みらい(新人医療事務)
「外来在宅共同指導料」っていう名前、初めて聞きました。外来なのか在宅なのか、どっちなんですか?
あおい(元・医療事務)
いい質問ですね。これは名前のとおり「外来」と「在宅」の間をつなぐ加算なんです。令和8年度の医科点数表では区分C014として、外来在宅共同指導料1(400点)と外来在宅共同指導料2(600点)の2区分があります。
みらい(新人医療事務)
2つに分かれてるんですね。誰が算定するかも違うんですか?
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ずっと外来に通っていた患者さんが在宅療養に切り替わるとき、外来側の医療機関と在宅側の医療機関、両方の医師が患者さんの自宅を一緒に訪問して説明・指導を行い、文書で情報提供します。このとき、在宅療養を担う医療機関が外来在宅共同指導料1を、外来側の医療機関が一定の条件で外来在宅共同指導料2を、それぞれ算定候補になります。
外来在宅共同指導料の対象になる患者・医療機関
みらい(新人医療事務)
どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象は、診療所・病院の外来において継続的に診療を受けている患者さんです。留意事項通知では「保険医療機関の外来において継続して4回以上受診している患者について」と示されています。つまり、外来に通い始めたばかりの患者さんではなく、ある程度の期間、外来通院を続けてきた方が想定されています。
みらい(新人医療事務)
施設に入っている方も対象になりますか?
あおい(元・医療事務)
そこは注意が必要です。留意事項通知には「外来在宅共同指導料は、在宅での療養を行う患者が算定の対象となり、他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム又は高齢者の居住の安定確保に関する法律第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅その他施設等に入院若しくは入所する患者については、対象とはならない」と明記されています。サービス付き高齢者向け住宅だけでなく、他の保険医療機関への入院中や、社会福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホームへの入所中の患者さんも、同じく対象外の可能性が高いです。特に病院にお勤めの方は「他の保険医療機関に入院中の患者さんも対象外」という点を見落としやすいので注意してください。
みらい(新人医療事務)
医療機関の側の条件はありますか?
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は診療所・病院の両方で、外来を担っている医療機関と、在宅療養を担う医療機関の組み合わせで成立します。ただし、留意事項通知では「外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関と在宅療養を担う保険医療機関が特別の関係にある場合は算定できない」ともされていて、同一グループ内など特別な関係にある場合は対象外の可能性があります。
対象確認の第一歩
外来在宅共同指導料は「外来から在宅への移行期」に限定された加算です。すでに在宅医療へ完全に移行して落ち着いている患者さんや、施設入所者は対象外の可能性があるため、まず患者さんの状況(外来継続受診の実績・在宅移行のタイミング)を確認することが出発点になります。
点数区分(令和8年度)
みらい(新人医療事務)
点数のところ、もう少し詳しく教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の告示では、次のように示されています。
| 区分 | 点数 | 算定候補となる医療機関 |
|---|---|---|
| 外来在宅共同指導料1 | 400点 | 患者の在宅療養を担う保険医療機関 |
| 外来在宅共同指導料2 | 600点 | 外来において継続的に診療を行っている保険医療機関 |
あおい(元・医療事務)
いずれも「患者1人につき1回に限り」の算定です。継続的に複数回算定できるものではありません。

みらい(新人医療事務)
400点と600点、両方とも同じ患者さんについて算定できるということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、条件を満たせば、在宅側の医療機関が1を、外来側の医療機関が2を、それぞれ自院の分として算定候補になります。ただし2を算定する場合は、あとで説明する併算定の制限があるので、そこは確認が必要です。
算定要件(注1・注2)を確認する
みらい(新人医療事務)
算定するために具体的に何をする必要がありますか?
あおい(元・医療事務)
告示の注1には、こう定められています。「1については、保険医療機関の外来において継続的に診療を受けている患者について、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医が、当該患者の同意を得て、患家等を訪問して、在宅での療養上必要な説明及び指導を、外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関の保険医と共同して行った上で、文書により情報提供した場合に、患者1人につき1回に限り、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関において算定する。」
みらい(新人医療事務)
つまり「患者さんの同意」「患家への訪問」「共同での説明・指導」「文書での情報提供」の4つがそろって初めて算定候補になるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。どれか一つでも欠けると算定候補にならない可能性があります。さらに注2では、外来側の医療機関が算定する場合の条件も定められています。「2については、注1に規定する場合において、外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関において、患者1人につき1回に限り算定する。」
みらい(新人医療事務)
家族に対して指導した場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「患者の家族等在宅での患者の看護を担当する者に対して指導を行った場合にも算定できる」とされています。患者さん本人だけでなく、実際に看護を担う家族への指導も対象に含まれる、という整理です。
みらい(新人医療事務)
記録として残しておくべきことはありますか?
