みらい(新人医療事務)
あおいさん、「広角眼底撮影加算」ってカルテで見かけたんですけど、これって何の加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
眼底カメラ撮影(区分番号D256)に付く注加算の一つですよ。令和8年度の点数表では、広角眼底撮影を行った場合に100点を所定点数へ加算する、と定められています。
みらい(新人医療事務)
眼底カメラ撮影そのものとは別に、追加で点数がつくということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。ただし誰にでも算定できるわけではなく、対象になる患者が限定されています。今日はその条件を一緒に確認していきましょう。
広角眼底撮影加算とは
みらい(新人医療事務)
まず、そもそも「広角眼底撮影」ってどんな検査なんですか?
あおい(元・医療事務)
通常の眼底カメラより広い範囲を一度に撮影できる方式です。厚生労働省の点数表では、D256「眼底カメラ撮影」の注として次のように定められています。「広角眼底撮影を行った場合は、広角眼底撮影加算として、100点を所定点数に加算する。」(令和8年度 医科点数表 D256 注2)
みらい(新人医療事務)
「所定点数に加算する」ということは、眼底カメラ撮影自体の点数にプラスする形なんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。D256には「通常の方法の場合(アナログ54点/デジタル58点)」「蛍光眼底法の場合(400点)」「自発蛍光撮影法の場合(510点)」の区分がありますが、広角眼底撮影加算はそのいずれかを算定したうえでの上乗せです。単独では算定されません。
対象になる患者・医療機関
みらい(新人医療事務)
「広角眼底撮影をすれば必ず100点つく」というわけではないんですよね?
あおい(元・医療事務)
その通りです。留意事項通知には、次のいずれかに該当する場合に限り加算する、と明記されています。「広角眼底撮影加算は、次のいずれかに該当する場合に限り加算する。ア 3歳未満の乳幼児であって、未熟児網膜症、網膜芽細胞腫又は網膜変性疾患が疑われる患者に対して広角眼底撮影を行った場合 イ 糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症又はコーツ病の患者に対して蛍光眼底法による観察のために広角眼底撮影を行った場合」(令和8年度 医科点数表の解釈通知 D256)
みらい(新人医療事務)
つまり、ア「3歳未満の乳幼児で、未熟児網膜症・網膜芽細胞腫・網膜変性疾患が疑われる患者」か、イ「糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・コーツ病の患者に、蛍光眼底法による観察のために広角眼底撮影を行った場合」のどちらかということですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。逆に言えば、この2つの条件に当てはまらない広角眼底撮影は、この加算の対象外の可能性があります。診療録に対象疾患名と広角眼底撮影を行った目的が残っているかが、確認のポイントになります。
みらい(新人医療事務)
医療機関の種類には条件はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
点数表の条文自体には、施設の種類(診療所・病院)を限定する記載は見当たりません。当サイトが収録している一次資料の範囲では、外来・入院を問わず眼底カメラ撮影を行う体制があれば算定候補になり得ますが、最終的には自院での確認が必要です。
点数と区分番号
みらい(新人医療事務)
点数の整理、表にしてもらえますか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。区分番号D256「眼底カメラ撮影」を軸にまとめました。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| D256・1・イ | 通常の方法の場合(アナログ撮影) | 54点 |
| D256・1・ロ | 通常の方法の場合(デジタル撮影) | 58点 |
| D256・2 | 蛍光眼底法の場合 | 400点 |
| D256・3 | 自発蛍光撮影法の場合 | 510点 |
| D256・注2 | 広角眼底撮影加算 | +100点 |

みらい(新人医療事務)
広角眼底撮影加算だけ「注」って書いてあるのは、単独の検査項目じゃなくて、D256の追加ルールという意味なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。区分番号としてはD256の一部という位置づけになります。
似た名前の区分番号との混同に注意
点数表には、D256「眼底カメラ撮影」のほかに、D256-2「眼底三次元画像解析(190点)」やD256-3「光干渉断層血管撮影(400点)」という別の区分番号があります。広角眼底撮影加算はD256の注2に規定された加算であり、D256-2・D256-3とは条文上の別区分です。名称が似ているため、レセプト入力時に取り違えていないか確認をおすすめします。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出とか、必要なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、広角眼底撮影加算そのものに専用の施設基準や届出を求める規定は確認できていません。条文で定められているのは、患者の状態(ア・イの条件)と、広角眼底撮影を行ったという事実です。
みらい(新人医療事務)
じゃあ届出なしでもすぐ算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは断定できません。届出の要否は加算ごと・自院の体制ごとに変わりますし、D256自体や関連する検査の算定ルールと合わせて確認する必要があります。「届出が不要な整理だから確認しなくていい」ではなく、自院のレセプト担当・院長と一度、公式資料を突き合わせて確認することをおすすめします。
算定のタイミングと注意点
みらい(新人医療事務)
算定するタイミングで気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
いちばん大事なのは、対象疾患名と広角眼底撮影を行った目的を診療録に残すことです。ア・イどちらの条件で算定するのかが分かるように記載しておくと、後から確認しやすくなります。
みらい(新人医療事務)
蛍光眼底法とセットじゃないとダメなんでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
