みらい(新人医療事務)
障害者施設等入院期間加算という項目を見つけたんですが、これはどんな加算なんですか?
あおい(元・医療事務)
障害者施設等入院基本料を算定している病棟に入院している患者さんについて、入院期間の長さに応じて1日につき上乗せされる加算です。令和8年度の医科点数表では、入院してから14日以内の期間と、15日以上30日以内の期間の2つの区分に応じて点数が設定されています。
みらい(新人医療事務)
入院基本料そのものとは別に、期間によって点数が変わるということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。障害者施設等入院基本料を届け出ている病棟であれば、対象となる患者さんの入院期間を数えることで区分が決まる仕組みです。ただし、あとで説明する除外対象の患者さんもいるので、そこは注意が必要です。
対象医療機関・対象患者
みらい(新人医療事務)
どんな病棟、どんな患者さんが対象になるんですか?
あおい(元・医療事務)
対象になるのは、障害者施設等入院基本料(A106)の施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た「障害者施設等一般病棟」に入院している患者さんです。厚生労働省の告示では次のように定められています。
告示の原文(対象患者・施設基準)
障害者施設等一般病棟(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第42条第2号に規定する医療型障害児入所施設(主として肢体不自由のある児童又は重症心身障害児(同法第7条第2項に規定する重症心身障害児をいう。)を入所させるものに限る。)及びこれらに準ずる施設に係る一般病棟並びに別に厚生労働大臣が定める重度の障害者(重度の意識障害者を含む。)、筋ジストロフィー患者又は難病患者等を主として入院させる病棟に関する施設基準に適合しているものとして、保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た一般病棟をいう。)であって、看護配置、看護師比率その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして保険医療機関が地方厚生局長等に届け出た一般病棟に入院している患者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)について、当該基準に係る区分に従い、それぞれ所定点数を算定する。
みらい(新人医療事務)
括弧の中が長いですが、要は重症心身障害児施設や、重度障害者・筋ジストロフィー患者・難病患者などを主に受け入れる病棟、ということですか?
あおい(元・医療事務)
はい、そのイメージで合っています。加えて、特定入院料(救命救急入院料など第3節に規定される入院料)を算定している患者さんは、この加算の対象から除かれます。まずは自院の病棟が「障害者施設等一般病棟」として届け出られているかどうかが出発点になります。
点数・コード区分
みらい(新人医療事務)
具体的な点数を教えてください。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表では、次の2区分が定められています。
| 入院期間の区分 | 点数(1日につき) |
|---|---|
| 14日以内の期間 | 312点 |
| 15日以上30日以内の期間 | 167点 |
みらい(新人医療事務)
31日以上入院した場合はどうなるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示ではこの2区分のみが定められており、31日を超えた期間についてはこの入院期間加算は算定されません。障害者施設等入院基本料自体の所定点数は引き続き算定されます。告示の原文は次のとおりです。
告示の原文(点数区分)
当該病棟の入院患者の入院期間に応じ、次に掲げる点数をそれぞれ1日につき所定点数に加算する。 イ 14日以内の期間 312点 ロ 15日以上30日以内の期間 167点

施設基準
みらい(新人医療事務)
施設基準として具体的に何が求められるんですか?
あおい(元・医療事務)
告示では「看護配置、看護師比率その他の事項につき別に厚生労働大臣が定める施設基準」への適合が求められると書かれています。障害者施設等一般病棟としての施設基準に適合し、地方厚生局長等へ届け出ていることが前提です。具体的な看護配置の数値基準は、施設基準の告示・通知本文で個別に確認する必要があります。
施設基準は届出単位で確認
入院期間加算は、障害者施設等入院基本料を算定する病棟であれば区分に応じて適用される仕組みで、この加算だけを単独で届け出る様式は当サイトが収録している一次資料の範囲では確認されていません。まず自院の病棟がどの入院基本料の区分で届け出ているかを確認することが出発点になります。
届出の確認
みらい(新人医療事務)
届出はどうやって確認すればいいですか?
あおい(元・医療事務)
障害者施設等入院基本料そのものの届出状況を確認するのが第一歩です。届出済みであれば、入院期間加算は入院日数の区分に応じて算定候補になりますが、届出内容や看護配置の実態が施設基準を満たし続けているかどうかは、日々の勤務実績などとあわせて確認しておく必要があります。届出の詳細な要件や様式は、地方厚生局や厚生労働省の公式資料で確認することをおすすめします。
みらい(新人医療事務)
届出さえ済んでいれば、あとは自動的に算定されるものと考えていいんですか?
