緩和ケア疼痛評価加算とは
みらい(新人医療事務)
「緩和ケア疼痛評価加算」って名前を初めて見たんですけど、これってどういう加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
緩和ケア病棟に入院している患者さんのうち、疼痛(痛み)がある方に対して、痛みの評価やそれに基づく療養上必要な指導を行った場合に、1日につき100点を所定点数に加算できる項目です。区分でいうと「A310 緩和ケア病棟入院料」の注4に規定されている加算です。
みらい(新人医療事務)
緩和ケア病棟入院料の「注」ということは、単独では算定できないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。緩和ケア病棟入院料を算定している患者さんが前提で、そのうち疼痛のある方に評価・指導を行った日に上乗せする加算という位置づけです。令和8年度の告示でも同じ内容が規定されています。まずは自院が緩和ケア病棟入院料の届出病棟を持っているかどうかが出発点になります。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな医療機関、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象になりうるのは、緩和ケア病棟入院料の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た病棟を持つ病院です。診療所や外来、在宅は対象外の可能性が高いです。この加算は入院料の「注」であり、緩和ケア病棟という特定の病棟形態が前提になっているためです。
みらい(新人医療事務)
患者さんの条件も教えてください。
あおい(元・医療事務)
対象になりうるのは、その届出病棟に現に入院している患者さんのうち、疼痛を有する方です。告示の本体(A310 緩和ケア病棟入院料)では、算定対象を「悪性腫瘍の患者、後天性免疫不全症候群の患者及び終末期の末期腎不全の患者」としており、緩和ケア疼痛評価加算もこの入院料を算定している患者さんが前提になります。疼痛が無い日や、そもそも評価・指導を実施していない日は対象外の可能性があるので、実施記録の有無を必ず確認してください。
対象になりうる医療機関・場面
病棟の種類: 緩和ケア病棟入院料の届出病棟(一般病棟や在宅は対象外の可能性) 患者の状態: 緩和ケア病棟入院料を算定している患者のうち疼痛を有する方 行為の内容: 疼痛の評価その他の療養上必要な指導を実施した日
点数(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数はいくらなんですか?
あおい(元・医療事務)
1日につき100点です。令和8年度の告示でも変わらず、次のように規定されています。
| 加算名 | 点数 | 算定単位 | 年度 |
|---|---|---|---|
| 緩和ケア疼痛評価加算 | 100点 | 1日につき | 令和8年度 |
あおい(元・医療事務)
告示の条文では「当該病棟に入院している疼痛を有する患者に対して、疼痛の評価その他の療養上必要な指導を行った場合は、緩和ケア疼痛評価加算として、1日につき100点を所定点数に加算する」とされています。この「行った場合」という書き方がポイントで、毎日自動的に算定できるわけではなく、実施した日に限られると読める規定です。

みらい(新人医療事務)
実施した日だけっていうのは、公式にもそう説明されているんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。令和4年度に出された疑義解釈でも、「疼痛を有する入院中の患者に対して、疼痛の評価その他の療養上必要な指導等を実施した日に限り算定できるのか」という質問に対して「そのとおり」と回答されています。この考え方自体は条文の文言(「行った場合」)とも整合していますが、あくまで令和4年度時点の疑義解釈である点は押さえておいてください。最新の取り扱いは自院で確認が必要です。
算定要件・記録の確認ポイント
みらい(新人医療事務)
算定するときに、具体的に何をすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では、「『注4』に規定する緩和ケア疼痛評価加算を算定する場合には、緩和ケアに関するガイドラインを参考として、疼痛の評価その他の療養上必要な指導等を実施すること」とされています。つまり、自己流の評価ではなく、緩和ケアに関するガイドラインを参考にした評価・指導であることが前提になります。
みらい(新人医療事務)
記録はどうすればいいんですか?
あおい(元・医療事務)
これも令和4年度の疑義解釈で扱われていて、「疼痛の評価を実施した結果について患者又はその家族等に説明し、その内容を診療録等に記載すること」とされています。評価しただけで終わらせず、①患者本人またはご家族への説明、②診療録等への記載、この2点がセットで必要と読める内容です。
算定要件の確認ポイント(3値で確認)
実施日の限定: 疼痛の評価・指導を実施した日のみが算定候補。未実施の日は対象外の可能性 ガイドライン参照: 緩和ケアに関するガイドラインを参考にした評価・指導かどうかは要確認 説明・記録: 患者・家族への説明と診療録等への記載が行われているかは要確認
施設基準・届出
みらい(新人医療事務)
施設基準や届出は必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
緩和ケア疼痛評価加算そのものについて、独自の届出や施設基準は当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。この加算は緩和ケア病棟入院料(A310)の「注」として規定されているため、緩和ケア病棟入院料自体の施設基準の届出が前提になっている、という位置づけです。
みらい(新人医療事務)
じゃあ緩和ケア病棟入院料の届出さえあれば、自動的に算定候補になるということですか?
