みらい(新人医療事務)
「歯科医師連携加算」っていう名前を初めて見たんですけど、これは何のための加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の区分番号A233-2「栄養サポートチーム加算」の注3に定められている加算ですね。栄養サポートチームに歯科医師が参加して、保険医等と共同で必要な診療を行った場合に、所定点数へ更に上乗せできる加算です。単独では存在せず、栄養サポートチーム加算とセットで理解する必要がありますよ。
歯科医師連携加算とはどんな加算か
みらい(新人医療事務)
「上乗せ」ということは、単独では算定候補にならないんですね?
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。厚生労働省の告示(令和8年厚生労働省告示第69号)区分A233-2の注3には、次のように定められています。
歯科医師連携加算の根拠条文(告示・原文)
「3 注1の場合において、歯科医師が、注1の必要な診療を保険医等と共同して行った場合は、歯科医師連携加算として、50点を更に所定点数に加算する。」
みらい(新人医療事務)
「注1の場合において」というのがポイントなんですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そこが一番の確認ポイントです。栄養サポートチーム加算には、通常区分(注1・200点)と特定地域区分(注2・100点)の2種類がありますが、歯科医師連携加算が上乗せできると条文で明記されているのは「注1の場合」だけです。特定地域区分(注2)で算定している場合に歯科医師連携加算が候補になるかどうかは、この条文の範囲では確認できておらず、対象外の可能性があります。自院がどちらの区分で栄養サポートチーム加算を算定しているか、まず確認することが大切です。
対象医療機関・対象患者・対象場面
みらい(新人医療事務)
うちのクリニックでも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。歯科医師連携加算は栄養サポートチーム加算(A233-2)の上乗せ加算であり、栄養サポートチーム加算自体が入院基本料等加算に位置づけられています。対象は病院の入院患者さんで、外来・在宅では算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
病院であればどこでも対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、まず土台となる栄養サポートチーム加算(注1・200点の通常区分)を算定していることが前提です。そのうえで、栄養サポートチームに歯科医師が参加し、保険医等と共同して必要な診療を行った場合に、歯科医師連携加算の算定候補になります。歯科医師の関与がなければ、栄養サポートチーム加算だけを算定することになります。
歯科医師は院内・院外どちらでも良いのか
厚生労働省の留意事項通知に基づく当サイトの整理では、「栄養サポートチームに参加する歯科医師は、院外の歯科医師であっても差し支えないが、当該チームの構成員として継続的に診療に従事していることが必要である」とされています。院外の歯科医師でも候補になり得ますが、単発の診療では「継続的」の要件を満たすか確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
「継続的」ってどのくらいの頻度なんですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示・通知の本文には具体的な頻度の数字までは書かれていません。参考として、平成28年度(2016年度)に出された疑義解釈では、「栄養サポートチームの構成員として、1回/2週以上の頻度で診療に携わっていることが必要」という回答が示されたことがあります。ただしこれは平成28年度時点の疑義解釈であり、令和8年度の現行運用でも同じ考え方が維持されているかは、最新の疑義解釈や地方厚生局への確認が必要です。
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はどう整理すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示に基づくと、次のように整理できます。
| 区分 | 点数 | 算定候補になる条件 |
|---|---|---|
| 栄養サポートチーム加算(通常・注1) | 200点 | 施設基準に適合し届出済みの病院で、対象患者に多職種が共同して必要な診療を行った場合 |
| 栄養サポートチーム加算(特定地域・注2) | 100点 | 注1の届出の有無にかかわらず、特定地域向けの施設基準に適合し届出済みの場合 |
| 歯科医師連携加算(注3・本加算) | 50点(注1の点数に更に加算) | 注1の場合において、歯科医師が保険医等と共同して必要な診療を行った場合 |
みらい(新人医療事務)
50点は、栄養サポートチーム加算の200点に上乗せされるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。歯科医師連携加算だけを単独で算定することはできません。必ず栄養サポートチーム加算(注1・200点)とセットで、条件を満たした場合に上乗せされる点数として理解してください。

施設基準の確認
みらい(新人医療事務)
歯科医師連携加算そのものに施設基準はあるんですか?
