在宅患者訪問褥瘡管理指導料とは?まず基本を教えてください
みらい(新人医療事務)
あおいさん、「在宅患者訪問褥瘡管理指導料」って名前が長くて、正直どんな加算なのかピンときていません。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の医科点数表では区分番号C013にあたる点数です。在宅で療養している患者さんのうち、褥瘡(床ずれ)の管理が特に難しく、重点的な対応が必要な方に対して、在宅褥瘡管理者を含む多職種のチームが共同で計画的な指導管理を行った場合に算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
普通の訪問診療や訪問看護とは別物なんですか?
あおい(元・医療事務)
はい、性質が異なります。留意事項通知では「褥瘡予防や管理が難しく重点的な褥瘡管理が必要な者に対し、褥瘡の改善等を目的として、共同して指導管理を行うことを評価したもの」と説明されています。単発の処置ではなく、カンファレンスを軸にした計画的なチーム対応を評価する仕組みです。
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関は限られているんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
施設基準に適合し、地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が対象です。届出をしていない医療機関は、この点数の算定候補にはなりません。まずは自院が届出をしているかどうかの確認が出発点になります。
点数・算定コードの確認(在宅患者訪問褥瘡管理指導料 点数)
みらい(新人医療事務)
具体的に何点になるのか教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、区分番号C013「在宅患者訪問褥瘡管理指導料」は750点です。ただし、この750点は1回の訪問ごとに何度でも算定できるものではなく、回数制限が組み込まれています。
| 区分 | 点数 | 算定単位・回数の枠 |
|---|---|---|
| C013 在宅患者訪問褥瘡管理指導料 | 750点 | 初回のカンファレンスから起算して6か月以内に限り、患者1人につき3回まで |

みらい(新人医療事務)
「6か月以内に3回まで」というのは、月1回訪問すれば自動的にカウントされるということですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこがこの点数の特徴です。750点はカンファレンスの実施に対して算定するものであり、月1回以上行う通常の指導管理そのものにこの750点が都度発生するわけではありません。カンファレンスの回数と、月1回以上の指導管理は別の話として整理する必要があります。
みらい(新人医療事務)
カンファレンスって、具体的にどのタイミングで行うものなんですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知によると、初回訪問時に多職種が患家に一堂に会して行う「初回カンファレンス」で在宅褥瘡診療計画を立案します。その後、初回訪問後3か月以内に「2回目のカンファレンス」で改善状況の評価等を行い、さらに継続して指導管理が必要と判断された場合に限り、初回カンファレンスの後4か月以上6か月以内の期間に「3回目のカンファレンス」で評価等を行うことができます。この初回・2回目・3回目の各カンファレンスの実施が、750点算定の起点になります。
みらい(新人医療事務)
一度算定したら、その後もずっと算定候補になるんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、そこも重要な制限です。留意事項通知には「当該指導料を算定した場合、初回訪問から1年以内は当該指導料を算定することはできない」と明記されています。同じ患者さんに対して短期間で繰り返し算定できる点数ではありません。
対象患者の確認(在宅患者訪問褥瘡管理指導料 算定要件)
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるのか、もう少し具体的に知りたいです。
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「重点的な褥瘡管理が必要な者」を、ベッド上安静であって、既にDESIGN-R2020による深さの評価がd2以上の褥瘡を有する者であって、かつ次のア〜オのいずれかを有する者、と定めています。
対象患者の要件(令和8年度・留意事項通知より)
- ベッド上安静であり、DESIGN-R2020による深さの評価がd2以上の褥瘡を有すること(前提条件)
- ア: 重度の末梢循環不全のもの
- イ: 麻薬等の鎮痛・鎮静剤の持続的な使用が必要であるもの
- ウ: 強度の下痢が続く状態であるもの
- エ: 極度の皮膚脆弱であるもの
- オ: 皮膚に密着させる医療関連機器の長期かつ持続的な使用が必要であるもの
みらい(新人医療事務)
この条件、けっこう細かいですね。カルテのどこかに毎回書いておく必要があるんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。留意事項通知では、算定にあたってカンファレンスの実施日、DESIGN-R2020による深さの評価、そして上記ア〜オのいずれに該当するかを診療報酬明細書の摘要欄に記載することとされています。対象患者の要件を満たしているかどうかを、記録として残しておく必要があります。
みらい(新人医療事務)
患者さん本人の同意は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
はい。留意事項通知の対象要件には「当該患者の同意を得て」と明記されています。また指導管理の内容を患者等に説明し、在宅褥瘡診療計画を診療録に添付することも求められています。同意取得と記録の両方が前提になります。
施設基準・チーム編成の確認(在宅患者訪問褥瘡管理指導料 施設基準)
みらい(新人医療事務)
