診療報酬加算ナビ
令和8年度最終更新 2026-07-29T21:28:56+00:00出典あり

不規則抗体加算、自院は算定候補? 確認ポイント【令和8年度】

編集監修: 福島 裕介(医師・循環器内科)

3行でわかる

K920輸血の注6に基づく加算で、不規則抗体検査の費用として検査回数にかかわらず1月につき197点を所定点数に加算する。頻回に輸血を行う場合は1週間に1回に限り197点を加算する。

この記事の案内役

  • みらい

    みらい新人医療事務

    医療事務になって1年目。算定や施設基準はまだ勉強中。読者の代わりに素朴な疑問を質問します。

  • あおい

    あおい元・医療事務(10年)

    レセプト・施設基準・届出を長く担当したベテラン。根拠と確認手順をやさしく解説します。

みらい

みらい新人医療事務

先輩、輸血をしたレセプトに「不規則抗体加算」ってつけている月とつけていない月があるんですけど、これって何を見て判断すればいいんですか?

あおい

あおい元・医療事務

いいところに気づきましたね。不規則抗体加算は、K920「輸血」の注6に基づく加算です。輸血を行った際に不規則抗体検査を実施していれば、検査回数にかかわらず1月につき197点を所定点数に加算できる、というものなんです。

みらい

みらい新人医療事務

検査回数にかかわらず197点、ということは、月に何回検査しても197点は変わらないってことですか?

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。ただし例外があって、頻回に輸血を行う場合は1週間に1回に限り197点を加算できる、という規定になっています。「検査回数にかかわらず月1回」が原則、「頻回輸血なら週1回まで」が例外、という2段構えで理解しておくとレセプトチェックがしやすくなりますよ。

不規則抗体加算とは

みらい

みらい新人医療事務

そもそも不規則抗体検査って何のための検査なんですか?

あおい

あおい元・医療事務

輸血の際に、患者さんの血液の中にABO式・Rh式以外の「不規則抗体」と呼ばれる抗体があるかどうかを調べる検査です。これがあると輸血時に予期しない反応が起きる可能性があるため、安全な輸血療法を行ううえで欠かせない検査とされています。不規則抗体加算は、この検査にかかる費用をK920輸血の所定点数に上乗せする形で評価する加算です。

みらい

みらい新人医療事務

「加算」という名前ですけど、輸血そのものとは別に単独で算定できるものではないんですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうです。あくまでK920「輸血」を算定した月に、その輸血に伴って不規則抗体検査を行った場合に上乗せする加算という位置づけです。輸血の算定と切り離して単独で不規則抗体加算だけを算定することはできません。

対象になりやすいケース

輸血を実施した患者: 自家採血輸血・保存血液輸血・自己血輸血などK920の対象となる輸血を行い、あわせて不規則抗体検査を実施している患者が対象候補です。検査タイミング: 輸血前後に不規則抗体検査を行っているかどうかを、検査オーダーとレセプトで突き合わせて確認するのが基本です。

対象医療機関・対象患者(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、届出が必要なタイプの加算なんですか? 施設基準の書類を探した方がいいのか迷っていて。

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している一次資料の範囲では、不規則抗体加算に個別の施設基準や届出は定められていません。K920「輸血」を算定できる保険医療機関であれば、診療所・病院、外来・入院を問わず対象候補になります。届出書類を探す前に、まずは「輸血の実施」と「不規則抗体検査の実施」がセットで記録に残っているかを確認するのが近道です。

みらい

みらい新人医療事務

届出が要らないタイプの加算なんですね。じゃあ気にする点は少なそうです。

あおい

あおい元・医療事務

届出は不要ですが、その分「実際に不規則抗体検査を行ったかどうか」の記録がより重要になります。届出という形式要件がないぶん、算定の根拠は検査オーダーや検査結果の記録そのものになる、と考えておいてください。

断定はできません

不規則抗体加算は届出不要の加算ですが、対象になるかどうかは輸血の実施状況・不規則抗体検査の実施記録によって変わります。ここでの説明は一般的な整理であり、算定候補・要確認・対象外の可能性のいずれになるかは、自院の記録に基づいて個別に確認が必要です。

点数・算定単位(令和8年度)

みらい

みらい新人医療事務

点数のところ、もう一度整理してもらえますか? 「月1回」と「週1回」が混ざって出てくるので混乱しています。

あおい

あおい元・医療事務

整理しますね。令和8年度の医科点数表K920「輸血」注6には、次のように定められています。

区分点数算定単位
不規則抗体加算(原則)197点検査回数にかかわらず1月につき1回
不規則抗体加算(頻回輸血の場合)197点1週間に1回に限り
あおい

あおい元・医療事務

原則は「検査回数にかかわらず月1回、197点」です。ただし頻回に輸血を行っている患者さんについては、例外的に「週1回まで、197点」を上限として算定できる、という構造になっています。

みらい

みらい新人医療事務

「頻回に輸血を行う場合」って、具体的にはどのくらいの頻度からそう呼べるんですか?