あおい(元・医療事務)
厚生労働省の施設基準告示(令和8年厚生労働省告示第70号)「二十八 栄養サポートチーム加算の施設基準等」を確認した範囲では、歯科医師連携加算だけを対象にした個別の施設基準項目は見当たりません。施設基準として明記されているのは、あくまで土台となる栄養サポートチーム加算そのものについてです。
栄養サポートチーム加算(注1)の施設基準(告示・原文ベース)
イ 栄養管理に係る診療を行うにつき十分な体制が整備されていること。 ロ 当該加算の対象患者について栄養治療実施計画を作成するとともに、当該患者に対して当該計画が文書により交付され、説明がなされるものであること。 ハ 当該患者の栄養管理に係る診療の終了時に栄養治療実施報告書を作成するとともに、当該患者に対して当該報告書が文書により交付され、説明がなされるものであること。
みらい(新人医療事務)
つまり、歯科医師連携加算のために追加で届け出る施設基準は無いということですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した告示の範囲ではそう整理できます。ただし、歯科医師が栄養サポートチームの構成員として継続的に診療に従事しているという実態の記録・体制は必要になります。「施設基準として明文化されていないから体制を整えなくてよい」という意味ではない点に注意してください。
届出の要否
みらい(新人医療事務)
歯科医師連携加算は届出が必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、歯科医師連携加算そのものについて単独の届出は求められていません。ただし、前提となる栄養サポートチーム加算(注1)の施設基準の届出が地方厚生局長等に済んでいることが必要です。土台の届出が済んでいない場合、歯科医師連携加算も算定候補になりません。
届出の確認は栄養サポートチーム加算側で行う
歯科医師連携加算単独の届出様式は確認されていません。自院が栄養サポートチーム加算(注1・通常区分)の届出を済ませているかどうかを、まず確認してください。特定地域区分(注2)のみの届出では、条文上「注1の場合」に該当しない可能性があります。
算定タイミング・回数制限・併算定の注意
みらい(新人医療事務)
算定できるタイミングや回数はどうなっていますか?
あおい(元・医療事務)
歯科医師連携加算は栄養サポートチーム加算(注1)に上乗せする加算なので、算定タイミング・回数の考え方も注1と同じ枠組みになります。原則は週1回ですが、入院基本料の種類によって頻度が変わります。
算定頻度は栄養サポートチーム加算(注1)と共通
療養病棟入院基本料・結核病棟入院基本料・精神病棟入院基本料・特定機能病院入院基本料(結核病棟又は精神病棟に限る)を算定している患者については、入院した日から起算して1月以内は週1回、1月を超え6月以内は月1回に限られます。障害者施設等入院基本料を算定している患者については月1回に限られます。この頻度の枠内で、歯科医師が共同で必要な診療を行った回について、歯科医師連携加算の上乗せを検討することになります。
みらい(新人医療事務)
併算定できない項目はありますか?
あおい(元・医療事務)
歯科医師連携加算そのものへの個別の併算定制限は、当サイトが確認した告示の範囲では見当たりません。ただし、土台となる栄養サポートチーム加算(注1)を算定する場合、入院栄養食事指導料(区分番号B001の10)、集団栄養食事指導料(区分番号B001の11)、乳幼児育児栄養指導料(区分番号B001-2-3)は別に算定できないとされています。歯科医師連携加算はこの栄養サポートチーム加算に上乗せする形なので、同じ併算定制限を踏まえてレセプトを確認する必要があります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から歯科医師連携加算に変化はあったんですか?