施設基準の中身をもう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
大きな柱は、在宅褥瘡管理に係る専門的知識・技術を有する「在宅褥瘡管理者」を含む多職種からなる「在宅褥瘡対策チーム」を構成することです。留意事項通知では、保険医、管理栄養士(当該保険医療機関以外の管理栄養士を含む)、看護師(連携する他の保険医療機関等の看護師を含む)が共同して指導管理を行う体制が前提とされています。
在宅褥瘡対策チームの体制(令和8年度)
- 在宅褥瘡管理者を含む多職種からなるチームを構成していること
- 当該保険医療機関以外の管理栄養士を活用する場合は、公益社団法人日本栄養士会・都道府県栄養士会が設置・運営する「栄養ケア・ステーション」または他の保険医療機関に限られ、当該保険医療機関の保険医の指示に基づいて管理指導を実施すること
- 連携する他の保険医療機関等の看護師を活用できる体制
みらい(新人医療事務)
「在宅褥瘡管理者」って、どんな資格や研修を受けた人を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
過去の疑義解釈資料(平成26年度)では、対象となる研修として「日本褥瘡学会が実施する褥瘡在宅セミナー」「在宅褥瘡管理者研修対応と明記された教育セミナー」「学術集会の教育講演」が挙げられています。また日本褥瘡学会認定師や日本褥瘡学会在宅褥瘡予防・管理師は、所定の研修を修了したものとみなされ、看護師については皮膚・排泄ケア認定看護師の研修も所定の研修とみなされるとされています。さらに別の疑義解釈資料(平成30年度)では、特定行為研修制度における「創傷管理関連」区分の研修も該当するとされています。
みらい(新人医療事務)
これらの疑義解釈は少し前のもののようですが、今も参考にしていいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
制度の基本的な考え方を理解するうえでの参考にはなりますが、研修要件や指定研修機関の扱いが現時点でどうなっているかは、疑義解釈の更新状況や自院が確認できる最新の一次資料で改めて確認することをおすすめします。古い疑義解釈をそのまま鵜呑みにせず、最新情報の裏取りが必要な項目です。
みらい(新人医療事務)
在宅褥瘡管理者は、自院に所属していない人でもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
別の疑義解釈資料(平成26年度)では、他の医療機関等の看護師が在宅褥瘡対策チームの構成員として在宅褥瘡管理者となる場合も、カンファレンスへの参加や月1回以上の管理指導を行うことという条件つきで認められています。また同じ疑義解釈資料では、褥瘡ハイリスク患者ケア加算の専従看護師(褥瘡管理者)が在宅褥瘡管理者を兼務することも、専従業務に支障が生じなければ差し支えないとされています。ただし、これらはいずれも自院の体制に照らして個別に確認が必要な論点です。
カンファレンスの実施方法(ビデオ通話の扱い)
みらい(新人医療事務)
毎回、関係者全員が患家に集まらないといけないんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
原則はそうですが、留意事項通知では一定の要件を満たせばビデオ通話が可能な機器を用いて参加できるとされています。
ビデオ通話でカンファレンスに参加する場合の条件(令和8年度)
- 当該保険医療機関から在宅褥瘡対策チームの構成員として複数名が参加すること
- 当該保険医療機関の在宅褥瘡対策チームの構成員のうち、1名以上は患家に赴きカンファレンスを行っていること
- 患者の個人情報をビデオ通話の画面上で共有する際は、患者の同意を得ていること
- 保険医療機関の電子カルテなどを含む医療情報システムと共通のネットワーク上の端末で実施する場合は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していること
みらい(新人医療事務)
誰か1人でも患家に行っていれば、残りは全員リモートでいい、というわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そうです。「複数名の参加」と「1名以上の患家訪問」の両方を満たす必要がありますので、当日の体制を事前に確認しておくことが欠かせません。
併算定の注意点(他の在宅点数との関係)
みらい(新人医療事務)
この点数を算定する日に、訪問診療や訪問看護の点数も一緒に算定していいんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
ここは特に確認が必要なポイントです。告示の注2には「区分番号C001に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)、区分番号C001-2に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)、区分番号C005に掲げる在宅患者訪問看護・指導料又は区分番号C009に掲げる在宅患者訪問栄養食事指導料は別に算定できない。ただし、カンファレンスを行う場合にあっては、この限りでない。」と定められています。
みらい(新人医療事務)
「カンファレンスを行う場合はこの限りでない」というのは、どう理解すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知の解説を合わせて確認すると、初回カンファレンス以降に在宅褥瘡対策チームの各構成員が月1回以上、計画に基づいて行う通常の指導管理については、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)や在宅患者訪問看護・指導料、在宅患者訪問栄養食事指導料などを算定することができるとされています。また、カンファレンスを患家で行った日に、そのカンファレンスとは別に継続的に必要な訪問診療・訪問看護・訪問栄養指導を併せて行う場合も、それぞれの点数を算定することができるとされています。カンファレンス当日の扱いと、それ以外の通常の訪問日の扱いを分けて整理する必要がある論点ですので、レセプト記載の前に一次資料で個別に確認することをおすすめします。