あおい(元・医療事務)
そこは切り分けて考えてください。緩和ケア病棟入院料の届出は「入り口の条件」であって、そのうえで実際に疼痛のある患者さんに評価・指導を行った日でなければ、この加算自体は算定候補になりません。届出の有無と、日々の実施記録の有無、両方の確認が必要です。
併算定・注意点
みらい(新人医療事務)
ほかの加算と一緒に算定するときの注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
緩和ケア疼痛評価加算そのものに特有の併算定除外の規定は、当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。ただし、緩和ケア病棟入院料自体には、入院中に使用する薬剤料など一部の費用が入院料に含まれるという規定があります。緩和ケア疼痛評価加算と個別の診療行為との関係で不明な点があれば、最新の告示・留意事項通知、または審査支払機関に確認することをおすすめします。
併算定は資料の範囲で判断してください
資料に明記のない併算定の可否を、こちらで「できます」「できません」と断定することはできません。個別のケースは自院の届出状況と最新の公式資料、審査支払機関でご確認ください。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料(令和8年度の告示・留意事項通知)の範囲では、緩和ケア疼痛評価加算の点数(1日につき100点)や算定要件について、前回改定からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。令和4年度の疑義解釈で示されている「実施した日に限り算定できる」という考え方も、条文の文言(「行った場合」)と矛盾しない内容です。
時系列で見る緩和ケア疼痛評価加算
令和4年度: 疑義解釈で「実施した日に限り算定できる」「評価結果の説明・診療録記載が必要」と整理 令和8年度: 告示・留意事項通知の内容に変更は確認されていません(当サイト収録資料の範囲)
緩和ケア病棟が無い場合は?
みらい(新人医療事務)
うちには緩和ケア病棟が無いんですが、緩和ケアに関する加算は他にもあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。緩和ケア病棟入院料とは別の区分として、緩和ケア診療加算という加算があります。こちらは緩和ケア病棟ではなく、一般病棟等に入院している患者さんのうち、緩和ケアを要する方に必要な診療を行った場合の加算で、1日につき390点です。告示では「当該患者(第1節の入院基本料(特別入院基本料等を除く。)又は第3節の特定入院料のうち、緩和ケア診療加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)」と対象患者が定められています。
みらい(新人医療事務)
つまり、緩和ケア疼痛評価加算と緩和ケア診療加算は、対象になる病棟・患者が違う別の区分ということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。両者を同じもの、あるいは自由に組み合わせられるものと考えるのは避けてください。緩和ケア病棟に入院している患者さんについては緩和ケア疼痛評価加算、それ以外の病棟で緩和ケアを要する患者さんについては緩和ケア診療加算、という形で対象区分そのものが異なります。どちらが算定候補になるかは、患者さんが入院している病棟の種類と、自院の届出状況によって変わってきます。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で確認するときは、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次の順番で確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
1. 緩和ケア病棟入院料の届出を確認する: 自院が緩和ケア病棟入院料の施設基準に適合し、届け出た病棟を持っているか 2. 患者の状態を確認する: その病棟に入院している患者さんが、疼痛を有する状態かどうか 3. 実施日を確認する: 疼痛の評価その他の療養上必要な指導を、その日に実施したかどうか 4. 記録を確認する: 評価結果を患者・家族へ説明し、その内容を診療録等に記載したかどうか

みらい(新人医療事務)
この4つが揃っていれば、算定候補になりそうですね。
あおい(元・医療事務)
揃っていれば算定候補になる可能性は高いです。ただし最終的な判断は自院の届出状況・診療内容・審査支払機関の確認が必要になりますので、「候補」として扱ってください。
よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある取り漏れって、どんなパターンがありますか?
あおい(元・医療事務)
いくつか典型的なパターンがあります。
よくある取り漏れ
未実施日の算定漏れ・過剰算定: 実施した日に限られる加算のため、実施していない日まで算定してしまう、逆に実施した日を算定し忘れる、どちらのケースも起こりえます 記録の不備: 評価は行ったが、患者・家族への説明や診療録への記載が漏れていて、後から確認できない 病棟区分の混同: 一般病棟に入院している緩和ケアを要する患者さんに、緩和ケア病棟入院料の注4である緩和ケア疼痛評価加算を誤って当てはめてしまう
みらい(新人医療事務)
記録が無いと、後から算定していたことの説明が難しくなりそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。評価した日ごとに、患者・家族への説明の有無と診療録記載の有無を確認できる体制にしておくと、後からの確認がしやすくなります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後にいくつか質問してもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。
みらい(新人医療事務)
緩和ケア疼痛評価加算は毎日自動的に算定できますか?
あおい(元・医療事務)
資料の範囲では、疼痛の評価その他の療養上必要な指導を実施した日に限り算定できると読める規定になっています。毎日自動的に算定できるものではなく、実施の事実と記録が前提になる、確認が必要な加算です。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は緩和ケア病棟入院料の注4に規定されており、対象は緩和ケア病棟という病棟形態を持つ病院が中心です。診療所は対象外の可能性が高いですが、自院の病棟区分・届出状況で確認してください。
みらい(新人医療事務)
緩和ケア病棟入院料の届出をしていれば、この加算も自動的に届け出たことになりますか?
あおい(元・医療事務)
独自の届出は当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。緩和ケア病棟入院料の届出が前提となる位置づけですが、算定するかどうかは日々の実施・記録の有無で判断される加算です。
公式資料の根拠
みらい(新人医療事務)
今日教えてもらった内容は、どこで確認できますか?
あおい(元・医療事務)
主に次の一次資料に基づいています。
参考にした一次資料(令和8年度)
告示: 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)」医科点数表 A310 緩和ケア病棟入院料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf 疑義解釈(令和4年度): 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」医科 問124・問125 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/newpage_21053.html 改定情報: 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。