みらい(新人医療事務)
あおいさん、レセプトを見ていたら「間接クームス検査加算」という項目が出てきました。これは輸血のときに使う加算ですか?
あおい(元・医療事務)
そうですね。間接クームス検査加算は、輸血(K920)に伴って間接クームス検査を行った場合に、1回につき47点を所定点数に加算する加算です。令和8年度(2026年度)の医科点数表では、K920輸血の「注8」に位置づけられています。
みらい(新人医療事務)
輸血そのものの点数とは別に、検査ぶんが上乗せされるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。輸血を安全に行うために事前の適合検査が必要になりますよね。その一部として間接クームス検査を行ったときに、輸血の所定点数へ上乗せする形で算定を検討します。ただ、算定できるかどうかは実施内容や併算定の条件しだいなので、順番に確認していきましょう。
この加算は何のための加算か
みらい(新人医療事務)
そもそも間接クームス検査って、どんな検査なんですか?
あおい(元・医療事務)
間接クームス検査は、患者さんの血液中に含まれる不規則抗体などを調べる検査で、輸血の際の適合性を確認する場面で用いられます。輸血用血液と患者さんの血液が合うかどうかを見極める工程の一つ、と考えるとイメージしやすいと思います。
みらい(新人医療事務)
なるほど。その検査をしたら、輸血の点数に加算できる、と。
あおい(元・医療事務)
そういう位置づけです。間接クームス検査加算は、あくまで輸血(K920)を算定する場面で、それに伴って検査を行ったときの上乗せです。輸血を算定しない場面で単独で取る加算ではない、という点を押さえておきたいですね。
みらい(新人医療事務)
輸血とセットの加算なんですね。覚えておきます。
対象になる医療機関・場面
みらい(新人医療事務)
この加算は、どんな医療機関が対象ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の整理では、対象は輸血(K920)を実施する診療所・病院で、外来・入院いずれの場面も含まれます。一方で、在宅療養の場面は対象として想定されていません。輸血そのものを算定する場面かどうか、がまず入口になります。
みらい(新人医療事務)
届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
間接クームス検査加算そのものについては、施設基準や地方厚生局への届出は不要とされています。届出をしていないと取れない、というタイプの加算ではありません。ただし、上乗せの前提になる輸血(K920)本体には、輸血の必要性や危険性についての文書による説明など、別の算定要件があります。加算だけを単独で見るのではなく、輸血本体の要件とあわせて確認しておきたいところです。
みらい(新人医療事務)
加算は届出不要でも、輸血本体の要件は別にあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。だからこそ「うちは対象になりそう」と感じたら、輸血の算定要件まで含めて自院の状況を確認する流れになります。
点数とコードの整理
みらい(新人医療事務)
点数まわりをまとめて見たいです。
あおい(元・医療事務)
図にすると分かりやすいので、K920輸血の「注8」に含まれる加算を並べてみましょう。

あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、注8として「輸血に伴って、血液交叉試験、間接クームス検査又はコンピュータクロスマッチを行った場合は、血液交叉試験加算、間接クームス検査加算又はコンピュータクロスマッチ加算として、1回につき30点、47点又は30点をそれぞれ加算する」と定められています。間接クームス検査加算はこのうちの47点にあたります。
| 加算名 | 点数(令和8年度) | 位置づけ |
|---|---|---|
| 血液交叉試験加算 | 1回につき30点 | K920輸血 注8 |
| 間接クームス検査加算 | 1回につき47点 | K920輸血 注8 |
| コンピュータクロスマッチ加算 | 1回につき30点 | K920輸血 注8 |
みらい(新人医療事務)
同じ注8のなかに3つの加算が並んでいるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。実施した検査に応じて、どの加算の候補になるかが変わります。間接クームス検査を行ったのであれば47点の加算が候補になりますが、後で触れるように、これらは組み合わせに制限があるので注意が必要です。
点数まわりで押さえたい点
注8の3加算: 血液交叉試験加算30点・間接クームス検査加算47点・コンピュータクロスマッチ加算30点は、いずれもK920輸血の注8に基づく上乗せです。 間接クームス検査加算: 実施した検査が間接クームス検査であれば、1回につき47点が算定候補になります。
算定単位 — 「1回」の数え方
みらい(新人医療事務)
「1回につき47点」の「1回」って、どう数えるんですか?1人の患者さんにつき1回でしょうか?
