みらい(新人医療事務)
先輩、内視鏡室からのレセプトで「胆管・膵管造影法加算」という項目を見つけたんですが、これって胃カメラの加算ですよね? どんな場面で算定候補になるのか教えてください。
あおい(元・医療事務)
はい、区分番号D308「胃・十二指腸ファイバースコピー」の「注1」に規定されている加算です。令和8年度の医科点数表では、この検査の中で胆管・膵管造影法を行った場合に600点を上乗せする、という形になっています。まずは対象になる検査と点数から確認していきましょう。
この加算は何のためのもの?
みらい(新人医療事務)
そもそも「胆管・膵管造影法」ってどんな手技なんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の医科点数表では、D308胃・十二指腸ファイバースコピーの「注1」として「胆管・膵管造影法を行った場合は、胆管・膵管造影法加算として、600点を所定点数に加算する。ただし、諸監視、造影剤注入手技及びエックス線診断の費用(フィルムの費用は除く。)は所定点数に含まれるものとする。」と定められています。つまり、胃・十二指腸ファイバースコピーの検査中に、胆管や膵管を映すための造影法を行った場合の上乗せ加算です。
みらい(新人医療事務)
600点というと、検査そのものの点数とは別に上乗せされるということですね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。ただし後半の「ただし」以降が重要で、造影に伴う監視や造影剤の注入手技、エックス線診断(フィルム代を除く)の費用は、この600点の中に含まれています。つまり、これらを別立てで算定候補にすることはできません。
対象になる検査・点数の整理
みらい(新人医療事務)
検査本体の点数と加算を合わせると、どのくらいになるんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(別表第一)で確認できる範囲では、次のとおりです。
| 項目 | 点数 | 根拠 | 年度 |
|---|---|---|---|
| D308 胃・十二指腸ファイバースコピー(本体) | 1,140点 | 区分番号D308 | 令和8年度 |
| 胆管・膵管造影法加算(注1) | 600点 | D308注1 | 令和8年度 |
| 合計(一連につき) | 1,740点 | 本体+加算の単純合算 | 令和8年度 |

みらい(新人医療事務)
造影剤を使うためのレントゲン撮影は、この点数とは別に算定候補になりませんか?
あおい(元・医療事務)
そこも条文で確認しておきたいところです。区分番号E002「撮影」の注5には「造影剤使用撮影について、胆管・膵管造影法を行った場合は、画像診断に係る費用も含め、一連につき区分番号D308に掲げる胃・十二指腸ファイバースコピーの所定点数(加算を含む。)により算定する。」と書かれています。つまり、胆管・膵管造影法を行ったときの画像診断(撮影)にかかる費用も、D308の所定点数(600点の加算を含む)にすでに含まれている、という位置づけです。撮影料を別枠で上乗せする、という考え方にはなりません。
別立て算定に注意
胆管・膵管造影法加算を算定候補にする場合、諸監視・造影剤注入手技・エックス線診断(フィルム代を除く)・画像診断に係る費用は、いずれも600点の加算に含まれています。これらを個別の項目として別立てで算定候補にすることはできませんので、レセプト作成時に重複計上がないか確認してください。
対象医療機関・対象患者はどこまで?
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも病院でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、この加算に医療機関の種別(診療所・病院)や外来・入院を限定する規定は見当たりません。診療所・病院、外来・入院のいずれでも、D308胃・十二指腸ファイバースコピーを実施し、その中で胆管・膵管造影法を行った場合に算定候補となる位置づけです。在宅療養の場面は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
対象患者についても、条文には特に指定がないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上、患者の年齢や疾患名で対象を絞る記載はありません。あくまで「胆管・膵管造影法を行ったかどうか」という手技の実施実態が判断の軸になります。実際に行ったことを診療録・レセプトで確認できる状態にしておくことが前提です。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、胆管・膵管造影法加算そのものに個別の施設基準や届出は定められていません。土台となるD308胃・十二指腸ファイバースコピーを保険診療として実施し、その中で胆管・膵管造影法を行っていることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出なしでいつでも算定候補になる、と考えていいですか?
