みらい(新人医療事務)
院長から「経管栄養してる患者さんで、間歇的にやってる場合は加算が付くらしいよ」って言われたんですが、正直よく分からなくて…。間歇的経管栄養法加算ってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。間歇的経管栄養法加算は、医科点数表の処置の区分「J120 鼻腔栄養(1日につき)60点」に対する注加算の一つです。令和8年度の点数表でも、間歇的経管栄養法によって鼻腔栄養を行った場合に、1日につき60点を所定点数に加算すると定められています。
みらい(新人医療事務)
「鼻腔栄養」の中の、さらに特別なやり方のときだけ付く加算、ということですか?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。まず土台になるのがJ120鼻腔栄養そのもの(60点)で、その行い方が「間歇的経管栄養法」だった場合に、追加で60点が乗る、という構造になっています。似た名前の在宅系の指導管理料(在宅成分栄養経管栄養法指導管理料など)とは別の区分なので、この記事でしっかり整理していきますね。
間歇的経管栄養法加算とは
みらい(新人医療事務)
そもそも「間歇的経管栄養法」ってどういう方法なんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算がどんな投与方法を指すかを詳しく定義した文章までは確認できていません。確認できているのは、令和8年度の点数表本文に「間歇的経管栄養法によって行った場合には、間歇的経管栄養法加算として、1日につき60点を所定点数に加算する」と明記されている、という事実です。
みらい(新人医療事務)
なるほど、加算の存在と点数ははっきりしているけど、投与方法の細かい手技の話は資料の範囲では確認できない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加えて、経鼻的に行った場合だけでなく、経口的に行った間歇的経管栄養法でも算定できる、という考え方が過去の疑義解釈で示されています。ただしこれは平成28年度に発出された疑義解釈資料なので、令和8年度の現在も同じ取り扱いかどうかは、念のため最新の疑義解釈もあわせて確認いただくのが安心です。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
うちは診療所なんですが、対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、この加算は診療所・病院のどちらでも、外来・入院のいずれの場面でも算定候補になり得る処置の注加算として整理されています。一方で、在宅療養を行っている患者さんへの評価としては想定されていない加算です。在宅の経管栄養については、後ほど説明する在宅成分栄養経管栄養法指導管理料などの別区分で評価される仕組みになっています。
| 場面 | 算定候補になり得るか |
|---|---|
| 診療所・外来 | 算定候補(鼻腔栄養を間歇的経管栄養法で行った場合) |
| 診療所・入院 | 算定候補(同上) |
| 病院・外来/入院 | 算定候補(同上) |
| 在宅療養(訪問診療等) | 想定されていない(在宅系の指導管理料側で評価) |
みらい(新人医療事務)
「入院でも外来でも算定候補になり得るけど、在宅は別ルート」ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届け出た区分や、算定しているほかの管理料によって対象かどうかが変わってくるので、次の点数の整理と、その後の併算定の注意点をあわせて確認してもらえればと思います。

点数の整理(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
実際の点数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次のように整理されています。
| 区分 | 内容 | 点数(令和8年度) |
|---|---|---|
| J120 | 鼻腔栄養(1日につき) | 60点 |
| J120 注2 | 間歇的経管栄養法加算(間歇的経管栄養法によって行った場合) | 60点(1日につき) |
| 合計(間歇的経管栄養法で行った場合) | 鼻腔栄養本体+間歇的経管栄養法加算 | 120点/日 |
みらい(新人医療事務)
つまり、通常の鼻腔栄養なら60点だけど、間歇的経管栄養法で行った場合は120点になる、というイメージですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのとおりです。ただし加算はあくまで鼻腔栄養本体に対する上乗せなので、鼻腔栄養そのものが算定できない患者さんについては、この加算も算定候補にはなりません。この点は次の章で詳しく説明しますね。回数についても、令和8年度の留意事項通知には「鼻腔栄養は、注入回数の如何を問わず1日につき算定するものである」と明記されているので、1日に何回投与しても、算定は1日につき1回という考え方になります。
施設基準・届出は必要?
