みらい(新人医療事務)
小児科病棟がある病院さんから「うちは小児入院医療管理料の何号が取れますか?」と聞かれたんですけど、区分がいくつもあって混乱してしまいました。
あおい(元・医療事務)
小児入院医療管理料は区分A307で、1から5まで5つの区分があるんです。区分ごとに点数も施設基準もかなり違うので、混乱するのは無理もないですよ。今日は令和8年度の内容で、区分の考え方と施設基準・届出のポイントを一緒に整理していきましょう。
みらい(新人医療事務)
お願いします!まず、そもそもどんな患者さんが対象になるんですか?
小児入院医療管理料とは
あおい(元・医療事務)
対象は、届出をした保険医療機関に入院している15歳未満の患者です。児童福祉法上の小児慢性特定疾病医療支援の対象になっている場合は、20歳未満まで対象が広がります。
みらい(新人医療事務)
15歳以上でも対象になることがあるんですね。何か注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
はい、対象年齢に加えて「他の特定入院料を算定できる場合は、小児入院医療管理料は算定しない」という除外の規定があります。つまり、対象患者であっても他の特定入院料(例えば新生児特定集中治療室管理料など)の算定要件に該当する場合は、そちらが優先されるということですね。
対象患者・除外規定の確認ポイント
- 年齢要件: 原則15歳未満。児童福祉法上の小児慢性特定疾病医療支援の対象であれば20歳未満まで
- 病棟要件: 小児科を標榜する保険医療機関の病棟(療養病棟を除く)
- 除外規定: 他の特定入院料を算定できる場合は、小児入院医療管理料を算定しない
- 算定単位: 1日につき
みらい(新人医療事務)
病棟にも条件があるんですね。診療所でも算定できますか?
あおい(元・医療事務)
小児入院医療管理料は特定入院料に位置づけられている点数で、この記事のもとになっている当サイトの分類でも「病院向け」として扱っています。届出の前提となる一般病棟入院基本料等の届出も病院を想定した規定になっているため、有床診療所での算定を検討している場合は、まず自院の入院基本料の区分から公式資料で確認することをおすすめします。
点数区分(1〜5)と基本点数
みらい(新人医療事務)
区分ごとの点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示ベースで、1日につき以下のとおりです。
| 区分 | 点数(1日につき・令和8年度) |
|---|---|
| 小児入院医療管理料1 | 5,216点 |
| 小児入院医療管理料2 | 4,486点 |
| 小児入院医療管理料3 | 4,022点 |
| 小児入院医療管理料4 | 3,361点 |
| 小児入院医療管理料5 | 2,357点 |
みらい(新人医療事務)
1が一番点数が高いんですね。何が違うんですか?
あおい(元・医療事務)
区分が上がるほど、手術件数や小児の緊急入院受け入れ実績、集中治療室の届出といった、より高度で受け入れ体制が手厚い施設基準が求められる構造になっています。逆に5は、精神病棟における小児の入院医療に関連する区分として整理されていて、1〜4とは性質が異なります。実際、告示の注1では「小児入院医療管理料1、2、3又は4と小児入院医療管理料5の双方を算定することはできない」とされていて、5は1〜4とは別建ての区分という位置づけです。

施設基準(区分ごとの主な要件)
みらい(新人医療事務)
施設基準はどこから確認すればいいですか?区分ごとに全部違うんですよね?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。まず共通の前提として、小児入院医療管理料における「小児科の常勤の医師」とは、小児科または小児外科を専任する常勤の医師を指します。非常勤医師を組み合わせて常勤換算する仕組みもありますが、小児入院医療管理料1を算定する病棟では、常勤換算で算入できるのは常勤医師のうち10名までという上限があります。
みらい(新人医療事務)
1〜4に共通する要件もあるんですか?