あおい(元・医療事務)
そう言い切ることはできません。届出が不要だからといって、常に算定候補になるわけではなく、実際に胆管・膵管造影法を行った事実の記録、そして先ほどの「別立て算定に注意」で触れた費用の重複がないかの確認は、毎回必要です。届出の有無と、算定要件を満たしているかどうかは別問題として捉えてください。
算定タイミング・回数の考え方
みらい(新人医療事務)
1回の検査で複数回、この加算を算定候補にすることはできますか?
あおい(元・医療事務)
条文は「胆管・膵管造影法を行った場合は…600点を所定点数に加算する」という書き方で、回数の上限を明示する記載は当サイトが確認した範囲では見当たりません。ただし、D308自体が「一連につき」の所定点数として設計されている検査であるため、同一の検査(一連の内視鏡検査)の中で複数回算定候補にできるかどうかは、実施内容を踏まえて個別に確認したほうが安全です。
よくある取り漏れ・思い違い
- D308本体を算定していない場面(例: 検査自体を保険請求していないケース)で、加算だけを算定候補にしていないか
- 造影剤注入手技・エックス線診断(撮影・フィルム代を除く)を、加算とは別に重複して算定候補にしていないか
- 胆管・膵管造影法を「実施した」記録(診療録・レポート)が残っているか
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲の一次資料(令和8年度医科点数表の該当条文)では、胆管・膵管造影法加算の点数(600点)や、「諸監視、造影剤注入手技及びエックス線診断の費用は所定点数に含まれる」という取り扱いに変更を示す記載は確認されていません。令和6年度(2024年度)改定からの差分について、当サイトの一次資料の範囲では変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。今後の官報告示・通知で変更が示された場合は、その都度確認が必要です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院で確認するときは、どういう順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいです。
自院で確認する順番
- D308胃・十二指腸ファイバースコピーを保険診療として実施・算定しているか確認する
- その検査の中で、実際に胆管・膵管造影法を行ったかを診療録・検査レポートで確認する
- 造影剤注入手技・エックス線診断(撮影・フィルム代を除く)費用を、加算とは別に重複計上していないか確認する
- 上記が確認できれば、胆管・膵管造影法加算(600点)を算定候補として記録する

関連する加算もあわせて確認
みらい(新人医療事務)
D308には他にも「注」の加算があるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。同じD308胃・十二指腸ファイバースコピーには、注2の粘膜点墨法加算(60点)、注3の胆管・膵管鏡加算(3,360点)、注4の狭帯域光強調加算(200点)といった、それぞれ別の手技に対応する加算が規定されています。同じ検査でも「注」ごとに対象の手技が異なるので、実施した手技がどの「注」に該当するかを条文で確認するのがポイントです。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問をまとめておきたいです。
あおい(元・医療事務)
いいですね。整理しておきましょう。
みらい(新人医療事務)
Q. D308を算定していない場合でも、胆管・膵管造影法加算だけ算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 条文上、この加算はD308胃・十二指腸ファイバースコピーの「注」として規定されているものです。検査本体を算定していない場面で加算だけを算定候補にできるかどうかは、資料の記載だけでは判断できないため、個別に確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 造影剤注入や撮影の費用を別に請求してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
A. できません。条文で「諸監視、造影剤注入手技及びエックス線診断の費用(フィルムの費用は除く。)は所定点数に含まれる」と明記されており、撮影に関するE002注5でも画像診断費用を含めてD308の所定点数により算定するとされています。
みらい(新人医療事務)
Q. 施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが確認した範囲では、この加算に個別の施設基準・届出は定められていません。ただし届出が不要でも、実施内容の確認は必要です。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
今回の話の元になっている資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
今回の内容は、厚生労働省「医科点数表(別表第一)」の区分番号D308胃・十二指腸ファイバースコピー(注1・令和8年度)、および同じく区分番号E002撮影(注5・令和8年度)の記載を、こちらのPDFで確認した範囲でまとめています。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。実施した手技の内容や算定の重複がないかを入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。