みらい(新人医療事務)
この加算を取るには、何か届出とか施設基準が必要になりますか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、間歇的経管栄養法加算について、個別の施設基準の届出を求める記載は確認できていません。処置の注加算として、鼻腔栄養を算定する場面で該当すれば加算される仕組みになっています。
みらい(新人医療事務)
届出が不要なタイプの加算、ということですね。
あおい(元・医療事務)
現時点ではそう整理していますが、施設基準・届出の要否は今後の告示改正で変わる可能性もあります。算定候補と考えた場合も、レセプト算定の実務では、最新の告示・通知やお使いのレセプトシステムの設定であわせて確認いただくのが確実です。
届出不要でも油断しないポイント
届出は不要でも要件は要件: 届出が要らないからといって、間歇的経管栄養法という方法で行っているかどうかの確認まで省略できるわけではありません。 カルテ記載の確認: 実際にどのような方法で投与しているかが分かる記載がカルテにあるかを、まず確認しておくと安心です。
算定にあたっての注意(併算定除外)
みらい(新人医療事務)
併算定で気をつけることはありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、ここが一番間違えやすいところです。令和8年度の留意事項通知には、次のように定められています。「『C105』在宅成分栄養経管栄養法指導管理料、『C105-2』在宅小児経管栄養法指導管理料、『C105-3』在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料又は『C109』在宅寝たきり患者処置指導管理料を算定している患者(略)については、鼻腔栄養の費用は算定できない。」
みらい(新人医療事務)
ということは、その4つの管理料を算定している患者さんには、鼻腔栄養(J120)自体が算定できなくて、当然その上に乗る間歇的経管栄養法加算も対象外の可能性が高い、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そういう整理になります。
| 患者が算定している管理料 | 鼻腔栄養(J120)・間歇的経管栄養法加算 |
|---|---|
| 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料 | 対象外の可能性 |
| 在宅小児経管栄養法指導管理料(C105-2) | 対象外の可能性 |
| 在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料(C105-3) | 対象外の可能性 |
| 在宅寝たきり患者処置指導管理料 | 対象外の可能性 |
あおい(元・医療事務)
在宅成分栄養経管栄養法指導管理料や在宅寝たきり患者処置指導管理料などを算定している患者さんについては、鼻腔栄養そのものが算定できないため、間歇的経管栄養法加算も対象外の可能性があります。逆に言えば、これらの在宅系の管理料を算定していない入院・外来の患者さんで、鼻腔栄養を間歇的経管栄養法によって行っている場合が、算定候補になる典型的な場面です。
みらい(新人医療事務)
名前が似ている在宅系の管理料と、うちの処置の加算を混同しないように気をつけないといけないですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。間歇的経管栄養法加算は、あくまで処置の区分「J120鼻腔栄養」の注加算であり、在宅成分栄養経管栄養法指導管理料などの在宅指導管理料そのものとは別の区分です。レセプトを確認するときは、まずどちらの区分で算定しようとしているのかを、条文単位で確認するようにしてください。
併算定除外の確認は必須
在宅成分栄養経管栄養法指導管理料・在宅小児経管栄養法指導管理料・在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料・在宅寝たきり患者処置指導管理料のいずれかを算定している患者さんについては、鼻腔栄養(J120)自体が算定できないため、間歇的経管栄養法加算も対象外の可能性があります。実際の算定可否は、患者ごとの算定状況を確認したうえで判断してください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から、この加算に変更はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した一次資料(令和8年度の医科点数表・留意事項通知・疑義解釈資料)の範囲では、間歇的経管栄養法加算(J120注2)の点数・算定要件について、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。過去の疑義解釈資料(平成28年度)でも同じ60点・同じ考え方が示されており、この区分自体は以前から継続している加算と考えられます。
みらい(新人医療事務)
長く変わっていない加算、ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし今回確認したのは点数表・留意事項通知・疑義解釈という限られた範囲なので、様式や運用面での細かい変更が別途あった可能性までは断定できません。最新の取り扱いは、告示・通知の原文であわせて確認してもらえればと思います。

自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの患者さんが算定候補になるか、どう確認していけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくのがおすすめです。
自院で確認する順番
鼻腔栄養(J120)を算定している患者か: まず土台になる鼻腔栄養そのものを算定しているかを確認します。 在宅系の指導管理料を算定していないか: 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料・在宅小児経管栄養法指導管理料・在宅半固形栄養経管栄養法指導管理料・在宅寝たきり患者処置指導管理料のいずれも算定していないかを確認します。 間歇的な方法で投与しているか: 経鼻・経口を問わず、間歇的経管栄養法という方法で行っているかをカルテで確認します。 算定候補として整理する: ここまで確認できて初めて、間歇的経管栄養法加算の算定候補として扱います。
みらい(新人医療事務)
順番に見ていけば、混乱しにくそうです。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、鼻腔栄養(J120)は算定しているのに、投与方法が間歇的経管栄養法にあたるかどうかの確認が漏れていて、加算の存在自体に気づかないケースです。逆に、在宅系の管理料を算定している患者さんに、鼻腔栄養と加算をあわせて算定してしまう、というケースもあるので、両方向で注意が必要です。
取り漏れ・算定ミスの両方に注意
気づかない取り漏れ: 間歇的な方法で投与しているのに、加算の存在に気づかず60点分を取りこぼしているケース。 誤算定のリスク: 在宅成分栄養経管栄養法指導管理料などを算定している患者に、鼻腔栄養と加算を重ねて算定してしまうケース。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
経口的に行った場合でも算定できるんですか?
あおい(元・医療事務)
過去の疑義解釈資料(平成28年度)では、「間歇的経管栄養法を行う場合に限り、経口的に行った場合でも算定できる」という考え方が示されています。ただしこれは平成28年度時点の疑義解釈なので、令和8年度の現在も同じ取り扱いかどうかは、最新の疑義解釈もあわせて確認いただくのが安心です。
みらい(新人医療事務)
1日に何回も間歇的に投与したら、加算も複数回取れますか?
あおい(元・医療事務)
鼻腔栄養自体が「注入回数の如何を問わず1日につき算定するものである」と留意事項通知に明記されているため、間歇的経管栄養法加算も1日につき1回という考え方になります。回数を重ねて複数回算定できるものではないと考えられます。
みらい(新人医療事務)
この加算だけを単独で算定することはできますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「J120鼻腔栄養」に対する注加算という位置づけなので、鼻腔栄養そのものを算定していない場面での単独算定は想定されていません。まず鼻腔栄養を算定できる場面かどうかを確認したうえで、間歇的経管栄養法かどうかを見ていく、という順番になります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。