みらい(新人医療事務)
部長、「協力対象施設入所者入院加算」ってうちの病院でも関係ある加算なんでしょうか。名前が長くて、正直よくわかっていません。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表で区分A253にあたる入院基本料等加算です。介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホーム、まとめて「介護保険施設等」と呼ばれる施設に入所している方が急に体調を崩したときに、協力医療機関として登録されている保険医療機関が診療して入院させた場合に、入院初日に限り算定できる加算候補です。
みらい(新人医療事務)
つまり、介護施設の入所者さんが急変して運ばれてきたときに算定できるかもしれない、ということですね。
あおい(元・医療事務)
はい。ただし「協力医療機関」として介護保険施設等から指定されていることや、施設基準の届出が前提になります。届出をしていない医療機関や、対象となる関係性がない場合は算定候補になりません。まずは自院がその介護保険施設等の協力医療機関になっているかどうかからの確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
詳しく聞く前に、全体像を簡単にまとめてもらえますか。
あおい(元・医療事務)
いいですね。まずはこの表で全体像をつかんでおきましょう。
| 項目 | 内容(令和8年度) |
|---|---|
| 対象医療機関 | 保険医療機関(施設基準に適合し届出済)。令和6年度新設時は在宅療養支援診療所等を含む複数施設類型が対象(詳細は要確認) |
| 対象患者 | 協力医療機関として定めている介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホームの入所者 |
| 点数 | 往診が行われた場合600点/1以外の場合200点 |
| 算定タイミング | 入院初日に限り1回 |
| 届出 | 必要(施設基準の届出が前提) |
対象医療機関・対象患者はどう決まりますか
みらい(新人医療事務)
対象になる医療機関と、対象になる患者さんを整理してもらえますか。
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は、施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関です。令和6年度の新設時点では、厚生労働省の資料に対象医療機関として「在宅療養支援病院、在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院、地域包括ケア病棟入院料に係る届出を行っている病棟又は病室を有する病院」と明記されていて、在宅療養支援診療所のような診療所の類型も含まれていました。
みらい(新人医療事務)
病院だけじゃなくて、在宅療養支援診療所みたいな診療所も対象になり得るんですね。
あおい(元・医療事務)
そうなんです。ただし令和8年度時点で自院がどの類型に該当し対象に含まれるかは、告示第70号(施設基準)などの一次資料と自院の届出状況で確認する必要があります。そして対象患者は、当該保険医療機関を協力医療機関として定めている介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホームに入所している方です。この3つの施設類型を厚生労働省の告示では「介護保険施設等」とまとめて呼んでいます。
| 対象となる介護保険施設等 | 位置づけ |
|---|---|
| 介護老人保健施設 | 介護保険施設 |
| 介護医療院 | 介護保険施設 |
| 特別養護老人ホーム | 介護保険施設等に含まれる施設 |
みらい(新人医療事務)
この3施設の入所者さんが対象、と覚えておけばいいですか。
あおい(元・医療事務)
はい。加えて、その施設の入所者に病状の急変等があり、施設の従事者等の求めに応じて、協力医療機関である保険医療機関、またはそれ以外の協力医療機関が診療を行い、入院させた場合という流れが条件になります。診療した医療機関と入院させた医療機関が別の協力医療機関であるケースも含まれる書きぶりになっている点は、確認しておきたいポイントです。
みらい(新人医療事務)
似たような入院時の加算と混同しそうです。
あおい(元・医療事務)
そうですね。在宅患者緊急入院診療加算や救急医療管理加算も入院初日に関わる加算ですが、起点になる患者さんの状況が違います。在宅患者緊急入院診療加算は在宅療養中の患者さんが対象で、協力対象施設入所者入院加算は介護保険施設等に入所している患者さんが対象です。対象患者の起点をまず区別してください。