あおい(元・医療事務)
今回、当サイトが確認できたのは令和8年度(2026年度)の告示(区分A233-2 注3)と施設基準告示(二十八)の範囲までです。この一次資料には新旧対照の記載がなく、前回改定(令和6年度)との比較文書は今回のファクトチェックでは参照できていません。そのため、当サイトが確認した令和8年度の告示の範囲では、前回改定(令和6年度)からの点数・算定要件の変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚生労働省の令和8年度告示ベース)。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と断定しているわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。新旧対照表や個別改定項目の資料まで確認できれば、より確度の高い比較ができます。現時点では「今回確認した資料の範囲では変更点は見当たらない」という整理にとどめています。
令和6年度と令和8年度の混同に注意
本記事の点数・算定要件は、すべて令和8年度(2026年度)の告示に基づいています。過去の資料を参照する際は、年度表記が令和8年度のものかどうか必ず確認してください。なお、歯科医師の「継続的な診療従事」に関する平成28年度の疑義解釈は、あくまで参考情報として扱ってください。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、うちではどの順番で確認すればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認していくとわかりやすいです。
自院で確認する順番
- 栄養サポートチーム加算(注1・200点の通常区分)の施設基準に適合し、地方厚生局長等への届出が済んでいるかを確認する
- 自院が特定地域区分(注2・100点)のみで届け出ている場合は、歯科医師連携加算が対象外の可能性がある点を確認する
- 栄養サポートチームに歯科医師が参加し、継続的に診療に従事している実態があるかを確認する
- 歯科医師が保険医等と共同して必要な診療を行った記録が残っているかを確認する
- 週1回(または該当する入院基本料の例外頻度)の算定タイミングで、歯科医師連携加算50点の上乗せをレセプトに反映できているかを確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でありがちな見落としはありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつかあります。
よくある取り漏れ
栄養サポートチーム加算を特定地域区分(注2・100点)で算定しているのに、歯科医師連携加算まで一律に上乗せしてしまうケース。歯科医師が単発で診療しただけで「継続的に従事している」と扱ってしまい、実態の記録が不足しているケース。院外の歯科医師が関与しているのに、栄養サポートチームの構成員としての位置づけが院内の記録に明記されていないケースなどが挙げられます。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが疑問に思いそうなことを聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
もちろんです。順番に確認しましょう。
みらい(新人医療事務)
歯科医師連携加算だけを単独で算定候補にできますか?
あおい(元・医療事務)
いいえ。歯科医師連携加算は栄養サポートチーム加算(注1・200点)に上乗せする加算であり、単独では算定候補になりません。
みらい(新人医療事務)
特定地域区分(注2・100点)で栄養サポートチーム加算を算定している場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
告示の条文は「注1の場合において」と定めており、この記事で確認できた範囲では特定地域区分(注2)に歯科医師連携加算を上乗せできるかどうかは確認できておらず、対象外の可能性があります。自院の届出区分と合わせて確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
院外の歯科医師でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
院外の歯科医師でも差し支えないとされていますが、栄養サポートチームの構成員として継続的に診療に従事していることが必要です。単発の関与だけでは要件を満たさない可能性があります。
みらい(新人医療事務)
歯科医師連携加算に個別の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認した範囲では、歯科医師連携加算単独の届出は求められていません。ただし前提となる栄養サポートチーム加算(注1)の届出が済んでいることが必要です。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
今日の話の元になっている資料も教えてください。
あおい(元・医療事務)
主に次の資料です。
今回参照した公式資料(令和8年度)
厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)」区分A233-2 栄養サポートチーム加算(歯科医師連携加算を含む注3)。厚生労働省「基本診療料の施設基準等の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第70号)」二十八 栄養サポートチーム加算の施設基準等。いずれも令和8年度(2026年度)の一次資料です。歯科医師の継続的な関与の考え方については、平成28年度に発出された疑義解釈(医科 問56)も参考情報として確認しています。
あおい(元・医療事務)
栄養サポートチーム加算そのものの詳しい算定条件は、栄養サポートチーム加算 の記事もあわせてご確認ください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。栄養サポートチーム加算の届出区分や歯科医師の関与状況を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。