あおい(元・医療事務)
はい。1〜4は一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る)または専門病院入院基本料の届出を行っている保険医療機関であることが前提です。さらに、看護職員による複数夜勤体制がとられていることも共通の要件です。そのうえで、区分ごとに次のような固有の要件が加わります。
区分ごとの主な固有要件(令和8年度・確認された範囲)
- 区分1: 新生児及び6歳未満の乳幼児の入院を伴う手術件数が年間200件以上/特定集中治療室管理料・小児特定集中治療室管理料・新生児特定集中治療室管理料・新生児集中治療室管理料のいずれかの届出/年間の小児緊急入院患者数が800件以上
- 区分2: 入院を要する小児救急医療の提供を24時間365日行っていること
- 区分3: 平均入院患者数が概ね30名程度以下の小規模病棟の場合、一般病棟(7対1相当)との混合病棟として1看護単位にまとめる特例あり
- 区分4・5: 区分1〜3ほどの詳細な数値要件はこの記事の裏取り範囲では確認できていません。届出時は自院が該当する区分の要件を必ず公式資料の該当箇所でご確認ください
みらい(新人医療事務)
区分3の小規模病棟の特例、初めて聞きました。
あおい(元・医療事務)
そうですね。小規模な小児病棟を単独で運営するのが難しい病院向けに、一般病棟と混合で1つの看護単位として扱えるようにする特例です。ただし、人員配置に関する規定の適用方法や、病棟としての取り扱いの区別など細かい留意点があるので、該当しそうな場合は施設基準通知の原文を必ず確認してください。
施設基準は思い込みで判断しない
「うちは小児科病棟があるから区分1が取れるはず」といった思い込みは禁物です。手術件数・緊急入院患者数・集中治療室の届出状況など、区分ごとに定量的な要件が定められています。自院の実績データを集計したうえで、該当する区分を確認してください。
注2〜注10の加算(保育士加算・重症児受入体制加算 等)
みらい(新人医療事務)
本体の点数以外にも、加算がいろいろあるんですよね?
あおい(元・医療事務)
はい。小児入院医療管理料には、注2から注10まで複数の加算が設けられています。代表的なものを整理しますね。
| 加算(告示上の注番号) | 点数(令和8年度) | 対象・限度 |
|---|---|---|
| 保育士加算(注2・保育士1名) | 100点/日 | 届出病棟 |
| 保育士加算(注2・保育士2名以上) | 180点/日 | 届出病棟 |
| 人工呼吸器使用加算(注3) | 600点/日 | 人工呼吸器使用患者 |
| 重症児受入体制加算1(注4) | 200点/日 | 区分3・4・5の届出病棟 |
| 重症児受入体制加算2(注4) | 280点/日 | 区分3・4・5の届出病棟 |
| 無菌治療管理加算1(注5) | 2,000点/日 | 造血幹細胞移植後の無菌治療室管理、90日限度 |
| 無菌治療管理加算2(注5) | 1,500点/日 | 同上、90日限度 |
| 退院時薬剤情報管理指導連携加算(注6) | 150点 | 退院日に1回限り |
| 養育支援体制加算(注7) | 300点 | 入院初日に限り |
| 時間外受入体制強化加算1(注8) | 300点 | 区分1・2の算定患者、入院初日限り |
| 時間外受入体制強化加算2(注8) | 180点 | 区分1・2の算定患者、入院初日限り |
| 看護補助加算(注9) | 151点 | 区分1・2・3の算定患者、14日限度 |
| 看護補助体制充実加算(注10) | 156点 | 区分1・2・3の算定患者、14日限度 |
みらい(新人医療事務)
加算ごとに対象になる区分が決まっているんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。例えば重症児受入体制加算は区分3・4・5を届け出た病院だけが対象ですし、時間外受入体制強化加算は区分1・2を算定している患者だけが対象です。加算の名前だけを見て「うちも取れそう」と判断するのではなく、まず本体の区分が何かを確認してから、対応する加算を探す順番が確実です。
みらい(新人医療事務)
保育士加算や養育支援体制加算は、具体的にどんな体制が必要なんですか?
あおい(元・医療事務)
保育士加算は、小児入院患者を専ら対象とする常勤の保育士を1名以上(2名以上の区分ではさらに手厚く)配置し、内法で30平方メートルのプレイルームを備えていることが施設基準です。養育支援体制加算は、虐待等不適切な養育が疑われる小児患者を支援するチームの設置が要件で、小児医療の経験を持つ専任の常勤医師、専任の常勤看護師、専任の常勤社会福祉士で構成される体制が必要とされています。重症児受入体制加算も、他院からの新生児集中治療後の転院実績や、超重症児・準超重症児の受け入れ実績など、具体的な人数基準があります。
加算の取り漏れが起きやすいポイント
- 本体の区分が変わると対象になる加算・対象外になる加算が入れ替わる(区分変更時の見直し漏れに注意)
- 保育士加算・養育支援体制加算は人員配置の施設基準を満たしているのに未届出のケースがある
- 重症児受入体制加算は直近1年間の受け入れ実績(超重症児・準超重症児10名以上等)の集計が必要
届出の確認
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていそうなら、あとは届出をすればいいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
はい。ただし届出には決まった様式があります。小児入院医療管理料の施設基準に係る届出は、様式9・様式20・様式26の2・様式48から様式48の3までを用いることとされています。看護要員の職種が病棟の勤務実績表で確認できる場合は、様式20の記載を一部省略できる取り扱いもあります。
みらい(新人医療事務)
届出さえ出せば、その日からすぐ算定できますか?
