みらい(新人医療事務)
先生、「画像誘導密封小線源治療加算」って名前を初めて見たんですけど、これってどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
これは、密封小線源治療(M004)の中の一部の治療に対して付く加算なんです。令和8年度の点数表では、区分番号M004の「注8」に定められていて、一連につき1,200点を所定点数に加算するものとされています。
みらい(新人医療事務)
「一部の治療」というと、密封小線源治療なら何でも対象になるわけではないんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ここが一番間違えやすいポイントです。厚生労働省の医科点数表では、対象がかなり絞られています。
対象を絞り込む条文(要確認)
留意事項通知には、「『注8』に規定する画像誘導密封小線源治療加算は、治療用のアプリケーターを挿入した状態で撮影したCT又はMRIの画像所見を用いて治療計画を行い、腫瘍と周囲臓器への最適な照射線量を計算して、子宮頸癌に対して照射した場合に限り、一連につき1回に限り算定する」と明記されています。つまり対象疾患は子宮頸癌に限られ、算定できるのも一連につき1回のみです。
みらい(新人医療事務)
子宮頸癌の治療に限られるんですね。うちのクリニックでも他の癌で密封小線源治療をやることがあるんですが、それだと対象外の可能性があるということですか?
あおい(元・医療事務)
断定はできませんが、条文の書き方からすると、子宮頸癌以外への照射では、この加算の算定候補にならない可能性が高いです。まずはこの1点だけでも、自院で行っている治療の対象疾患を確認する価値がありますね。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
施設の種類はどうですか?病院じゃないと無理、みたいな縛りはあるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、診療所・病院のどちらでも対象になり得るとされていて、外来・入院のいずれの場面にも関係します。ただし在宅では対象になっていません。密封小線源治療自体、放射線治療の設備が必要な処置なので、実務上は放射線治療を専門的に行っている病院が中心になると考えられます。
みらい(新人医療事務)
対象患者は「子宮頸癌の患者さん」で決まりですか?
あおい(元・医療事務)
算定できる範囲としては、条文にある通り子宮頸癌に対する腔内照射が対象です。それ以外の部位・疾患の密封小線源治療を受けている患者さんは、この加算の対象にはならない可能性があります。これも自院での確認が必要な点ですね。
点数と算定区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数を整理してほしいです。密封小線源治療そのものの点数と、加算の点数がごちゃごちゃになりそうで。
あおい(元・医療事務)
表にすると分かりやすいですよ。
| 項目 | 点数 | 単位 | 年度 |
|---|---|---|---|
| M004 密封小線源治療 腔内照射(高線量率イリジウム照射又は新型コバルト小線源治療装置を用いた場合) | 12,000点 | 一連につき | 令和8年度 |
| 画像誘導密封小線源治療加算(注8) | 1,200点 | 一連につき(子宮頸癌への照射・条件を満たした場合に限り1回のみ) | 令和8年度 |
あおい(元・医療事務)
医科点数表の原文では、密封小線源治療の「腔内照射」のうち「イ 高線量率イリジウム照射を行った場合又は新型コバルト小線源治療装置を用いた場合」が12,000点、「ロ その他の場合」が5,000点とされています。画像誘導密封小線源治療加算は、この「イ」の場合(条文でいう「2のイに係るものに限る」)にしか付かない加算です。「ロ」のその他の場合には、この加算の対象にはなりません。
みらい(新人医療事務)
つまり「イ」の高線量率イリジウム等を使った腔内照射で、かつ子宮頸癌への照射でないと、この加算の候補にすらならないということですね。
あおい(元・医療事務)
その理解で合っていると思います。区分そのものが対象を絞っているので、まずは自院の密封小線源治療がどの区分に該当するかを確認することが出発点になります。
施設基準・実施医師の要件
みらい(新人医療事務)
施設基準はどんな内容なんですか?
あおい(元・医療事務)
医科点数表の条文では、「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が画像誘導密封小線源治療(IGBT)(2のイに係るものに限る。)を行った場合」に算定できるとされています。ポイントは2つです。
条文にある2つの要件
1点目は、施設基準に適合し地方厚生局長等に届け出た保険医療機関であること。2点目は、放射線治療を専ら担当する常勤の医師が実施していることです。どちらか一方だけでは、算定候補にはならない可能性があります。
みらい(新人医療事務)
「専ら担当する常勤の医師」というのは、放射線治療以外の診療もしている医師だとダメということですか?
あおい(元・医療事務)
条文の文言をそのまま読むと「放射線治療を専ら担当する常勤の医師」とされているので、放射線治療を専門的に担当している常勤医師である必要があると考えられます。ただ、この点の運用上の細かい判断は自院の届出内容や地方厚生局への確認が必要な部分ですので、断定はできません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の中で「その他の技術者」って言葉を見たんですが、これは何を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
これは疑義解釈で確認されている内容です。画像誘導密封小線源治療加算を含む複数の放射線治療関連加算の施設基準に掲げる「その他の技術者」について、疑義解釈資料では「医学物理士等を指す」と回答されています。つまり、施設基準の人員体制を考えるときは、医学物理士等の配置状況も確認材料になるということですね。
みらい(新人医療事務)
医学物理士って、放射線治療専任加算とかにも出てくる人員だった気がします。兼任とかってできるんですか?