あおい

あおい元・医療事務

そこも留意事項通知で定義が示されています。「頻回に輸血を行う場合」とは、週1回以上、当該月で3週以上にわたり輸血が行われるものとされています。つまり「その月のうち3週間以上、週1回以上のペースで輸血をしている」場合に初めて、週1回ベースでの算定候補になるということです。単発の輸血や、月に1〜2週だけの輸血では、原則どおり月1回197点の扱いになると考えられます。

点数確認のポイント

原則: 検査回数にかかわらず1月につき197点。例外: 週1回以上・当該月で3週以上にわたる頻回輸血の場合に限り、1週間に1回197点まで。確認方法: 輸血記録から「その月の輸血が何週にわたっているか」を数えると、原則・例外どちらに該当するか整理しやすくなります。

併算定・注意点

みらい

みらい新人医療事務

ほかの輸血がらみの加算と混同しそうで怖いんですけど、気をつけるポイントはありますか?

あおい

あおい元・医療事務

実はここ、留意事項通知を読むときに注意が必要な点があります。K920輸血の留意事項には、注6の不規則抗体加算とは別に、注10として「輸血に伴って行った供血者の諸検査」についての規定があり、そこにも「不規則抗体」という言葉が出てきます。ただしこちらは、輸血用血液を提供する供血者側の検査の話で、その費用は所定点数に含まれ別に算定できないという規定です。

みらい

みらい新人医療事務

つまり同じ「不規則抗体」という言葉でも、注6は患者さんの検査に対する加算、注10は供血者側の検査で別算定不可、という全く別の話ということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そのとおりです。名前が似ている、あるいは同じ検査名が出てくるからといって、加算の対象や算定可否まで同じとは限りません。レセプトチェックの際は「どの注に基づく記載か」を条文レベルで確認する習慣をつけておくと、混同を防げます。不規則抗体加算(注6)は患者への検査に対する加算であって、供血者の諸検査(注10)の扱いとは別物として整理してください。

混同注意

「不規則抗体」という語は、K920の中で複数の文脈(注6の患者検査に対する加算/注10の供血者諸検査)に登場します。本記事で扱う197点の加算は注6に基づくものです。似た名称の別区分と取り違えないよう、算定の根拠となる注番号を必ず確認してください。

令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)

みらい

みらい新人医療事務

この加算、令和6年度から令和8年度にかけて何か変わったんでしょうか?

あおい

あおい元・医療事務

当サイトが収録している令和8年度の一次資料(医科点数表・留意事項通知)を確認した範囲では、不規則抗体加算(K920注6)の点数・算定要件に変更を示す記載は見当たりません。ただし、当サイトが収録している一次資料には令和6年度時点のK920条文そのものが含まれていないため、新旧を直接突き合わせての比較はできていません。

みらい

みらい新人医療事務

つまり「変わっていなさそう」ではあるけど、断定はできないということですね。

あおい

あおい元・医療事務

そうです。正確な新旧比較をしたい場合は、日本医師会や地方厚生局が公開している新旧対照表など、令和6年度・令和8年度双方の条文が並んだ一次資料を確認するのが確実です。ここでは令和8年度時点の内容として、点数(197点)と算定単位(月1回、頻回時は週1回)を正確にお伝えすることに絞っています。

自院で確認する順番

みらい

みらい新人医療事務

実際に自院で確認するとしたら、どんな順番で見ていけばいいですか?

あおい

あおい元・医療事務

次の順番で確認していくと、迷わず整理できます。

自院で確認する順番

  1. その月にK920「輸血」を算定した患者がいるかを確認する
  2. その輸血に伴って不規則抗体検査を実施しているかを検査オーダー・結果記録で確認する
  3. その月の輸血が週1回以上・3週以上にわたる「頻回」に該当するかを確認する
  4. 頻回に該当しない場合は月1回197点、該当する場合は週1回197点までとして記載内容を突き合わせる
  5. 判断に迷う場合は自院の届出状況や記録の残し方を含めて、算定候補か要確認かを個別に整理する

よくある取り漏れ

みらい

みらい新人医療事務

レセプト担当が変わったタイミングとかで、見落としそうなポイントってありますか?