あおい(元・医療事務)
そこは慎重にお願いしたいところです。施設基準の届出は、原則として届出前1か月の実績を有していることが前提とされています。つまり「これから体制を整える」段階では届出ができず、実際に人員配置や実績が整った状態で初めて届出の対象になります。届出が地方厚生局に受理されるまでのタイムラグも考慮して、余裕を持って準備を進めることをおすすめします。
自院で確認する順番
- 対象患者の年齢・病棟要件を確認 — 15歳未満(対象疾病がある場合は20歳未満)で、小児科を標榜する病棟(療養病棟を除く)に入院しているか
- 他の特定入院料との重複がないか確認 — 対象患者が他の特定入院料の算定要件に該当していないか
- 自院の実績を区分ごとの要件と照合 — 手術件数・緊急入院患者数・24時間365日体制など、区分1〜3で確認された固有要件との一致を確認
- 人員配置・常勤換算のルールを確認 — 小児科専任の常勤医師の考え方、非常勤医師の常勤換算方法
- 加算の対象区分を確認 — 保育士加算・重症児受入体制加算・養育支援体制加算等、算定したい加算が自院の区分で対象になるか
- 届出前1か月の実績を確認 — 施設基準の届出は原則届出前1か月の実績が前提となる
- 届出様式を準備 — 様式9・20・26の2・48〜48の3等、必要な様式を確認し地方厚生局へ届出

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の令和6年度改定から、何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
正直にお伝えすると、この記事の裏取りで確認できた一次資料の範囲では、小児入院医療管理料の点数・区分構成・注2〜注10の加算の枠組みについて、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026年7月)。区分ごとの数値要件(手術件数や受け入れ実績の基準値など)についても、今回参照した施設基準通知の記載を前提にご案内しています。
みらい(新人医療事務)
「変わっていない」と言い切っていいんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこは言い切りません。当サイトが収録している一次資料の範囲で確認できた内容をお伝えしているだけで、細かな数値基準や様式番号などが実際に見直されている可能性はあります。区分や要件に関わる判断をする際は、必ず最新の告示・通知の原文で改定の有無をご確認ください。
よくある取り漏れ
見落としやすいポイント
- 対象患者の年齢要件(15歳未満/小児慢性特定疾病対象者は20歳未満)の確認漏れ
- 対象患者が他の特定入院料の算定要件に該当する場合の重複算定
- 区分3の小規模病棟特例を使う場合の、人員配置・病棟区分の取り扱いの誤り
- 保育士加算・養育支援体制加算など、体制は整っているのに届出をしていない加算の見落とし
- 届出前1か月の実績が整う前に、体制構築中の段階で届出をしてしまうケース
みらい(新人医療事務)
どれも「気づいたら直せる」ことばかりですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。多くは自院の実績を区分ごとの要件と丁寧に照らし合わせることで防げます。逆に言えば、照らし合わせをしないまま算定を続けると、後から施設基準を満たしていなかったことが判明するリスクもあるので、定期的な自院チェックをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな質問も確認しておきたいです。「区分3から区分1に変更したい」という相談は多いんですか?
あおい(元・医療事務)
区分の変更自体は制度上想定されていますが、区分1は手術件数・集中治療室の届出・緊急入院患者数のいずれも高い水準の要件が課されているので、まずは自院の実績が本当にその水準に達しているかをデータで確認することが先です。区分を上げれば点数は上がりますが、要件を満たさないまま算定すると施設基準違反のリスクがあるため、慎重な確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
「小児入院医療管理料5」だけ精神病棟の話が出てきましたが、他の区分とは全然違うんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、区分5は精神病棟に関連する取り扱いがある区分で、区分1〜4とは性質が異なります。区分5を算定する病棟で算定要件に該当しない患者が入院した場合は、精神病棟入院基本料の考え方に基づいて算定するといった、他の区分にはない独自の規定もあります。区分5の届出を検討する場合は、区分1〜4以上に個別の確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
加算はまとめて全部届出したほうがいいですか?
あおい(元・医療事務)
気持ちはわかりますが、おすすめしません。加算ごとに対象になる区分や必要な人員体制が異なるため、実際に体制が整っていない加算まで届出をしてしまうと、後から施設基準を満たしていないことが判明するリスクがあります。まずは自院で体制が整っていると確認できた加算から、1つずつ丁寧に確認していくのが安全です。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な点数・施設基準・届出手続きは必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号・区分A307) https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 令和8年度診療報酬改定について(厚生労働省)— 留意事項通知(保医発0305第6号)・施設基準に関する届出の手続き通知(保医発0305第7号)はこちらのページから確認できます https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html
最終確認のお願い
この記事は令和8年度(2026年度)の診療報酬に基づいた解説です。最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。区分の選択や加算の算定に際しては、施設基準の充足状況と届出の有効性を必ず自院で確認してください。