あおい(元・医療事務)
この点も疑義解釈で触れられています。粒子線治療医学管理加算の施設基準に定める医学物理士については、外来放射線照射診療料・放射線治療専任加算・画像誘導密封小線源治療加算などに係る常勤の診療放射線技師と兼任することはできないと回答されています。人員配置を考えるときは、医学物理士と診療放射線技師を同一人物として重複カウントできない、という点に注意が必要です。
施設基準の詳細は原文確認が必要
施設基準の具体的な人員数・設備要件などの詳細条文は、告示・施設基準通知の原文で確認する必要があります。当サイトが収録している範囲の条文・疑義解釈だけで、自院の届出可否を判断しないでください。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準はわかりました。じゃあ届出ってどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
この加算は「地方厚生局長等に届け出た保険医療機関」であることが算定の前提です。届出をしていなければ、施設基準を満たしていても算定候補にはなりません。すでに密封小線源治療の届出をしている医療機関でも、画像誘導密封小線源治療加算の届出が別途必要かどうかは、自院の届出書控えを確認するのが確実です。
みらい(新人医療事務)
もし届出がまだだったら、すぐ算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。届出済みであれば算定候補になりますが、未届出の場合はまず地方厚生局への届出手続きから確認する必要があります。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定できる回数にも制限があるんでしたよね?
あおい(元・医療事務)
はい。条文では「一連につき1回に限り算定する」とされています。密封小線源治療自体が「疾病、部位又は部位数にかかわらず、一連につき算定する」という扱いなので、この加算も同じ一連の治療の中で1回だけの算定になります。
算定回数と対象疾患の重複確認
画像誘導密封小線源治療加算は「一連につき1回限り」、かつ「子宮頸癌に対する照射」「アプリケーター挿入状態でのCT又はMRI画像所見を用いた治療計画」という要件を同時に満たす必要があります。どれか1つでも欠けると、算定候補にならない可能性があります。
みらい(新人医療事務)
実施の記録として、何か残しておいた方がいいものはありますか?
あおい(元・医療事務)
条文では、留意事項通知に「日本放射線腫瘍学会が作成した最新の『密封小線源治療の診療・物理QAガイドライン』を遵守して実施した場合に限り算定できる」とも定められています。ガイドラインを遵守して実施したことが分かるよう、治療計画やCT・MRI画像所見の記録を残しておくことが重要と考えられます。
みらい(新人医療事務)
密封小線源治療病室で治療する場合、他の加算と一緒に算定できたりするんですか?
あおい(元・医療事務)
入院で密封小線源による治療を行う病室については、別の区分になりますが「放射線治療病室管理加算」という加算があります。これは施設基準に適合し届け出た病室で、密封小線源による治療が行われた入院患者について算定できるとされているものです。画像誘導密封小線源治療加算とは別の区分番号(A225)の加算なので、算定の可否はそれぞれの要件を個別に確認する必要があります。関連する内容として、放射線治療病室管理加算や外来放射線治療加算のページも合わせてご確認ください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、今回の改定で何か変わったところってあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集している一次資料(令和8年度点数表・留意事項通知・疑義解釈)の範囲では、画像誘導密封小線源治療加算の点数(1,200点)や、子宮頸癌への照射に限るという算定要件に変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月)。この加算自体は以前の改定時点から存在しており、疑義解釈資料でも継続して同じ枠組みで扱われています。
改定差分の確認範囲
前回改定(令和6年度)からの変更の有無について、当サイトが保有する一次資料の範囲では新設・点数変更・施設基準変更のいずれも確認されていません。ただし、これは当サイトが収集した資料の範囲での確認結果であり、自院での正式な確認には、最新の告示・留意事項通知の原文をあわせてご参照ください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちの病院がこの加算の候補になるか、どういう順番で確認したらいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認してみるといいと思います。
自院で確認する順番
- 密封小線源治療の対象患者が子宮頸癌かどうかを確認する
- 腔内照射のうち、高線量率イリジウム照射又は新型コバルト小線源治療装置を用いた場合(区分2のイ)に該当するかを確認する
- 治療用アプリケーターを挿入した状態のCT又はMRI画像所見を用いて治療計画を行っているかを確認する
- 画像誘導密封小線源治療加算の施設基準に適合し、地方厚生局長等への届出が済んでいるかを確認する
- 放射線治療を専ら担当する常勤の医師が実施しているかを確認する
- 日本放射線腫瘍学会の「密封小線源治療の診療・物理QAガイドライン」を遵守した実施記録が残っているかを確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としがちなポイントってありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
見落としやすいポイント
密封小線源治療を子宮頸癌以外の疾患(前立腺癌や皮膚癌など)に実施しているケースでは、この加算の対象にならない可能性があるのに、他の密封小線源治療の加算と混同して算定候補と誤解してしまうことがあります。また、腔内照射の「その他の場合(ロ・5,000点)」で実施している場合も、画像誘導密封小線源治療加算の対象区分(イ)には該当しません。
施設基準の届出漏れ
密封小線源治療自体の届出は済んでいても、画像誘導密封小線源治療加算に必要な施設基準の届出が別途必要かどうかを見落とすケースが考えられます。届出書の記載範囲を改めて確認することをおすすめします。

よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みなさんが疑問に思いそうなことをいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に答えますね。
みらい(新人医療事務)
子宮頸癌以外の疾患で密封小線源治療をしている場合、この加算はまったく算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の文言では「子宮頸癌に対して照射した場合に限り」算定するとされているため、それ以外の疾患では対象外の可能性が高いと考えられます。ただ、個別の治療内容によって判断が分かれる余地もあるため、迷う場合は自院の届出内容や審査支払機関に確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
一連の治療の中で複数回照射しても、加算は1回しか算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
条文上は「一連につき1回に限り算定する」とされているため、同一の一連の治療の中で複数回照射があっても、加算としては1回のみの算定になると考えられます。
みらい(新人医療事務)
常勤ではなく非常勤の放射線治療医が実施した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
条文には「放射線治療を専ら担当する常勤の医師が」実施した場合という要件があるため、非常勤の医師が実施した場合は要確認事項になります。断定はできませんが、この文言を踏まえると、自院の医師の勤務形態を確認しておく必要があります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。