みらい(新人医療事務)
先輩、「親水性カテーテル加算」っていう名前の加算を見つけたんですけど、これってどういう加算なんですか? うちは病棟もあるので気になります。
あおい(元・医療事務)
いいところに気づきましたね。親水性カテーテル加算は、間歇的導尿(J065、1日につき150点)という処置に対する「注加算」です。入院中の患者さんで、退院後に在宅自己導尿を予定している方に、間歇導尿用のディスポーザブルカテーテルを使用した場合に、70点を所定点数に加算できる、という位置づけの加算です。
みらい(新人医療事務)
「注加算」ということは、J065の間歇的導尿を算定していないと、そもそも対象にならないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。単独では算定できず、J065の本体点数にプラスする形の加算です。厚生労働省の令和8年度診療報酬点数表の該当条文には、次のように書かれています。「在宅自己導尿を予定している入院中の患者に対し、間歇導尿用ディスポーザブルカテーテルを使用した場合に、親水性カテーテル加算として70点を所定点数に加算する。」まずはこの条文の言葉どおりに、対象患者と対象カテーテルの両方を満たしているかを確認する、というのが基本の考え方になります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関の種類とか、患者さんの条件をもう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は診療所・病院で、算定対象になる場面は入院中に限られます。外来や在宅の場面でこの加算を算定することはできません。対象患者は「在宅自己導尿を予定している入院中の患者」です。つまり、入院中に間歇的導尿(J065)を行っていて、かつ退院後は自分で(またはご家族が)在宅で自己導尿を続ける見込みがある患者さんが対象になります。
みらい(新人医療事務)
入院中でも、退院後に在宅自己導尿を予定していない患者さんは対象外ということですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言をそのまま読む限り、そう考えるのが自然です。ただし「退院後の予定」をどう確認・記録するかは、公式資料に細かい様式までは示されていません。実務上は、退院支援計画や看護記録など、自院の運用の中で「在宅自己導尿を予定している」ことがわかる記録を残しているかどうかが、確認のポイントになりそうです。この点は資料に無い運用の話なので、断定はできず、自院での確認が必要な部分です。
点数・コード
みらい(新人医療事務)
点数の全体像を整理したいです。J065本体と、この加算を合わせるといくらになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の点数表では、次のように書き分けられています。
| 項目 | 点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| J065 間歇的導尿(本体) | 150点 | 1日につき |
| 注加算 親水性カテーテル加算 | 70点 | 1日につき(J065算定日) |
| 合計(親水性カテーテルを使用した日) | 220点 | 1日につき |

みらい(新人医療事務)
70点だけを単独で見るんじゃなくて、J065本体とセットで考えるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。レセプトの点検をするときも、J065が算定されていない日に親水性カテーテル加算だけが付いていないか、という視点でチェックすると取り漏れ・算定誤りの両方を防ぎやすくなります。
カテーテルの要件を確認する
みらい(新人医療事務)
「親水性カテーテル」って書いてありますけど、市販のディスポーザブルカテーテルなら何でも対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこが一番の確認ポイントです。厚生労働省の留意事項通知には、対象となるカテーテルの条件がはっきり書かれています。「『注』の親水性カテーテル加算は、間歇導尿用ディスポーザブルカテーテルとして、親水性コーティングが施されたカテーテルであって、包装内に潤滑剤が封入されており、開封後すぐに挿入可能なもののみを使用した場合に所定点数に加算する。」という条文です。
みらい(新人医療事務)
つまり条件は3つあるってことですね。
あおい(元・医療事務)
条文から読み取れる条件は、次の3点をすべて満たすカテーテルであることです。
対象カテーテルの3条件(算定候補の確認ポイント)
親水性コーティング: カテーテル表面に親水性コーティングが施されていること 潤滑剤の封入: 包装内にあらかじめ潤滑剤が封入されていること 開封後すぐ挿入可能: 開封してからすぐに挿入できる状態であること(使用直前に潤滑剤を別途塗布する必要がないもの)
みらい(新人医療事務)
使っているカテーテルがこの3条件を満たしているか、自院で採用している製品の仕様を確認しないといけないですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。製品名や具体的な仕様の一覧は当サイトが確認した一次資料の範囲には含まれていないため、この記事では条文の要件だけをお伝えします。実際に採用しているカテーテルがこの3条件を満たすかどうかは、購入先の添付文書や製品情報、必要であれば審査支払機関への確認をおすすめします。
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するのに、施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料の範囲では、この加算そのものに専用の施設基準・届出は設けられていません。次のように整理できます。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 施設基準の届出 | 資料の範囲では届出は求められていません |
| 対象の場面 | 入院中の患者に限る(外来・在宅は対象外) |
| 前提となる算定 | J065 間歇的導尿を算定していること |
みらい(新人医療事務)
届出がいらないなら、条件さえ満たせばすぐ算定候補になりそうですね。
あおい(元・医療事務)
届出が不要というのはあくまで資料の範囲での確認結果です。院内の運用ルールとして、対象カテーテルの採用状況や算定漏れ防止の仕組みは別途整えておく必要があります。届出の要否は改定や個別の事情で変わることもあるので、最終的には自院の状況で確認してください。
対象範囲についての注意
親水性カテーテル加算は「入院中」かつ「在宅自己導尿を予定している患者」に対する加算です。外来や在宅の場面での自己導尿指導、または退院後に在宅自己導尿を予定していない入院患者については、この加算の対象外の可能性があります。個々の患者について算定候補になるかどうかは、条文の要件と自院の記録に照らして確認が必要です。
紛らわしい加算に注意 — 「特殊カテーテル加算」との違い
みらい(新人医療事務)
名前が似ている加算があると混乱しそうです。「特殊カテーテル加算」という加算も見つけたんですけど、これは同じものですか?