点数はいくらになりますか
みらい(新人医療事務)
点数はどのくらいなんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
令和8年度の医科点数表(令和8年厚生労働省告示第69号)では、往診が行われた場合は600点、それ以外の場合は200点の2区分です。入院初日に限り、所定点数に加算します。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 往診が行われた場合 | 600点 |
| 1以外の場合 | 200点 |
みらい(新人医療事務)
往診したかどうかで3倍も違うんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。介護保険施設等からの求めに応じて医師が実際に施設まで出向いて診療した上で入院させた場合は600点、施設からの情報提供等を踏まえて入院させた場合などは200点という整理です。どちらに該当するかは診療の実態で決まるので、往診の有無と入院に至った経緯の記録をきちんと残しておくことが大切です。

施設基準はどうなっていますか
みらい(新人医療事務)
施設基準は具体的に何を満たせばいいんですか。
あおい(元・医療事務)
まず大前提として、施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関であること、そして介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホームから協力医療機関として定められていることが必要です。
みらい(新人医療事務)
それだけですか。
あおい(元・医療事務)
いいえ、実際の施設基準は告示・通知でさらに具体的な体制要件が定められています。24時間の連絡体制や緊急時の病床確保、施設とのカンファレンスの実施といった項目が求められると案内されていますが、当サイトが今回確認できた一次資料の範囲では、体制要件の細かな文言までは確定できていません。ここは自院の届出書類や地方厚生局の最新の通知で必ず確認してほしい部分です。
施設基準の確認は一次資料で
体制面の具体的な要件(連絡体制・病床確保・カンファレンスの実施方法など)は、施設基準に関する告示や届出様式で定められています。当サイトの記載だけで施設基準の充足を判断せず、必ず自院の届出内容と一次資料をご確認ください。
みらい(新人医療事務)
開設者が同じ介護施設と病院、みたいな場合はどうなるんでしょう。
あおい(元・医療事務)
保険医療機関と介護保険施設等が「特別の関係」にある場合、たとえば開設者が同一であるようなケースでは、算定が認められない運用になっていると報じられています。ここも自院とグループ内施設との関係性を確認しておきたい点です。
届出は必要ですか
みらい(新人医療事務)
施設基準を満たしていたら、自動的に算定できるようになるんですか。
あおい(元・医療事務)
いいえ、施設基準に適合しているだけでは足りず、地方厚生局長等への届出が必要です。届出が受理されて初めて、協力対象施設入所者入院加算の算定候補になります。
みらい(新人医療事務)
届出をしていない場合は、要件を満たしていても算定できないということですね。
あおい(元・医療事務)
そのとおりです。届出の様式や添付書類は改定のたびに更新されることがあるので、届出済みであれば候補になりますが、直近の届出状況を必ず確認してください。入退院支援加算のように介護保険施設等との連携が関わる加算は他にもあるので、あわせて届出状況を棚卸ししておくと確認がしやすくなります。
算定のタイミングと注意点を教えてください
みらい(新人医療事務)
算定できるタイミングや、他の加算との関係で気をつけることはありますか。
あおい(元・医療事務)
算定できるのは入院初日に限られます。入院が2日目以降になってから算定することはできません。
算定タイミングと確認事項
協力対象施設入所者入院加算は、入院初日に限り所定点数に加算する加算候補です。算定している入院料の種類によって取扱いが異なる場合があるため、レセプト請求前に自院が算定している入院料の告示・通知を確認してください。
みらい(新人医療事務)
入院料の種類によって変わることがあるんですね。
あおい(元・医療事務)
はい。入院基本料等加算は入院料の区分ごとに、算定できる加算の組み合わせが定められています。協力対象施設入所者入院加算についても、地域包括ケア病棟入院料のように算定している入院料によって取扱いが変わる場合があるため、断定はできません。自院がどの入院料を算定しているかとあわせて確認するのが安全です。