あおい(元・医療事務)
基本的な考え方としてはそうですが、レセプトコンピューターの設定や入院日の起算方法など、実務上の運用は医療機関ごとに異なります。「届出済みだから必ず正しく算定される」と決めつけず、実際のレセプト作成時に入院期間の区分や対象患者の範囲が正しく反映されているか確認することが大切です。
算定タイミング・除外対象の注意
みらい(新人医療事務)
算定するときに気をつけるポイントはありますか?
あおい(元・医療事務)
大きく2点あります。1つは、特定入院料を算定している患者さんはそもそも対象外だということ。もう1つは、90日を超えて入院している「特定患者」に該当する患者さんは、注1から注3までの規定にかかわらず特定入院基本料として別の点数を算定する扱いになる点です。
告示の原文(特定患者の除外)
当該病棟に入院している特定患者(当該病棟に90日を超えて入院する患者(別に厚生労働大臣が定める状態等にあるものを除く。)をいう。)に該当する者(第3節の特定入院料を算定する患者を除く。)については、注1から注3まで及び注13の規定にかかわらず、特定入院基本料として1,057点を算定する。
みらい(新人医療事務)
つまり、長期入院になると入院期間加算とは別の枠組みに切り替わることがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。90日を超えて入院している患者さんが特定患者に該当するかどうかは、別に厚生労働大臣が定める状態等の除外規定もあるため、一律に切り替わるわけではありません。該当するかどうかは患者さんごとに個別の確認が必要です。
算定候補であって確定ではありません
ここまでの内容は、障害者施設等入院基本料を算定する病棟における入院期間の区分に応じた算定候補を整理したものです。実際の算定可否は、患者さんの状態、届出内容、レセプトの記載など個別の事情によって変わるため、断定はできません。
令和8年度改定での変更点(前回改定からの差分)
みらい(新人医療事務)
この加算、前回の改定から変わったところはあるんですか?
あおい(元・医療事務)
当サイトが収録している一次資料の範囲では、令和8年度の医科点数表における障害者施設等入院期間加算(14日以内312点・15日以上30日以内167点)について、前回改定(令和6年度)からの変更点は確認されていません(確認日: 2026-08)。
みらい(新人医療事務)
点数も区分の考え方も、これまでと同じということですね。
あおい(元・医療事務)
当サイトが確認できた範囲ではそうです。ただし、障害者施設等入院基本料自体の施設基準や対象となる病棟の範囲は改定のたびに見直される可能性があるため、この加算の前提となる基本料の届出区分については、最新の施設基準を別途確認しておくと安心です。
関連する加算もあわせて確認
障害者施設等入院基本料を算定する病棟では、看護補助加算のように人員配置に応じた加算もあわせて算定できる場合があります。同じ「入院期間加算」の枠組みを持つ病棟種別として、一般病棟入院期間加算や結核病棟入院期間加算もあわせて確認しておくと、病棟ごとの算定構造の違いを把握しやすくなります。
自院で確認する順番
みらい(新人医療事務)
自院で確認するときは、どんな順番で見ていけばいいですか?
あおい(元・医療事務)
次のような順番で確認していくとわかりやすいと思います。
自院で確認する順番
- 自院の病棟が障害者施設等入院基本料の施設基準に適合し、届出済みかを確認する
- 対象患者が特定入院料を算定していないかを確認する
- 対象患者が90日を超えて入院する特定患者に該当しないかを確認する
- 入院日を起算日として、14日以内か15日以上30日以内かの区分を確認する
- レセプトコンピューターの設定で該当区分の点数が正しく反映されているかを確認する

よくある取り漏れ
みらい(新人医療事務)
現場でよくある間違いにはどんなものがありますか?
あおい(元・医療事務)
多いのは、90日を超えて入院し特定患者に該当した患者さんについて、そのまま入院期間加算の区分で計算し続けてしまうケースです。特定患者に該当すると特定入院基本料の枠組みに切り替わるため、区分の見直しが必要になります。また、特定入院料を算定している患者さんを誤って対象に含めてしまう入力ミスも見られます。
みらい(新人医療事務)
病棟の中に対象患者と対象外の患者さんが混在していると、間違えやすそうですね。
あおい(元・医療事務)
そうですね。同じ病棟内でも患者さんごとに算定の可否が変わるため、対象患者の切り分けを日々の入院管理と連動させておくことが大切です。入院日数の数え方についても、転棟などがあった場合の起算日の扱いを院内で統一しておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。