あおい(元・医療事務)
レセプトの摘要欄への記載が必要です。留意事項通知に「診療報酬明細書の摘要欄に、共同指導を行った者の属する保険医療機関の名称及び年月日を記載すること」とあります。共同指導を行った相手方の医療機関名と実施日は必ず控えておきたいポイントです。また、外来から在宅への移行にあたって、看護・栄養管理の状況等の情報を別紙様式52を参考に文書で説明することも留意事項通知に示されています。
4要素の抜け漏れに注意
「患者の同意」「患家等への訪問」「外来側医師との共同実施」「文書による情報提供」のいずれかが欠けると、算定要件を満たさない可能性があります。訪問記録・文書の写し・摘要欄記載の3点は、後から届出状況や公式資料と突き合わせて確認できるよう残しておくことをおすすめします。
対象とならないケース・除外規定
みらい(新人医療事務)
逆に、対象外になりそうなケースも整理したいです。
あおい(元・医療事務)
一次資料で確認できているのは主に次の3つです。
対象外の可能性があるケース
他の保険医療機関・施設等に入院・入所中の患者: 留意事項通知で「他の保険医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム又はサービス付き高齢者向け住宅その他施設等に入院若しくは入所する患者については、対象とはならない」とされています。他の病院への入院、社会福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅への入所、いずれも対象外の可能性があります。 外来側と在宅側が特別の関係にある場合: 「外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関と在宅療養を担う保険医療機関が特別の関係にある場合は算定できない」とされています。 外来継続受診の実績が乏しい場合: 留意事項通知は「継続して4回以上受診している患者」を前提としており、この実績が乏しい場合は対象外の可能性があります。
みらい(新人医療事務)
「特別の関係」というのは、具体的にどういう関係を指すんですか?
あおい(元・医療事務)
そこまでの具体的な定義は、今回確認できた一次資料の範囲には含まれていませんでした。同一開設者・同一グループなど、一般的な診療報酬上の「特別の関係」の考え方に沿って判断されると考えられますが、断定はできません。個別の関係性については、審査支払機関や公式資料で確認することをおすすめします。
ビデオ通話の利用と個人情報の取り扱い
みらい(新人医療事務)
訪問は必ず対面じゃないといけないんですか?
あおい(元・医療事務)
原則は患家での対面による共同指導ですが、留意事項通知には次のような扱いも示されています。「外来在宅共同指導料の共同指導は、外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関と当該患者の在宅療養を担う保険医療機関等の関係者全員が、患家において実施することが原則であるが、ビデオ通話が可能な機器を用いて共同指導した場合でも算定可能である。」
みらい(新人医療事務)
それなら外来側の先生は患家に行かなくてもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこがポイントです。同じ通知に「ただし、この場合であっても、当該患者の在宅療養を担う保険医療機関の保険医は、患家に赴き共同指導していること」とあります。つまりビデオ通話が使えるのは主に外来側の参加方法で、在宅療養を担う医療機関の医師は患家への訪問が前提になっている、という整理です。
みらい(新人医療事務)
画面越しに患者さんの情報を扱うときの注意点はありますか?
あおい(元・医療事務)
留意事項通知では「当該指導において、患者の個人情報を情報通信機器等の画面上で取り扱う場合には、患者の同意を得ること」とされています。加えて、厚生労働省が定める医療情報の安全管理に関するガイドライン等に沿った対応が求められる旨も示されています。詳細な要件は、最新の留意事項通知や公式資料で確認しておくと安心です。
併算定の注意点
みらい(新人医療事務)
同じ日に他の診察料と一緒に算定してもいいんですか?
