みらい(新人医療事務)
先生、レセプトを見ていたら「胆管・膵管鏡加算」という項目が出てきたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これはD308「胃・十二指腸ファイバースコピー」の注加算の一つですよ。胃・十二指腸ファイバースコピーを実施する際に、胆管・膵管鏡を用いて検査を行った場合に、所定点数へ上乗せする加算です。令和8年度(2026年度)時点で3,360点となっています。
みらい(新人医療事務)
「注加算」というのは、独立した検査項目じゃなくて、D308に追加でつく点数ってことですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。D308の告示本文には複数の注が並んでいて、それぞれ別の技術を行った場合に加算されます。厚生労働省の医科点数表(告示)には次のように定められています。「D308 胃・十二指腸ファイバースコピー 1,140点 注1 胆管・膵管造影法を行った場合は、胆管・膵管造影法加算として、600点を所定点数に加算する。ただし、諸監視、造影剤注入手技及びエックス線診断の費用(フィルムの費用は除く。)は所定点数に含まれるものとする。2 粘膜点墨法を行った場合は、粘膜点墨法加算として、60点を所定点数に加算する。3 胆管・膵管鏡を用いて行った場合は、胆管・膵管鏡加算として、3,360点を所定点数に加算する。4 拡大内視鏡を用いて、狭帯域光による観察を行った場合には、狭帯域光強調加算として、200点を所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
注1の「胆管・膵管造影法加算」と、今日聞いている「胆管・膵管鏡加算」って、名前が似ていて混同しそうです…!
あおい(元・医療事務)
そこはよくある取り違えポイントです。注1の胆管・膵管造影法加算は「造影剤を使って撮影する」加算(600点)、注3の胆管・膵管鏡加算は「胆管・膵管鏡そのものを用いて観察する」加算(3,360点)で、行った手技が異なります。どちらを行ったかはカルテ・レセプトの記録で個別に確認する必要がありますね。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
この加算は診療所でも算定候補になるんですか? それとも大きな病院だけですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している範囲では、診療所・病院のいずれも対象で、外来・入院のどちらの場面でも算定候補となり得ます。ただし在宅の場面は対象に含まれていません。あくまでD308胃・十二指腸ファイバースコピーを実施し、その中で胆管・膵管鏡を用いた場合が前提になります。
みらい(新人医療事務)
対象患者の疾患名などは決まっているんですか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文自体には「胆管・膵管鏡を用いて行った場合」という技術要件が書かれているだけで、対象疾患を限定する文言は今回確認した資料の範囲では見当たりません。実務上は、胆道・膵管領域の精査目的でD308を実施し、その中で胆管・膵管鏡を使用したかどうかがポイントになります。個別の適応判断は自院の診療内容に基づいて確認が必要です。
点数・コードの整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
D308まわりの点数、注が4つもあって混乱してきました…表にできますか?
あおい(元・医療事務)
表にまとめるとこうなります。
| 区分 | 名称 | 点数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| D308本体 | 胃・十二指腸ファイバースコピー | 1,140点 | 基本点数 |
| 注1 | 胆管・膵管造影法加算 | 600点 | 造影剤注入手技等の費用は所定点数に含む |
| 注2 | 粘膜点墨法加算 | 60点 | 粘膜点墨法を行った場合 |
| 注3 | 胆管・膵管鏡加算 | 3,360点 | 胆管・膵管鏡を用いて行った場合(本記事の対象) |
| 注4 | 狭帯域光強調加算 | 200点 | 拡大内視鏡で狭帯域光による観察を行った場合 |

みらい(新人医療事務)
胆管・膵管鏡加算だけ点数がかなり大きいですね。表は令和8年度(2026年度)の医科点数表・告示がベースなんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい、令和8年度(2026年度)の医科点数表・告示がベースです。他の注加算に比べて点数は高めですが、その分「胆管・膵管鏡を用いて行った」という事実の記録がしっかり残っているかが、確認のポイントになります。
施設基準・届出は必要か
みらい(新人医療事務)
この加算を算定するには、施設基準の届出とか研修修了が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料の範囲では、本加算について個別の施設基準・届出は設定されていない扱いになっています。D308本体を実施できる体制があれば、胆管・膵管鏡を用いた事実の記録に応じて算定候補になり得るという整理です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ、届出なしでも全く問題ないってことですか?
