発熱患者等対応加算とは何ですか?(令和8年度版)
みらい(新人医療事務)
発熱患者等対応加算って、どんな加算なんですか?名前からだと発熱した患者さんに何か特別なことをする加算なのかなと思って。
あおい(元・医療事務)
発熱患者等対応加算は、外来感染対策向上加算を届け出た診療所が、発熱・呼吸器症状・発しん・消化器症状・神経症状など感染症を疑わせる症状をお持ちの患者さんに対し、空間的・時間的な分離を含む適切な感染対策をとって診療した場合に、外来感染対策向上加算(6点)に追加して算定できる加算です。
みらい(新人医療事務)
外来感染対策向上加算とセットで算定する加算なんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。あくまで外来感染対策向上加算の「ただし書き」に規定されている加算です。令和8年度(2026年度)現在、月1回の算定で20点が設定されています。

みらい(新人医療事務)
つまり、外来感染対策向上加算の6点と発熱患者等対応加算の20点で、合計26点が取れる可能性があるってことですか?
あおい(元・医療事務)
概念的にはそのとおりです。ただし「外来感染対策向上加算を算定した月に、さらに発熱患者等対応加算を加算できる」という構造なので、まず外来感染対策向上加算の届出と算定が前提になります。発熱患者等対応加算だけを単独で算定することはできません。
対象医療機関・対象患者は?算定要件を確認します
みらい(新人医療事務)
どんな診療所だと算定候補になるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示(診療報酬の算定方法の一部を改正する件 厚生労働省告示第69号)では、次の条件が記載されています。
発熱患者等対応加算の算定要件(令和8年度)
医療機関の条件
- 診療所に限る(病院は対象外)
- 外来感染対策向上加算の施設基準を満たし、届出済みであること
患者・診療の条件
- 発熱、呼吸器症状、発しん、消化器症状または神経症状その他感染症を疑わせるような症状を有する患者であること
- 空間的分離または時間的分離を含む適切な感染対策を講じた上で診療を行ったこと
算定タイミング
- 月1回限り
みらい(新人医療事務)
「空間的・時間的分離」ってどういう意味ですか?
あおい(元・医療事務)
空間的分離は、発熱・感染症疑いの患者を他の患者と物理的に別の空間で診療することです。時間的分離は、受付時刻や診察時刻を他の患者と分けることを指します。専用の診察室を設けることが理想ですが、専用室がない場合でも、患者動線や診察時間を分けることで対応することが考えられます。
みらい(新人医療事務)
となると、全患者が対象じゃなくて、発熱などの症状がある患者さんだけなんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。感染症を疑わせる症状がある患者さんへの診療に限定されています。留意事項通知(令和8年保医発0305第6号)にも「発熱、呼吸器症状、発しん、消化器症状又は神経症状その他感染症を疑わせるような症状を有する患者に空間的・時間的分離を含む適切な感染対策の下で診療を行った場合に算定する」と明記されています。
施設基準・届出の確認ポイント(感染対策向上加算との関係)
みらい(新人医療事務)
施設基準は外来感染対策向上加算と同じですか?別途何か届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
発熱患者等対応加算自体の施設基準・届出は、基本的に外来感染対策向上加算の届出に含まれる形で整理されています。外来感染対策向上加算の施設基準の中に「空間的・時間的分離を含む発熱患者等の外来診療体制の確保」が含まれており、その要件を満たした上で届け出れば、発熱患者等対応加算も算定候補となります。
みらい(新人医療事務)
外来感染対策向上加算の施設基準も改めて確認したいんですが、どんな内容でしたっけ?
あおい(元・医療事務)
主に3つの柱で構成されています。
外来感染対策向上加算の施設基準(令和8年度・概要)
① 平時からの感染防止対策
- 専任の院内感染管理者(医師・看護師・薬剤師等の医療有資格者)の配置
- 感染性患者へのマスク着用の促進
- 診察室に手洗い設備・速乾性手指消毒薬の設置
- N95マスクの常備
- 感染性患者と一般患者を区別できる診療体制
② 地域医療機関との連携
- 感染対策向上加算1の届出病院等が連携する感染症対策への参画
- 院内感染管理者が年2回程度のカンファレンスに参加
③ 発熱患者等の外来診療体制の確保
- 空間的または時間的に発熱患者等を分離して診療できる体制
みらい(新人医療事務)
届出様式はどこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
地方厚生局のウェブサイトに届出様式が掲載されています。「外来感染対策向上加算」の届出様式(別添様式)に体制要件のチェック欄が設けられていますので、自院の状況と照らし合わせながら確認することをお勧めします。
診療所に限定されます
発熱患者等対応加算は診療所のみが算定対象です。病院(許可病床数200床未満を含む)では算定できません。告示では「診療所に限る」と明記されています。
点数・算定区分・算定対象の診療料
みらい(新人医療事務)
この加算はどの診療料に加算するものですか?初診料だけじゃないんですよね?
