審査支払機関への確認が必要
外来での算定可否入院患者向けの管理料のため対象外の可能性が高い
届出未了の場合K916の施設基準届出が前提条件

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。あわせて、加算のもとになる体外式膜型人工肺管理料(K916)のページも確認しておくと、算定要件のつながりが分かりやすいと思います。

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    治療開始時においては、導入時加算として、初回に限り5,000点を所定点数に加算する。

  • 対象医療機関

    体外式膜型人工肺管理料は、急性呼吸不全又は慢性呼吸不全の急性増悪であって、人工呼吸器で対応できない患者に対して、体外式膜型人工肺を用いて呼吸管理を行った場合に算定する。体外式膜型人工肺管理料は、「K601-2」体外式膜型人工肺を算定する場合に限り算定する。

よくある質問

ECMOを離脱してから再度導入した場合、導入時加算はもう一度算定候補になりますか?

自院の記録・治療経過の解釈による部分があり断定はできません。「初回に限り」の解釈について、疑義解釈や審査支払機関の判断も踏まえて個別に確認することをおすすめします。

外来でECMO管理を行った場合、導入時加算は対象になりますか?

当サイトが収録している資料の範囲では、K916体外式膜型人工肺管理料・導入時加算はいずれも入院患者を前提としており、外来での算定は想定されていません。

K916の施設基準届出をしていない場合、導入時加算は算定候補になりますか?

K916自体が地方厚生局長等への届出を前提とした管理料のため、届出がない場合はK916、ひいては導入時加算も算定候補にはなりません。自院の届出状況の確認が必要です。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

医学管理令和8年度

導入期加算、算定候補になる条件は?【令和8年度】

プログラム医療機器等指導管理料(区分番号B005-14)の注2に規定する加算で、プログラム医療機器等に係る初回の指導管理を行った場合に、当該初回の指導管理を行った月に限り導入期加算として所定点数に50点を加算する。

診療所病院要届出
入院料加算令和8年度

小児個別栄養食事管理加算は算定候補?要件を確認【令和8年度】

区分番号A226-4小児緩和ケア診療加算の注2に規定する加算。別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険医療機関において、緩和ケアを要する15歳未満の小児に対して緩和ケアに係る必要な栄養食事管理を行った場合に、70点を更に所定点数に加算する。

病院要届出
医学管理令和8年度

小児加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

がん性疼痛緩和指導管理料(区分番号B001の22)の注3に規定する加算で、当該患者が15歳未満の小児である場合に、小児加算として所定点数に50点を加算する。

診療所病院要届出
医学管理令和8年度

小児抗菌薬適正使用支援加算、自院は算定候補?【令和8年度】

小児科外来診療料等の注の加算(月1回80点)。急性気道感染症・急性中耳炎・急性副鼻腔炎又は急性下痢症で受診し抗菌薬を使用しない患者に、療養上必要な指導及び検査結果の説明を行い文書提供した場合に算定する。施設基準を満たす保険医療機関で算定。

診療所病院
放射線治療令和8年度

小児放射線治療加算、対象年齢と加算率は?確認ポイント【令和8年度】

放射線治療の通則に基づき、新生児・乳幼児・幼児・小児に対して所定の放射線治療を行った場合に、年齢区分に応じて所定点数の100分の80・50・30・20を加算する。本加算(コード180034890)は新生児に対する100分の80区分に対応する。

病院
検査加算令和8年度

小児矯正視力検査加算は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

令和8年度のD261屈折検査の注加算(35点)。弱視又は不同視と診断された患者に対し、眼鏡処方箋の交付を行わずに矯正視力検査を実施した場合に算定する。この場合D263矯正視力検査は算定しない。

診療所病院