あおい(元・医療事務)
そこは言い切らないほうがいいですね。「届出・施設基準が個別に設定されていない」という整理であって、D308本体の実施体制や機器の保有状況、レセプト記載のルールまで自院で確認不要という意味ではありません。最終的には自院のレセプト運用・審査支払機関の判断で確認してください。
算定タイミング・注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
D308を実施した回において、実際に胆管・膵管鏡を用いたかどうかがすべての起点になります。記録が残っていないと、後から算定候補として整理するのが難しくなります。
併算定・記録に関する注意
胆管・膵管鏡加算(注3)は、同じD308の注1(胆管・膵管造影法加算)や注2(粘膜点墨法加算)、注4(狭帯域光強調加算)とは異なる技術に対する加算です。今回確認した告示の条文では、注3自体に他の注との併算定を明示的に禁止する文言は確認できていません。ただし、実際にどの注に該当する手技を行ったかはカルテ・レセプトへの記録が前提となるため、混同したまま複数の注をまとめて算定しないよう、自院で個別に確認してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定、令和6年度のときから何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは正直にお伝えしておきたいのですが、前回改定(令和6年度)時点の胆管・膵管鏡加算に関する一次資料を、当サイトが収集している範囲では突き合わせできていません(確認日: 2026年7月)。そのため「点数や算定要件が変わったか」について、この記事の時点で確証を持ってお伝えできる材料がない状態です。
改定差分の確認状況
今回の記事作成時点(令和8年度〔2026年度〕改定後)で確認できた一次資料は、現行の医科点数表(告示)における3,360点の記載のみです。令和6年度(2024年度)改定時との比較資料は、当サイトが収集した一次資料の範囲では確認されていません。前回改定からの変更有無が気になる方は、厚生労働省の改定資料や審査支払機関へ直接ご確認ください。
みらい(新人医療事務)
正直に「わからない」って書いてくれるの、逆に安心します。
あおい(元・医療事務)
憶測で「変わっていません」と書いてしまうほうが危険ですからね。確認できた範囲と、できていない範囲をはっきり分けてお伝えするようにしています。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
実際にうちの医院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
私だったらこの順番で確認します。
自院で確認する順番
- D308胃・十二指腸ファイバースコピーを実施した記録があるか
- その検査の中で、胆管・膵管鏡を実際に用いたか(カルテ・実施記録の確認)
- 注1〜注4のどの加算に該当する手技かを個別に切り分ける(胆管・膵管造影法加算・粘膜点墨法加算・狭帯域光強調加算と混同していないか)
- レセプトの摘要欄・記載ルールに沿って記録されているか
- 自院の届出状況・審査支払機関の取り扱いを踏まえて、算定候補として整理する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
取り漏れとか、逆に算定しすぎてしまうケースって、どんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか整理してみますね。
よくある確認漏れ
注1との混同: 「胆管・膵管造影法加算」(600点)と「胆管・膵管鏡加算」(3,360点)は名称が似ているため、どちらの手技を行ったか記録段階で取り違えやすい点です。
記録の未整備: 胆管・膵管鏡を実際に用いたことがカルテ上で確認できないと、後からの算定候補としての整理が難しくなります。
届出前提の思い込み: 「届出が必要な加算だろう」と思い込んで確認を後回しにしてしまうケースもあります。現行データ上は個別の届出設定がない扱いのため、記録面の確認を優先したほうがよいでしょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気にしそうな質問をまとめてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
いいですね。順番に答えていきます。
みらい(新人医療事務)
Q. 胆管・膵管鏡加算の算定要件を教えてください。
あおい(元・医療事務)
A. 現行の医科点数表(告示)では、D308胃・十二指腸ファイバースコピーを実施した際に、胆管・膵管鏡を用いて行った場合に3,360点を所定点数に加算すると定められています。この技術要件を満たしているかどうかが算定候補になるかの出発点です。
みらい(新人医療事務)
Q. 胆管・膵管鏡加算の施設基準は何か決まっていますか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトが収集している一次資料の範囲では、本加算に個別の施設基準は確認されていません。D308本体を実施できる体制であることが前提になりますが、詳細は自院の届出状況とあわせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
Q. 胆管・膵管造影法加算と何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
A. 胆管・膵管造影法加算(注1・600点)は造影剤を使った造影を行った場合の加算、胆管・膵管鏡加算(注3・3,360点)は胆管・膵管鏡そのものを用いて観察した場合の加算です。行った手技によってどちらに該当するかが変わるため、記録の確認が欠かせません。
みらい(新人医療事務)
Q. 在宅の患者さんにも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
A. 当サイトの整理では在宅の場面は対象に含まれていません。外来・入院での実施が前提になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。