あおい(元・医療事務)
令和8年度告示を確認した範囲で、発熱患者等対応加算が規定されている主な診療料は次の3つです。
| 診療料区分 | 加算点数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 初診料(注11) | 20点 | 月1回 |
| 再診料(再診時) | 20点 | 月1回 |
| 医学管理料等(生活習慣病管理料・特定疾患療養管理料等) | 20点 | 月1回 |
みらい(新人医療事務)
えっ、生活習慣病管理料を算定した月にも取れることがあるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示(医科点数表 第1節 医学管理料等の規定)に、「発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者に対して適切な感染防止対策を講じた上で、第1節の各区分に掲げる医学管理料等のうち次に掲げるものを算定した場合については、発熱患者等対応加算として月1回20点を更に加算する」旨の規定があります(令和8年厚生労働省告示第69号)。具体的には、生活習慣病管理料(生活習慣病管理料)や特定疾患療養管理料(特定疾患療養管理料)等の医学管理料算定月において、発熱患者等に感染対策を講じて診療した場合は、発熱患者等対応加算の算定候補となります。対象となる医学管理料の具体的な範囲については、告示・留意事項通知の本文をご確認ください。
算定の前提条件と月1回上限に注意
発熱患者等対応加算は、外来感染対策向上加算を算定していることが前提で、その所定点数に更に20点を加算するものです(出典: quote7078、留意事項(26)/source3)。外来感染対策向上加算・発熱患者等対応加算はそれぞれ月1回が上限です。詳細は告示・留意事項通知の本文でご確認ください。
感染対策向上加算との違いと連携関係
みらい(新人医療事務)
感染対策向上加算という似た名前の加算もありますよね。違いは何ですか?
あおい(元・医療事務)
整理すると次のような違いがあります。
| 項目 | 外来感染対策向上加算 | 感染対策向上加算 | 発熱患者等対応加算 |
|---|---|---|---|
| 対象施設 | 診療所 | 病院(200床未満含む) | 診療所(外来感染対策向上加算の届出が前提) |
| 点数 | 6点(月1回) | 30〜710点(区分あり) | 20点(月1回) |
| 届出 | 必要 | 必要 | 外来感染対策向上加算に含まれる |
| 患者条件 | 初診患者等 | 入院患者等 | 感染症疑いの症状を持つ患者 |
みらい(新人医療事務)
なるほど。診療所が外来感染対策向上加算の届出をして、さらに発熱患者さんに感染対策をして診療したときに発熱患者等対応加算が取れる、という流れなんですね。
あおい(元・医療事務)
その理解でよいと思います。発熱患者等対応加算は、外来感染対策向上加算を算定している診療所が「感染対策をとって発熱患者等を診た」という行為を追加で評価したものです。感染対策向上加算(感染対策向上加算)は病院向けの入院基本料に関連する加算で、別の体系になっています。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
令和8年度の改定で、発熱患者等対応加算は何か変わりましたか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示(厚生労働省告示第69号)と要件を確認した範囲では、発熱患者等対応加算の点数(20点・月1回)、算定対象の診療料の種類、主な施設基準の構造について、前回改定(令和6年度・2024年度)からの変更は確認されていません(2026年6月・厚労省一次情報ベース)。
前回改定(令和6年度)からの差分 確認結果
- 点数: 20点・月1回 → 変更なし
- 対象診療料: 初診料・再診料・医学管理料等 → 変更なし
- 対象患者: 発熱・呼吸器症状等の感染症疑い患者 → 変更なし
- 施設基準の構造: 外来感染対策向上加算の届出が前提 → 変更なし
みらい(新人医療事務)
令和6年度改定で新設されたのでしたっけ?