併算定の確認が必要な点(令和8年度)
- 告示の注2は「別に算定できない」が原則で、「カンファレンスを行う場合」に例外がある構造になっています
- 通常の月1回以上の指導管理と、カンファレンス当日の扱いは、それぞれ留意事項通知の記載に照らして個別に確認が必要です
- 訪問看護ステーションと連携するケースなど、体制によって扱いが変わる場合があるため、自院の運用パターンごとに確認することをおすすめします
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
結局、自院がこの点数の算定候補になるかどうか、どんな順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のステップで確認していくと整理しやすいですよ。
自院で確認する順番
- 施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届出をしているか確認する
- 在宅褥瘡管理者を含む多職種の在宅褥瘡対策チーム(保険医・管理栄養士・看護師等)を組めるか確認する
- 対象患者が、ベッド上安静かつDESIGN-R2020でd2以上の褥瘡があり、ア〜オのいずれかに該当するか確認する
- 患者の同意を得たうえで、初回カンファレンスを実施し在宅褥瘡診療計画(別紙様式43またはこれに準じたもの)を作成する
- 初回訪問から6か月以内・患者1人につき3回までの算定枠と、1年以内の再算定不可のルールを踏まえてスケジュールを組む
- カンファレンス日と、それ以外の通常訪問日で、他の在宅点数との併算定の扱いを個別に確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
見落としやすいポイントがあれば教えてください。
あおい(元・医療事務)
よくあるのは次のようなケースです。
よくある取り漏れ(令和8年度)
- カンファレンスの実施日、DESIGN-R2020による深さの評価、対象患者要件(ア〜オ)のいずれに該当するかを、診療報酬明細書の摘要欄に記載し忘れる
- 初回訪問から1年以内に再度算定してしまい、算定不可の期間に該当していることに気づかない
- ビデオ通話でカンファレンスを行う際、「複数名参加」または「1名以上の患家訪問」のいずれかを満たさないまま実施してしまう
- カンファレンス当日以外の通常の指導管理について、他の在宅点数との併算定の扱いを確認せずにレセプトを作成してしまう
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をいくつか聞いてもいいですか?
あおい(元・医療事務)
どうぞ。順番に整理していきましょう。
みらい(新人医療事務)
訪問看護ステーションの看護師だけでチームを組むことはできますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「当該保険医療機関の保険医、管理栄養士又は当該保険医療機関以外の管理栄養士及び看護師又は連携する他の保険医療機関等の看護師」が共同して行うこととされています。訪問看護ステーションを含む体制になり得るかどうかは、自院の連携体制に照らした個別確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
3回のカンファレンスをすべて行わないと算定できないんですか?
あおい(元・医療事務)
いいえ、留意事項通知では2回目のカンファレンスで評価等を行った結果、更に継続して指導管理が必要な場合に限り3回目のカンファレンスを行うことができるとされています。必ず3回行う前提ではなく、2回で終了するケースもあり得ます。
みらい(新人医療事務)
在宅褥瘡管理者の研修要件は、今も同じ内容なんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
研修要件については過去の疑義解釈資料(平成26年度・平成30年度)で示された考え方が参考にはなりますが、指定研修機関や認定制度の状況は変わり得るものです。最終的には自院が確認できる最新の一次資料や地方厚生局への確認を通じて、現時点の要件を確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や在宅褥瘡対策チームの体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。
公式情報・参考資料
あおい(元・医療事務)
この記事の内容は以下の厚労省公式資料を根拠としています。詳細な算定要件は必ず一次資料でご確認ください。
参考資料(厚労省公式・令和8年度)
- 診療報酬の算定方法の一部を改正する件(令和8年厚生労働省告示第69号)C013 在宅患者訪問褥瘡管理指導料 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001686842.pdf
- 厚生労働省 令和8年度診療報酬改定について(留意事項通知・施設基準等の一覧ページ) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00040.html
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この点数、前回の改定(令和6年度)から何か変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収集した一次資料(告示・留意事項通知・個別改定項目に関する資料)の範囲では、在宅患者訪問褥瘡管理指導料について前回改定(令和6年度)からの点数・算定要件・施設基準の変更は確認されていません(2026年7月時点の確認)。ただし、これは当サイトが確認できた資料の範囲での結果であり、疑義解釈の追加など細かな運用面の更新がある可能性もあります。
みらい(新人医療事務)
変更がないからといって、確認をサボっていいわけではないんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。点数や算定要件に変更がなくても、自院の届出状況や体制が要件を満たしているかどうかは改定のたびに確認しておくと安心です。