あおい(元・医療事務)
そこは注2に明記されています。「この場合において、区分番号A000に掲げる初診料、区分番号「A001」に掲げる再診料、「A002」に掲げる外来診療料、「C000」に掲げる往診料、「C001」に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅰ)又は「C001-2」に掲げる在宅患者訪問診療料(Ⅱ)は別に算定できない。」
みらい(新人医療事務)
つまり、外来在宅共同指導料2を算定する日は、初診料や再診料、往診料などは別に算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
はい、そのとおりです。共同指導の場を通常の外来診察や往診と重ねて算定することはできない、という整理です。在宅患者訪問診療料(Ⅰ)との関係が気になる方は、在宅患者訪問診療料(Ⅰ)の記事もあわせて確認してみてください。
届出は不要(ただし要件確認は必須)
みらい(新人医療事務)
この加算、施設基準の届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが整理している範囲では、外来在宅共同指導料は施設基準の届出は不要とされています。つまり、事前の届出をしていないから算定候補にならない、ということはありません。
みらい(新人医療事務)
届出が不要なら、気にすることは何もないんですか?
あおい(元・医療事務)
いえ、そこが誤解しやすいところです。届出が不要でも、算定要件(患者の同意・患家への訪問・共同実施・文書による情報提供・摘要欄記載など)は一つひとつ満たす必要があります。届出不要=無条件で算定候補、ではなく、要件確認が必須という点は変わりません。
自院で確認する順番
- 患者さんが外来を継続して4回以上受診しているか、施設入所ではなく在宅移行の対象かを確認する
- 外来側の医療機関と在宅側の医療機関が特別の関係にないかを確認する
- 患者さんの同意を得たうえで、患家等への訪問(または留意事項通知が示す方法でのビデオ通話併用)で共同指導を実施する
- 実施内容を文書にまとめ、患者さん・家族等へ情報提供する
- レセプト摘要欄に共同指導を行った相手方医療機関名と実施日を記載し、算定候補として整理する
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
前回の改定から何か変わったところはありますか?
あおい(元・医療事務)
今回確認できた令和8年度の告示・留意事項通知の範囲では、外来在宅共同指導料1(400点)・2(600点)という点数体系や、外来継続受診の実績、患家訪問、共同指導、文書提供といった算定要件の骨格が示されています。一方で、当サイトが収集している一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)時点の同項目の記載を直接比較できておらず、前回改定からの変更点は確認されていません。
みらい(新人医療事務)
過去の疑義解釈で気になる情報はありますか?
あおい(元・医療事務)
令和4年度に示された疑義解釈で、共同指導の実施タイミングについての考え方が示されています。「区分番号「C014」外来在宅共同指導料について、患者の在宅療養を担う医師の初回の訪問時に、外来において当該患者に対して継続的に診療を行っている保険医療機関の医師との共同指導を実施する必要があるか」という質問に対し、「必ずしも初回に実施する必要はない」と回答されています。これは令和4年度時点の疑義解釈であり、現在の運用についても最新の公式資料で確認しておくと安心です。

よくある取り漏れ
見落としやすいポイント
摘要欄の記載漏れ: 共同指導を行っただけで満足してしまい、レセプト摘要欄への相手方医療機関名・実施日の記載を忘れるケースがあります。 他医療機関入院中・施設入所者への誤算定: 他の保険医療機関に入院中の患者さんや、社会福祉施設・介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅に入所中の患者さんは対象外の可能性が高いのに、通常の在宅患者と同じ扱いで進めてしまうケースがあります。 外来側の重複算定: 外来在宅共同指導料2を算定する日に、初診料・再診料・外来診療料・往診料・在宅患者訪問診療料(Ⅰ)(Ⅱ)を重ねて算定してしまうケースがあります。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか?
あおい(元・医療事務)
はい、診療所・病院のいずれも対象です。外来側・在宅側のどちらの立場でも、算定要件を満たせば算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
訪問診療をすでに行っている患者さんにも使えますか?
あおい(元・医療事務)
この加算は、外来から在宅への移行期にある患者さんを想定した整理になっています。すでに在宅医療に完全移行し落ち着いている患者さんについては、対象になるかどうかを個別に確認したほうがよいでしょう。
みらい(新人医療事務)
令和6年度の記載と比べて、確認しておいたほうがいいことはありますか?
あおい(元・医療事務)
令和6年度(2024年度)時点の資料との直接比較はできていませんが、令和8年度(2026年度)の告示・留意事項通知に示された点数・要件をもとに、自院の運用がその内容に沿っているかを確認することをおすすめします。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。