あおい(元・医療事務)
発熱患者等対応加算は令和4年度(2022年度)改定で設けられた加算です。コロナ禍を背景に発熱患者等の外来診療体制を評価するという趣旨で、外来感染対策向上加算とあわせて整備されました。令和6年度改定でも維持されており、令和8年度も同様の体系が継続されています。
よくある取り漏れポイント
みらい(新人医療事務)
この加算でよく見落とされがちなポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
現場でよく確認が必要になるのは次のような点です。
よくある取り漏れポイント(令和8年度)
- 発熱患者等対応加算を算定していない: 外来感染対策向上加算は届け出ているのに、発熱・感染症疑いの患者への加算を忘れているケース
- 感染症疑いの症状の確認漏れ: 発熱のみでなく、呼吸器症状・発しん・消化器症状・神経症状も対象。問診票で症状を確認しているか
- 空間的・時間的分離の記録: 分離して診療した旨を診療録等で確認できるようにしているか
- 月1回の重複算定: 同月に複数回の発熱患者受診があっても、月1回が上限
- 病院では算定できない: 診療所要件のため、病院では誤算定になる

自院で確認する手順
みらい(新人医療事務)
実際に自院で算定候補になるか確認するには、どんな順番で見ればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番でチェックすることをお勧めします。
自院で確認する順番
① 外来感染対策向上加算の届出状況の確認 地方厚生局への届出が受理されているか。まだ届け出ていない場合は施設基準を満たすことが前提です。
② 施設基準の実態確認 院内感染管理者の配置、手洗い設備・速乾性手指消毒薬の整備、N95マスクの常備、年2回のカンファレンス参加実績など、外来感染対策向上加算の施設基準が実態として満たされているか。
③ 発熱患者等の分離診療体制の確認 空間的または時間的に、発熱・感染症疑いの患者を分離して診療している体制があるか。
④ レセプト上の算定状況の確認 外来感染対策向上加算を算定している月の発熱患者等の診療に対し、発熱患者等対応加算が適切に加算されているか。
⑤ 告示・通知の最新版確認 点数・施設基準は改定によって変わる場合があります。地方厚生局や支払基金の資料で最新情報を確認してください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
生活習慣病管理料を算定した患者さんが発熱で来院した場合、発熱患者等対応加算は取れますか?
あおい(元・医療事務)
告示の規定では、生活習慣病管理料等の医学管理料を算定した場合に外来感染対策向上加算・発熱患者等対応加算を加算できる旨が定められています。そのため、外来感染対策向上加算の届出済み診療所で、生活習慣病管理料算定月に発熱患者等に感染対策を講じて診療した場合は、算定候補となる可能性があります。ただし、月1回の算定上限や同月の重複規定など細かい要件がありますので、自院の状況と告示・通知を照らし合わせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
特定疾患療養管理料を算定している高血圧の患者さんが、インフルエンザ疑いで来院した場合はどうでしょう?
あおい(元・医療事務)
特定疾患療養管理料(特定疾患療養管理料)算定月に、発熱・感染症疑いの症状を持つ患者に感染対策を講じて診療した場合は、外来感染対策向上加算と発熱患者等対応加算の算定候補となり得ます。ただし、発熱患者等対応加算は外来感染対策向上加算を算定していること(同加算の届出・算定)が前提となる点、月1回が上限である点に注意が必要です。実際の算定可否については、算定要件と自院の届出状況を照らし合わせて確認してください。
みらい(新人医療事務)
感染対策向上加算と発熱患者等対応加算、名前が似ていて混乱しやすいですね。
あおい(元・医療事務)
整理すると、感染対策向上加算(A234-2)は病院向け・入院関連の加算、外来感染対策向上加算と発熱患者等対応加算は診療所向け・外来の加算です。対象施設が異なるので、自院が診療所であれば外来感染対策向上加算と発熱患者等対応加算の体系を確認することになります。
公式資料・出典
みらい(新人医療事務)
どこで情報を確認すれば間違いないですか?
あおい(元・医療事務)
一次情報として以下の公式資料を参照してください。
公式参照資料(令和8年度)
診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)(医科点数表) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001675854.pdf
診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項(令和8年保医発0305第6号)(厚労省留意事項通知)
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、具体的に確認してみたいです。
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。