あおい(元・医療事務)
そこは細かいルールがあります。令和8年度(2026年度)の留意事項では、注8の血液交叉試験又は間接クームス検査の加算は、自家採血を使用する場合は供血者ごとに、保存血を使用する場合は血液バッグ(袋)1バッグごとに、それぞれ算定するとされています。
みらい(新人医療事務)
患者さん単位ではなく、血液の単位で数えるんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。だから、複数バッグの保存血を使った輸血で、それぞれに間接クームス検査を行ったのであれば、バッグごとに算定単位を見ていくことになります。逆に「輸血1件だから加算も1回」と単純に決めつけると、数え方を誤るおそれがあります。実際の算定回数は、使用した血液の種類と単位に沿って確認するのが安全です。
| 使用した血液 | 算定単位 |
|---|---|
| 自家採血 | 供血者ごと |
| 保存血 | 血液バッグ(袋)1バッグごと |
算定単位の確認
間接クームス検査加算の「1回」は、自家採血なら供血者ごと、保存血なら血液バッグ1バッグごとに数えます。患者単位・輸血1件単位ではないため、レセプト前に使用血液の単位と実施内容を突き合わせて確認しましょう。
コンピュータクロスマッチとの関係(併算定の注意)
みらい(新人医療事務)
さっき「組み合わせに制限がある」とおっしゃっていましたが、どういうことですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)の告示では、注8について「ただし、コンピュータクロスマッチを行った場合は、血液交叉試験加算及び間接クームス検査加算は算定できない」と定められています。つまり、コンピュータクロスマッチを行った場面では、間接クームス検査加算は算定の対象になりません。
みらい(新人医療事務)
コンピュータクロスマッチをしたら、間接クームス検査加算は取れない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ここは注8の中でも取り違えやすいところです。実施した適合検査がコンピュータクロスマッチだったのか、間接クームス検査だったのかで、算定の候補になる加算が変わります。両方を同じ輸血に対して重ねて算定する、という考え方はできないと理解しておきましょう。
コンピュータクロスマッチとの排他関係
コンピュータクロスマッチを行った場合、血液交叉試験加算と間接クームス検査加算は算定できないとされています。実施した検査がどれだったのかを診療録・検査記録で確認し、重複算定にならないよう注意しましょう。
みらい(新人医療事務)
どの検査をしたかを、記録できちんと確認するのが大事なんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。加算の可否は「何を実施したか」で決まるので、実施記録との突き合わせが確認の出発点になります。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算は、令和8年度(2026年度)改定で何か変わったんでしょうか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している令和8年度(2026年度)の告示・留意事項の範囲では、間接クームス検査加算の点数(1回につき47点)、算定単位(供血者ごと/血液バッグごと)、コンピュータクロスマッチとの排他関係について、前回改定(令和6年度/2024年度)からの主な変更は確認されていません(確認日: 2026年7月・厚労省一次情報ベース)。
みらい(新人医療事務)
大きな変更はなさそう、ということですね。
あおい(元・医療事務)
現時点で確認できる一次資料の範囲では、そう整理しています。ただ、これは「当サイトが確認できた範囲」での話です。疑義解釈や訂正通知で運用上の補足が出ることもありますので、最終的には自院で最新の公式資料もあわせてご確認ください。
改定差分の確認範囲
確認できた範囲: 点数47点・算定単位・コンピュータクロスマッチとの排他は、前回改定からの主な変更が確認されていません(令和8年度・厚労省一次情報ベース)。 注意: 疑義解釈・訂正通知など、告示・留意事項以外での補足は別途確認が必要です。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、どの順番で確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
輸血本体から加算へ、段階的に見ていくと整理しやすいです。フローにしてみましょう。

自院で確認する順番
- 輸血(K920)を算定する場面かどうかを確認する(加算は輸血本体への上乗せです)。
- その輸血に伴って間接クームス検査を実施したかを、検査記録で確認する。
- コンピュータクロスマッチを行っていないかを確認する(行った場合、間接クームス検査加算は算定できません)。
- 算定単位を確認する(自家採血は供血者ごと、保存血は血液バッグ1バッグごと)。
- 以上を満たすかを踏まえ、算定候補として自院の運用・公式資料で最終確認する。
みらい(新人医療事務)
輸血の算定が前提で、そのうえで検査の種類と単位を見ていくんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。この順番で見ておくと、コンピュータクロスマッチとの取り違えや、算定単位の数え間違いを防ぎやすくなります。
よくある取り漏れ・注意点
みらい(新人医療事務)
現場でありがちなつまずきポイントも知っておきたいです。
あおい(元・医療事務)
いくつか代表的なものを挙げますね。
よくある取り漏れ・取り違え
算定単位の数え間違い: 患者単位・輸血1件単位で1回と数えてしまうケース。自家採血は供血者ごと、保存血は血液バッグごとが原則です。 検査の取り違え: コンピュータクロスマッチを行った場面で間接クームス検査加算を算定してしまうケース。実施記録で検査の種類を確認しましょう。 輸血本体要件の見落とし: 加算は届出不要でも、上乗せ元の輸血(K920)には文書による説明などの要件があります。本体要件も含めて確認します。
みらい(新人医療事務)
加算だけを見るのではなく、輸血全体の流れで確認するのが安全なんですね。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、よく聞かれそうな点をまとめて確認したいです。間接クームス検査加算は何点ですか?
あおい(元・医療事務)
令和8年度(2026年度)では、間接クームス検査加算は1回につき47点です。K920輸血の注8に基づく加算になります。
みらい(新人医療事務)
コンピュータクロスマッチも行った場合はどうなりますか?
あおい(元・医療事務)
コンピュータクロスマッチを行った場合は、血液交叉試験加算及び間接クームス検査加算は算定できないとされています。実施した検査の種類に応じて、算定候補になる加算が変わる点に注意が必要です。
みらい(新人医療事務)
届出は必要ですか?
あおい(元・医療事務)
間接クームス検査加算そのものは、施設基準や届出は不要とされています。ただし、上乗せ元の輸血(K920)には別の算定要件がありますので、本体の要件もあわせて確認してください。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や輸血の運用、実施した検査の内容を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。本記事は令和8年度(2026年度)の厚生労働省の告示・留意事項をもとに事実を整理したものです。