令和8年度改定での変更点はありますか
みらい(新人医療事務)
この加算は前からあったんですか。
あおい(元・医療事務)
はい。協力対象施設入所者入院加算は前回改定(令和6年度)で新設された加算です。令和8年度(2026年度)改定でも点数区分は維持されていて、往診が行われた場合600点、1以外の場合200点という構成に変更はありません。
みらい(新人医療事務)
施設基準の中身が変わった、みたいなことはないんでしょうか。
あおい(元・医療事務)
施設基準の細かな運用要件について、当サイトが今回確認できた一次資料の範囲では、前回改定(令和6年度)からの変更は確認されていません(確認日: 2026年7月)。ただし体制要件やカンファレンスの実施方法など実務に関わる部分は改定のたびに見直されることがあるので、最新の告示・通知・届出様式は必ず自院で確認してください。
前回改定(令和6年度)との比較
点数区分(往診が行われた場合600点・1以外の場合200点)は、令和6年度の新設時から令和8年度改定まで維持されていることが確認できています。施設基準の運用細目については、当サイトの一次資料の範囲では変更が確認されていないため、自院での最新確認をおすすめします。
自院で確認する順番を教えてください
みらい(新人医療事務)
実際に自院で確認するときは、どういう順番で見ていけばいいですか。
あおい(元・医療事務)
まず自院が施設基準の届出をしているかどうか、次に対象医療機関の類型に該当するかどうか、その次に対象施設との関係、という順番で確認するとわかりやすいです。
自院で確認する順番
自院が協力対象施設入所者入院加算の施設基準の届出を行っているか確認する 自院が対象医療機関の類型(在宅療養支援病院・在宅療養支援診療所等)に該当するか、告示第70号などの一次資料で確認する 介護老人保健施設・介護医療院・特別養護老人ホームのいずれかから協力医療機関として定められているか確認する 当該施設と自院が「特別の関係」にないか確認する 対象患者の急変時の対応が入院初日の診療・入院に該当するか、往診の有無を含めて確認する 届出内容・施設基準の体制要件が最新の告示・通知と一致しているか確認する

よくある取り漏れはありますか
みらい(新人医療事務)
実際の現場で見落としがちなポイントはありますか。
あおい(元・医療事務)
よくあるのは、施設の入所者さんを受け入れて入院させているのに、そもそも協力医療機関としての届出や施設基準の届出をしていないケースです。診療の実態はあっても、届出がなければ算定候補になりません。
よくある取り漏れ
往診の有無の記録が曖昧で、600点と200点のどちらに該当するか判断できなくなるケースがあります。診療の経過(往診の有無・入院に至った経緯)は必ず記録に残しておきましょう。
よくある質問
みらい(新人医療事務)
最後に、みんなが気になりそうな質問をまとめてもらえますか。
あおい(元・医療事務)
はい、いくつか整理しますね。
みらい(新人医療事務)
診療所でも算定候補になりますか。
あおい(元・医療事務)
対象医療機関は保険医療機関(施設基準に適合し届出済の医療機関)です。令和6年度の新設時点では、在宅療養支援診療所を含む複数の施設類型が対象医療機関として厚生労働省の資料に挙げられていました。令和8年度時点で自院(診療所を含む)が対象に含まれるかは、告示第70号などの一次資料や届出状況で確認が必要です。
みらい(新人医療事務)
介護保険施設等ならどこでも対象ですか。
あおい(元・医療事務)
対象になるのは介護老人保健施設、介護医療院、特別養護老人ホームの入所者です。そのほかの施設は対象になりません。
みらい(新人医療事務)
前回改定(令和6年度)のときと点数は変わっていますか。
あおい(元・医療事務)
前回改定(令和6年度)の新設時と令和8年度(2026年度)改定を比べると、往診が行われた場合600点、1以外の場合200点という点数区分に変更はありません。
みらい(新人医療事務)
グループ内の介護施設からの入院でも算定候補になりますか。
あおい(元・医療事務)
保険医療機関と介護保険施設等が特別の関係にある場合、たとえば開設者が同一であるようなケースでは、算定が認められない運用になっていると案内されています。グループ内施設の場合は特に慎重な確認が必要です。
自院が算定候補か確認したい方へ
みらい(新人医療事務)
うちが算定候補になるか、自分でも確認してみたいです!
あおい(元・医療事務)
自院が算定候補になるかは 加算チェッカー で確認できますよ。届出状況や体制を入力すると、確認すべきポイントが整理できます。
最終確認のお願い
最終的な算定可否は、自院の届出状況・公式資料・審査支払機関の判断でご確認ください。