あおい(元・医療事務)
名前は似ていますが、区分も対象も異なる別の加算です。ここは混同しやすいポイントなので、条文で主語をはっきり確認しておきましょう。厚生労働省の告示には、特殊カテーテル加算について次のように書かれています。「C163 特殊カテーテル加算 1 再利用型カテーテル 400点 2 間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル イ 親水性コーティングを有するもの」という区分です。
みらい(新人医療事務)
「親水性コーティングを有するもの」という言葉が、今回の親水性カテーテル加算と同じでちょっと紛らわしいです。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ただし条文上の位置づけがまったく違います。次の表で整理します。
| 比較項目 | 親水性カテーテル加算(この記事) | 特殊カテーテル加算(区分C163) |
|---|---|---|
| 区分 | J065(処置)の注加算 | C163(在宅療養指導管理材料加算) |
| 対象患者 | 在宅自己導尿を予定している入院中の患者 | 在宅自己導尿を行う入院中の患者以外の患者 |
| 点数 | 70点(1日につき) | 400〜2,100点(種類・本数により区分) |
| 関連する管理料 | J065 間歇的導尿(処置) | 在宅自己導尿指導管理料(C106)など |
あおい(元・医療事務)
つまり、入院中に処置として間歇的導尿を行う患者さんに付くのが今回の親水性カテーテル加算、退院後などに在宅で自己導尿を行う患者さんへカテーテルを支給する場面で付くのが特殊カテーテル加算、という違いです。関連する加算として特殊カテーテル加算、在宅自己導尿指導管理料のページも合わせて確認してみてください。
よくある取り違えパターン
加算名の混同: 「親水性コーティング」という言葉だけで判断し、区分C163の特殊カテーテル加算と取り違えてしまう 算定場面の混同: 入院中の処置(J065の注加算)と、在宅療養指導管理料の材料加算(C163)を同じ場面で算定してしまう
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
ここまでの話を、実際に確認する順番として整理してもらえますか?
あおい(元・医療事務)
はい。次のステップで確認していくとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
入院中の患者で、J065 間歇的導尿を算定しているか確認する 退院後に在宅自己導尿を予定している患者かどうかを、看護記録・退院支援計画などで確認する 使用しているディスポーザブルカテーテルが「親水性コーティング」「潤滑剤封入」「開封後すぐ挿入可能」の3条件を満たすか、製品情報で確認する 条件を満たしていれば、親水性カテーテル加算70点を算定候補として院内で検討する 特殊カテーテル加算(C163)など、名称が似た別の加算と混同していないかを再確認する

みらい(新人医療事務)
この順番なら、うちの病棟でもチェックしやすそうです。
あおい(元・医療事務)
レセプト担当と病棟看護師さんの間で情報が分かれがちな加算なので、この5つのステップを院内のチェックリストとして共有しておくと、算定漏れも取り違えも減らせると思います。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
この加算、前の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できる令和8年度の一次資料の範囲では、親水性カテーテル加算そのものについて、前回改定(令和6年度)からの点数や算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の告示・留意事項通知ベース)。
みらい(新人医療事務)
変わっていないなら、今まで通りの運用で大丈夫そうですね。
あおい(元・医療事務)
基本的な考え方は変わっていないと見てよさそうですが、「変更が無い」という確認自体も、当サイトが参照できた資料の範囲での結果です。院内で運用している算定フローに変更が必要かどうかは、念のため最新の告示・留意事項通知や審査支払機関の案内も確認しておくと安心です。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
最後に、現場でありがちな取り漏れのパターンを教えてください。
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ・算定ミスの例
カテーテルの条件確認漏れ: J065を算定しているのに、使用カテーテルが3条件を満たすか確認せず、加算を付け忘れる 算定単位のずれ: J065を算定していない日に親水性カテーテル加算だけを算定してしまう、または70点の算定単位を誤解して複数回算定してしまう 対象患者の確認漏れ: 在宅自己導尿を予定していない入院患者に誤って算定してしまう、逆に予定している患者への算定を見落とす
みらい(新人医療事務)
病棟からの情報連携がポイントになりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。カテーテルの仕様確認は購買・材料管理の部署、患者さんの退院後の予定は病棟看護師さん、算定単位の確認はレセプト担当、というように役割を分けて二重チェックする体制を作ると、取り漏れも過剰算定も防ぎやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
Q. 親水性カテーテル加算は、J065を算定していない日でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
A. 条文上、この加算はJ065 間歇的導尿の注加算という位置づけです。J065を算定していない日に単独で算定できるかどうかは、資料の範囲では確認できません。J065と同日に、対象カテーテルを使用した場合の加算として運用するのが基本と考えられます。
みらい(新人医療事務)
Q. 外来で在宅自己導尿の指導をする場合も、この加算の対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 条文では対象患者を「入院中の患者」に限定しています。外来での指導は、この加算ではなく在宅自己導尿指導管理料など別の項目で整理される場面と考えられます。個別の場面については自院での確認をおすすめします。
みらい(新人医療事務)
Q. 施設基準の届出をしていないと算定できませんか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが確認した資料の範囲では、この加算に専用の届出は設けられていません。ただし届出の要否は改定や運用で変わり得るため、最終的な確認は自院の届出状況と公式資料で行ってください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。