あおい

あおい元・医療事務

よくあるのは、輸血自体は算定しているのに、不規則抗体検査を実施しているのに加算をつけ忘れているケースです。届出が不要な加算なので「施設基準の届出がないから対象外」と思い込んでしまい、検査実施の記録を確認しないまま見送ってしまうことがあります。

よくある取り漏れ

届出不要ゆえの見落とし: 施設基準の届出がないため「対象外」と誤認し、検査実施記録を確認せず取り漏らすケース。頻回輸血の判定漏れ: 月をまたいで輸血が続いている患者で、「週1回以上・当該月で3週以上」の頻回要件を確認せず、原則(月1回)のみで処理してしまうケース。

不規則抗体加算 点数区分の整理(令和8年度)

自院が算定候補か確認したい方へ

みらい

みらい新人医療事務

うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!

あおい

あおい元・医療事務

自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。輸血の実施状況や不規則抗体検査の記録を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。関連する 輸血管理料輸血適正使用加算 とあわせて輸血関連の加算を一度に見直すのもおすすめです。

自院で確認する順番(令和8年度)

最終確認のお願い

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。

算定要件・施設基準・届出は?

  • 算定要件

    不規則抗体検査の費用として検査回数にかかわらず1月につき197点を所定点数に加算する。ただし、頻回に輸血を行う場合にあっては、1週間に1回に限り、197点を所定点数に加算する。

  • 算定要件

    「注6」の頻回に輸血を行う場合とは、週1回以上、当該月で3週以上にわたり行われるものである。

よくある質問

不規則抗体加算は届出が必要ですか?

当サイトが収録している一次資料の範囲では、不規則抗体加算に個別の施設基準・届出は定められていません。K920「輸血」を算定できる保険医療機関であれば対象候補になりますが、最終的には自院の記録や公式資料での確認が必要です。

不規則抗体加算は月に何回まで算定できますか?

原則は検査回数にかかわらず1月につき197点1回です。ただし週1回以上・当該月で3週以上にわたる頻回輸血の場合に限り、1週間に1回197点まで算定候補になります。

供血者の不規則抗体検査も197点の対象ですか?

対象外の可能性があります。K920の留意事項通知には、供血者の諸検査(不規則抗体を含む)は所定点数に含まれ別に算定できないという規定があり、これは患者への検査に対する不規則抗体加算(注6)とは別の話です。混同しないよう、算定の根拠となる注番号を確認してください。

自院が算定候補になるか確認しましょう

加算チェッカーが、自院で確認すべき項目を質問形式で整理します。結果は算定可否を確約するものではなく、院内確認や地方厚生局等への確認に進むための参考情報です。

加算チェッカーで確認する

自院の体制から取り漏れ候補を試算する

病床数・診療場面など自院の体制を入力すると、確認すべき加算(取り漏れ候補)を整理します。患者数を入れると「取れた場合の概算インパクト(目安)」も試算できます。算定可否や算定額を保証するものではなく、院内確認や個別相談に進むための出発点です。

取り漏れシミュレーターで試算する

最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料(厚生労働省告示・通知等)・審査支払機関の判断でご確認ください。 本ページは 令和8年度 の情報です。

関連する加算

手術加算令和8年度

血液交叉試験加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

K920輸血の注8に基づく加算で、輸血に伴って血液交叉試験を行った場合に1回につき30点を所定点数に加算する。コンピュータクロスマッチを行った場合は本加算は算定できない。

診療所病院
手術加算令和8年度

間接クームス検査加算、輸血で自院は算定候補?【令和8年度】

輸血(K920)に伴って間接クームス検査を行った場合に、間接クームス検査加算として1回につき47点を所定点数に加算する加算。コンピュータクロスマッチを行った場合は算定できない。

診療所病院
手術加算令和8年度

乳頭形成加算、自院は算定候補?確認ポイント【令和8年度】

K674総胆管拡張症手術において乳頭形成を併せて行った場合に、乳頭形成加算として5,000点を所定点数に加算する。

病院
手術加算令和8年度

HIV抗体陽性患者の観血的手術加算は届出不要?【令和8年度】

HIV抗体陽性の患者に対して観血的手術を行った場合に、4,000点を当該手術の所定点数に加算する手術通則加算。

診療所病院
手術加算令和8年度

2以上の手術の50%併施加算は対象?確認ポイント【令和8年度】

同一手術野又は同一病巣であっても「複数手術に係る費用の特例」に規定する組合せの場合、主たる手術の所定点数に従たる手術(1つに限る。)の所定点数の100分の50を加えた点数により算定する手術通則加算。

診療所病院
手術加算令和8年度

下顎骨形成術加算、両側同時実施が条件?確認ポイント【令和8年度】

K444下顎骨形成術の短縮又は伸長の場合について、両側を同時に行った場合に3,000点を所定点数へ加算する。

診療所病院