イの条件(糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・コーツ病)では「蛍光眼底法による観察のために広角眼底撮影を行った場合」と条文にあるので、蛍光眼底法での観察を目的としていることが要件になります。一方でアの条件(3歳未満の乳幼児)には、蛍光眼底法に限定する文言はありません。どちらの条件で算定するかによって、確認すべきポイントが変わってくるということですね。
算定候補と確認が必要な点
広角眼底撮影加算は、対象疾患・年齢・撮影目的の条件を満たして初めて算定候補になる加算です。条件を満たさない広角眼底撮影は対象外の可能性があるため、診療録の記載内容と条文の要件を照らし合わせて確認することをおすすめします。
令和8年度改定での変更点
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知)の範囲では、広角眼底撮影加算の点数(100点)および対象患者の要件(ア・イの条件)について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。
みらい(新人医療事務)
変更なしということは、令和6年度から同じ整理で考えて大丈夫ということですね。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲ではそう言えますが、改定内容の解釈は今後の疑義解釈通知などで補足される可能性もあります。念のため、算定時には最新の公式資料もあわせて確認してください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの医院で確認するときはどんな順番で見ていけばいいんでしょう?
あおい(元・医療事務)
こんな順番でチェックしていくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
-
D256眼底カメラ撮影を算定したかを確認 — 通常の方法・蛍光眼底法・自発蛍光撮影法のいずれかを実施しているか
-
広角眼底撮影を実施したかを確認 — 通常の眼底カメラ撮影ではなく、広角撮影の方式で行っているか
-
対象患者の条件(ア・イ)に該当するかを確認 — 3歳未満の乳幼児で未熟児網膜症等が疑われるか、または糖尿病網膜症等の患者に蛍光眼底法による観察目的で行っているか
-
診療録の記載を確認 — 対象疾患名・撮影目的が診療録に残っているか
-
レセプト上の区分番号を確認 — D256-2・D256-3など似た区分番号と混同していないか

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場で見落とされやすいポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかありますよ。
よくある取り漏れ・確認ポイント
- 対象疾患名の記載漏れ: 広角眼底撮影加算を算定していても、診療録に対象疾患名(未熟児網膜症・網膜芽細胞腫・網膜変性疾患・糖尿病網膜症・網膜静脈閉塞症・コーツ病)の記載がないと、後から算定根拠を説明しづらくなります
- 撮影目的の記載漏れ: イの条件では「蛍光眼底法による観察のために」行ったことが要件なので、単に広角眼底撮影を行っただけでなく、目的の記載も残しておくことが望ましいです
- 区分番号の混同: D256-2・D256-3は広角眼底撮影加算とは別の区分番号のため、レセプト入力時の取り違えに注意が必要です
みらい(新人医療事務)
なるほど、点数の有無だけじゃなくて記録の残し方も大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。算定候補になるかどうかは条文の要件と診療録の記載内容を突き合わせて初めて確認できるものなので、記録は丁寧に残しておくことをおすすめします。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に気になっていることをいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
通常の眼底カメラ撮影と同じ日に、広角眼底撮影加算だけ後から追加で算定できますか?
あおい(元・医療事務)
条文上、広角眼底撮影加算はD256の注として定められているものなので、D256(眼底カメラ撮影)の算定とセットで扱われる加算です。日をまたいでの取り扱いなど個別のケースについては、自院のレセプト担当者と公式資料で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
小児科でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
アの条件は「3歳未満の乳幼児」が対象なので、小児科・眼科いずれであっても、対象疾患が疑われて広角眼底撮影を行った場合は算定候補になり得ます。診療科名ではなく、患者の年齢・疑われる疾患・行った検査の内容で判断することになります。ちなみに、小児の視力検査に関する加算としては小児矯正視力検査加算もありますので、あわせて確認しておくとよいかもしれません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の届出をしていない診療所では、対象外になってしまいますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、広角眼底撮影加算そのものに専用の施設基準の届出は確認されていませんが、届出の要否は自院の体制によって変わる可能性があります。対象外と決めつけず、自院の届出状況を確認することをおすすめします。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は、以下の厚生労働省の公式資料を根拠としています。詳細な要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚生労働省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)別表第一 医科診療報酬点数表 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について(令和8年3月5日 保医発0305第6号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001713882.pdf
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。対象患者の条件や診療録の記載状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。